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7-22 「キミの気持ち」(5P)



「…………おにーさん、結構優しいよね」

「『結構』?

 何言ってるんだよ、俺は優しいよ。

 相棒の頼みだからというのもあるけど、優しくしてるだろ?」

「………………」

(……この切り替えしですよ、これ)



 ちょっぴり見せた好感を、全力の肯定で返され黙り込んだ。


 複雑な気分である。

 確かに純粋に褒めたつもりであったが、それに躊躇うことも恥じらうこともなく、堂々と『当たり前だ。今更?』を醸しだすエリックに言葉もない。



 (こーいうとこ、あるよね~)


 ほんわかしていた心は平たくなってしまった。

 褒めがいがないというか、なんというか。

 どこに自信を持っていてどこに自信がないのかわからないというか。



(不思議なひとです、エリック・おにーさんさん。まぁいーんだけど)


 呟きながら、片手間でテーブルの上を片づける。

 空いた皿を横に避け、カトラリーをまとめ、空間を開ける彼女の前。


 エリックはというと、数秒。思い出すように沈黙すると、次に、心底気まずそうに顔を染め上げた。



「それと…………その。

 あ────、『コルト』? だっけ。

 あいつの件については、悪かった」



 言いながら、うなじをガリガリ。

 見える彼に、ミリアの中。

 『あの時』と『今』が混ざる。



 『目の前の気まずそうなエリック』と、当時の『優等生のエガオを張り付けたエリック』が混ざり合い、微妙な顔をするミリアに彼は、解けない問題に直面したような顔つきで口元を覆うと、


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