表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

514/592

8-4「本家は爪を隠すもの」(7P)




 心配されなかったのは残念だが、しかしそれも予想の範囲内。

 

 仮にもスパイのボスで、嘘を吐くなど日常茶飯事の自分を、『嘘が下手』と思い込んでいるミリアが愉快で可愛らしい。実は盟主である自分に「つまんないことしないの」と怒る彼女が微笑ましい。



 くすくす、──フ! んんっ。

(もう少し、嘘の演技を練習するべきかな)



 緩む頬を右手で覆い、ぐっと目じりに力を入れたエリックは、次に切り替えるように背を伸ばすと、ミリアの後ろ──シャトワールに目を向けた。

 

 ベンチに近寄ったミリアの背に、張り付くように隠れているシャトワール。先ほどの高飛車高笑い令嬢はどこに消えたのか、今はその顔すら見えない。


 ──様子が変である。



「……? シャトワール、様? いかがされましたか?」

「…………!」



 ミリア越しに唸るシャトワールは、目を伏せたままこちらを見ようとしない。



 スリに遭う前とはまるで別人だ。

 素直に首を傾げて視線を向けるエリックだが、シャトワールは完全にミリアの影に隠れてしまった。


 当然、浮かぶ疑念と不審。

 



「……ミリア? シャトワール、様は……どうした?」

「あ~~~~、え〰〰〰〰〰っとぉ〰〰〰〰〰」


 


 その問いに、ミリアの困ったような声が返り──









「──はっ? 極度の男性前 緊張症候群?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ