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8-7「おにーさん、わたし旦那さまのことを聞いている」(7P)



「……仮に、シャトワール(お嬢様)が無事招待状を都合してくれたとして……、そこに君も出向くかどうかは、また考えさせてくれ」

「……えーと、なんで?」

「────即席貴族(なりきん)の群れを舐めるんじゃない。嫌な思いをする」


「…………」



 即答したエリックに、ミリアは沈黙した。

 その言葉に重みを感じて、(……やっぱり)と目配せ。

 

 そして、手元のアイスティーに視線を落としつつ──述べた。




「…………おにーさんって結構さ~」

「…………うん?」

 

「過保護だよね?

 世話焼きっていうか?

 接客やってたら貴族サマ富裕層サマの嫌味で尊大で傲慢なご高説ぐらい、嫌と言うほど聞いたりしてるんだけどな?」



 眉を寄せ、小首をかしげ、先ほど得た確証を問いかけとして放った。

 


 前々からそうだ。

 何かとあれば彼は『心配・心配・危ない危ない』と繰り返す。



 初めはそれが子ども扱いされているようで不快だった。まるで親や教師が云うセリフを、なぜこの前会ったばかりの男性に言われなきゃならないのか疑問で仕方なかった。



 しかし、アルトヴィンガやそれらを経て、身に染みてわかった今。

 以前ほど反抗心は芽生えないのだが──

 接客に関してはミリアの方が経験者だ。


 なのにここで、『危ない』という。


 それは、下手をすれば接客業の人間を怒らせる原因にもなり得るのだが──そこまで思わないミリアは、それらを『過保護』という言葉で包んで。

 疑問と交えて伝えた。

 返事は瞬時に返ってくる。


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