表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

443/592

7-20「ちょっと待て ヘンリーだなんて聞いてない」(4P)




 

「──ミリア。無い(・・)とは思うが」

「うん?」


「…………なにかされなかったか」

「──”なにか”」


 

 真剣と緊張を宿した瞳で問うエリックに、ミリアはただただソレを繰り返していた。



 あたまの中でぐるりと『なにか』を検索するが──エリックの言わんとすることがいまいち絞り切れずに考える。



(──なにか、とは? そういうこと(・・・・・・)を言いたいのだろーか?)




 と、瞳をくるりと回し、そっと手を伸ばすのはミルクのグラス。



 何せミリアは、ヘンリーという名前の男性()警戒されていたのだ。



 自室に招いて寝床を貸したにもかかわらず、警戒されるという不可解な局面に放り込まれていた彼女にとって、『なにか』もクソもあったものでないのだが──



 エリックの予測は違うようである。

 ミルクグラスを片手に、こくんと飲み込むミリアの前で、エリックは言いにくそうに眉をひそめ、言葉を選ぶように瞳を迷わせると、



「ヘンリーと、ベイダー隊には感謝する。

 が、その……

 こんなことを言うのもなんだけど。

 ヘンリーという男は、少々オンナ癖が悪くてな。

 助けてもらって言えることでは無いが、君に何かしたのでは無いかと気になって」

「あ〜……。たしかに、チャラ……人当たりのいいお兄さんだよね~」




 言われて、軽く相槌を打った。

 いまだ険しい顔つきのエリックが言わんとすることを理解したミリアは、煮込んだキャベツと小さな鶏肉を掬い上げて彼に言う。 





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ