7-18「こんなことを言ったら君は俺を軽蔑するかもしれないけれど。昨晩のことは、本当に記憶がなくて……、君にあんなことをしておいてどの口が言うんだという話だが、その、」(2P)
「なにがなにやら」である。
こちとら寝起きだ。
まだ頭もボーっとしているのにいきなりフルスピードで言葉を叩き込まれても追いつけないのだが。
しかしエリックは沈痛だ。
そんな彼を前に、『なにいってんだこいつ』な顔のまま、空になったグラスを置いたミリアは、まるで雪崩のように注ぎ込まれた言葉をなんとなく振り返り──
「まあ…………痛いけど…………」
「────!
すまなかった……っ!
不徳の致すところだ……!
嫁入り前のむすめに、ああくそ……!
なんてことを……ッ!」
「??????????」
問いかけに、ベッドの上。
痛む背中をかばうように丸め、自身を抱きしめるように肘を掴んで答えたそれに返ってきた青ざめた顔を見て──さらにわけがわからないと沈黙した。
(いやあの確かに痛いし、粗相と言えばそうなのかもしれないけど、え? その反応は「なに?」)
昨晩のことを思い出し凝視する先。
彼は、異様に、『消え入りたい』『しかし責任が』という顔つきでそこに鎮座しており、その様子がどうも────
『ナニカ盛大な勘違いヲしている気がして』。
ミリアの中、「点」が繋がる。
瞬時、薄く伸びる顔のパーツ。
(あ──────~~~
え──────っと、
あぁ──────~~~~……)
言われてみればそうである。
自分たちは年頃の男女。
いくら世の中が男女の溝問題でひりついていようが、犬猿の仲だろうが、意気投合すれば行為をする男女は居るだろう。
(ベッドの中だもんね、そ、そうだよね)
を胸の内。
ミリアは、思いつく限りの「大人の発想」を並べ立て「複雑」を顕にする。
──実に言いにくい。
言いにくいが、言わねばならない。
ふぅ、と小さく息を吸い、すぅ……と前のめりに彼を見上げると、




