表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

519/592

8-5「エルヴィスさまではありませんか???」(2P)




 



「えーと、えーと、繰り返すね? 

 『シャルルは、幼き頃にお会いできたあの日から、ずっとエルヴィス様を思い描いておりましたのよ……? 間違うはずありませんの! 沢山遊んでくださったわ! あの方はエルヴィス様です!』だそーです、けど…………」

「────ああ、なるほど、それで」




 口調をまねて伝えるミリアに。

 エリックは、極力落ち着き払った声と雰囲気を捻じりだして切り返した。



 内心まだ焦りまくっているが、勝ち筋は見えた。

 


 シャトワールのそれはやはり「幼い記憶」。あの日、あの昼、あの場所で。それ以外の出来事を述べているのではなく、はるか昔の記憶を述べているだけ。




 ならば、嘘で巻くのは容易いと踏んだのだ。



 そもそも人の記憶はあいまいだ。

 思い込みや誤認でどうとでも変化する。


 幼いころのものなら霞や幻のような明度だし、いくらシャトワールが力説したところで、ミリアが自分を盟主だと紐づけることはないだろう。



 それさえわかれば、あとは簡単。

 いつも通り、事実を交えて捲くだけだ。 



 とりあえず全容を把握したエリックは、ミリア越しのシャトワールに、「付き人」の笑顔を湛えると、貴公子を装い言い放った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ