表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

510/592

8-4「本家は爪を隠すもの」(4P)




「──ボスから言伝(ことづて)を頂いていてね。

 お前の仕事の出来次第では、特別任務に就いてもらうよう指示されていたんだ」

「──え? ぼ、ぼすが、オレサマに、特別任務を……!?」



「────ああ、そうだ。お前の仕事っぷりは素晴らしかった。

 くだらない盗みなど他の者に任せ、お前には組織の未来を担う仕事に就いてもらう」

「……ほ、ほんとに……!?」

(──お前、大丈夫か? ミリアでももう少し疑うぞ)



 あっさり信じたジャイルに心の中で突っ込む。

 瞬時、脳内で『どーいう意味かな』とむくれ顔のミリアも出てくるが、それはさておき。



(……顔を見たこともない相手の言うこと簡単にを信じる馬鹿がどこにいるんだ。ああ、ここにいるのか。どの組織に属しているかは知らないが、基礎からやり直した方がいいんじゃないのか)

 


 と、怪訝を転がしまくるが、彼には密かに考えがあった。



 思惑を胸に、エリックは余裕の笑みを湛えつつ、ベストの内ポケットから革の小物入れを取り出すと、差し出し口を開く。




「──中の物(これ)は褒賞だ。別々の街で換金しろ。当面の活動費として使えとのことだ」

「──ああ!? んなちっこい小物入れが褒賞って、舐めてンの──かっ……!?」



 

 瞬間。

 怒り出したジャイルの表情が固まり驚愕に染まった。





 エリックの手のひらの上。

 差し出した革の小物入れは、確かに『褒賞品』のようには見えないが──



 その刻印。

 革の質。

 間違いなく本物の証(・・・・)が刻まれたそれに、ジャイルが目を白黒させる中。エリックは、お宝の品定めをするように革の小物入れに指を入れると、



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ