表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

517/592

8-4「本家は爪を隠すもの」(10P)





「……シャトワール殿。ミリアから手を離していただけませんか? 彼女が苦しそうだ」


 

 

 ぎゅう……!

 相棒の解放を願う自分に、しかし、シャトワールは彼女の服を引く。瞬間、苦しそうに歪むミリアの顔、そこに顔を近づけるシャトワール。



「.......,......!  .......,......!」

「うっ、しゃ、しゃとわーるさま、あの、え? なんですか?」


 

 苦しそうなミリア。

 必死な様子のシャトワール。


 手出しのできない状況に、ひとり歯がゆく口を閉ざす彼の前、それは、唐突に訪れた。



「.......,......!」

「もう少し声張ってください~っ、声聞こえないです~っ!」

「.......,......! ......,......!」」

「────え?」



 声を上げ、目を丸めるミリアの瞳がエリックを射る。

 その、驚きを宿したはちみつ色の瞳に釣られて自然と目を丸めた時。


 「その名」は、ミリアの口から放たれたのである。



「────『エルヴィスさま』?」

(────は?)



 

 心臓が跳ねた。

 まるで喉まで届きそうな勢いで脈打つ。

 どうしてその名を──とっさに全身が強ばる自分を置き去りに、ミリアは言うのだ。




「えっ? 「エルヴィスさまではありませんか?」って???

 えっ? おにーさんが?

 …………えっ?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ