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7-21「信用してない」(5P)




「────で、『ヘンリーさん』。

 あのひと、力になりたいんだよ。

 おにーさんの力になりたいの。

 任せてみたらいいんじゃない?

 『任せて欲しい』って言ってるんだからさ。

 

 あんなに切実に『やらせてくれたら』って言ってくれる人もあんまり見ないし、任せられないほどのポンコツっぷりなら考えなきゃいけないけど、そんな感じしなかったし。どうなの?」



「────仕事は……できるよ、しかし、」

「じゃあいいじゃん。

 おにーさんは申し訳なく思うかもしれないけど、だって向こう欲しがってる(・・・・・・)んだから。任せちゃえばいいんだよ。欲しいんだもん、向こう」



「────巻き込むわけには……!」

「わたしは、嬉しかった」




 『完全に盟主の立場で』、足踏みを続ける自分に、ひとつ

 まっすぐな言葉は、朝の光のように差し込み、場を貫いた。



 その言葉には迷いがなく、モヤも、葛藤も、奮闘も切り裂くようで、言葉がない。


 

 胸の中、纏わりついていた何かから引き上げられたような感覚を覚える彼に、はちみつ色の眼差しは、柔らかに瞳を貫き、ふんわりしたと光を帯びる。




「相棒って言われて嬉しかった。

 選んだって言われて嬉しかった。

 できると思うって言われて、嬉しかった。


 だから応えようと思ったし、教えようと思った。


 キミの信用が、わたしを動かしたわけ。

 わかる?

 わたし、動かされた。

 それが嬉しくて、今こうしてる。

 ”巻き込まれ上等”

 ”最後まで付き合う”

 ……そう思わせてくれたのは、エリックさんのココ」



 言って、彼女は自らの『あなたの心が打ったんだよ』と言わんばかりに胸を刺す。心の奥が音を立てる中、彼女はすぐさまころりと瞳を回して一息。

 


 ──「もちろん人によるけどね」と恥ずかしそうに予防線を張り、仕方なさそうに笑う、彼女に……ほおが綻んだ。

 

 ────綺麗ごとを述べているわけでもない。

 理想論を語っているわけでもない。

 彼女が述べることばが、何とも優しく・柔らかい。




「だから、渡してあげてよ。

 シゴト。

 きっと喜ぶよ、あの人」

「────…………」





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