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3-2「三年ぶり二度目の結婚生活がスタート」(6P)
────ミリア
結婚してくれ
「だっからやっっかましいわっ!」
────スパァン! がたああああん!
父の字で書かれたメッセージに全力で叫び、思いっきりカードをすっ飛ばし勢いよく立ち上がる!
これは流石に加減ができなかった。
思わせぶりに、なにか別の知らせがあるかと思いきや、こんな文言を書いてきた父親に呆れしかない。
隙を見せない二段構えと言えば聞こえはいいが、『超・特・大』の大きなお世話である。
「あーもー! あぁぁあああああぁもう!
何かと思ったじゃん! 本気で『よそはよそ、うちはうち♡』って送りつけてやろっかなっ!
はーっ! むかつくもおおおおお!」
投げたカードの行方を追いかけることもなく、髪をぐしゃぐしゃと掻きむしりながら、ミリアはその場を後にした。
バッグヤードに消えゆく彼女を背景に、支えを失った桃色のカードは、ひらひらと。
カウンター外の店内を舞い、落ちていった。




