7-17「アタるすべてが柔らかい……」(4P)
(────き、……着痩せするタイ……プ……)
普段見えないふくらみに息を呑んだ。
確かに「服の上からでもあることはわかるサイズだ」とは認識していたが、普段、そんな印象を持っていなかっただけに、認識したサイズは、やや大きく、エリックの何かに響くのだ。
たゆん、たぷんとした感触なのは目に見てわかる。
そっと触りたくなる。
────指を握りしめ目を反らす。
(────い、いや。待て。)
瞬間的に不埒なイメージが脳内を駆け巡り、視界を遮断して首を振った。
相手は相棒である。
まさかここで触れるわけはいかない。
寝てるからと言って見入るのもいただけない。
しかし、どうしようもなく気になるのだ。
どうしようもなく。
目を閉じても気になる。
確かに久しく女を抱いていないが、別に飢えているわけじゃない。
──のに。
見たくて仕方ない。
(──10代じゃないんだぞ……! 馬鹿か……!)
内心自分に毒づきながら、エリックはそぉっと目を開けブランケットに手を伸ばし、息を殺してミリアの肩まで引き上げて──、
ふと。
そこで光る宝珠に目が行き手を止めた。
それは、彼女が普段身に着けている「ネックレスの先」。いつもは服の中に隠されて、色も形も見えなかった──いや、気にしたことすらなかったアクセサリーの本体。
こちらでは見慣れぬ装飾。封じ込めるように嵌められた宝珠の色に、思わず。
(────黒……? いや、赤紫……?)
眉を顰めて覗き込んでいた。
シンプルな革ひもの先を飾るペンダントにしては、やけに色が禍々しい。
黒に近い赤紫。
毒々しいというか、命の危険を感じる色であり──
(……ミリアの、趣味とは……思えないけど……)
普段の印象からかけ離れた色に、エリックが首を捻った時。
「……、……?」
「────!」




