表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

523/592

8-5「エルヴィスさまではありませんか???」(6P)



「『……で、ですわ……ね……、そうですわね、ほほほほほ』だって」



 ………………はふ………………


 耳に届いたその言葉に、エリックは解き放たれたかのように息を吐いた。


 危機一髪だ。

 助かった。

 やっと呼吸ができる気分だ。


 冷静を取り戻した脳が、瞳がミリアを求める。


(実に鮮やかだった。……本当に助かった)



 信じてくれているから、疑わなかった。

 信じてくれているから、言葉に何の含みもなかった。


 含みのない人間の説得は、嘘を本当にする。

 ──それが、今の彼には心強かった。


 しかしながら、結果、ミリアに知らず知らずのうちにシャトワールを騙す手伝いをさせてしまったことは小さな傷だ。


 そんな罪悪感を感じつつも、気を取り直そうとした、そのとき——






「うげっ」

「?」


 妙に苦しそうな声が届いて振り向いた。

 目に入ったのは、後ろに数歩よろめくミリアと、ミリアの肩を掴み囁き始めるシャトワールの姿。




 …………どうやら、また(・・)フィルターとして使われているようである。



(…………おい。ちょっと)



 その様子に湧き出る”シンプルな不快”。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ