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7-18「こんなことを言ったら君は俺を軽蔑するかもしれないけれど。昨晩のことは、本当に記憶がなくて……、君にあんなことをしておいてどの口が言うんだという話だが、その、」(1P)












 おきる。

 おきた。










 






「────ミリア。俺は、君と、これからも相棒でいたい」

「──へあっ?」




 朝の光が差し込む、寝室のベッドの上。

 のっそりもっそり起き上がったミリアに、開口一番。

 ベッドわきの椅子に腰かけ、妙に改まったトーンで申したエリックに、ミリアは間の抜けた声を上げた。




 寝起き一発目である。頭もぼさぼさ、睡魔のフィルターが抜けきらないアタマにそう言われてもさっぱりチンプンカンプンなのだが、エリックは妙に神妙だ。



 その彫刻顔に、痛烈を湛えて。

 心底気まずい雰囲気を出しながら、彼は瞳を迷わせ口を開くと、

 


「──こんなことを言ったら君は俺を軽蔑するかもしれないけれど。昨晩のことは、本当に記憶がなくて……、君にあんなことをしておいてどの口が言うんだという話だが、その、本当に思い出せなくて。

 情けないよな、いくら考えても公園の後がわからない。確かに体は重かった。それは覚えているが、こんな失敗……、変な薬でも盛られたのか? だとしたらどこで? 君は? 君は大丈夫だった?」


「…………???」

「そうだよな、君がそんな顔をするのも仕方ない。全ては俺の責任だ。本当に悪かった。記憶がないなど、ただの言い訳だ。相棒の君相手にこんな粗相(そそう)をするなんて…………本当にすまない。痛いところはないか? 大丈夫か?

 その、────…………!」




 堰を切ったように流れ出てくる言葉。

 勝手に進んでいく会話。

 かと思えば途切れ、言いよどむ彼。


 そしてその先を待っている様子(・・・・・・・)のエリックに、





(…………えと、…………え……? なんのはなし…………??)


 

 サイドテーブルのグラスを手に、ミリアはぽかんと沈黙した。






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