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7-16「恥ずかしミリアの床事情」(6P)




「──きゃべつ。

 ──と、鶏。

 ふふ、「鶏」♡

 トリと……きゃべつの塩スープ……?

 ……あ、ニンジンある。この前ロミーさんにもらったやつ」



 ぽそぽそ、情報を整理するように呟く。

 手に取った、若干しなびた人参に眉をひそめると、首を引いてひとつ。

 


「……ニンジン嫌いなんだよね~、こいつどうしよう。そぉーだ、おにーさんに食べてもらお、そうしよ~♪」



 「これは名案♪」とばかりに、エリックに押し付けることを閃いたミリアは、嫌いなニンジンも軽やかに、ほかの材料も取り出し歩きだした。




 キャベツにニンジン、トリの肉。

 小さなキノコにイモの端切れ。

 鍋を取り出しかまどに置き、しゅるんと構える「ウォルタボール」。

 パシャっと音を立て鍋で波打つ水を横目に、ひょいひょいと(くう)にすべての材料を放り投げ────



「フィルラップ~チップでカッ~ト!」



 ミリアの声に応えて、一瞬。

 魔力の壁に包まれ宙をただようキャベツや鶏肉を、鋭利な風が切り裂き、すぱっと音を立てゴトゴトと音を立て木造りのボウルに落ちていく。



 マジェラの民にはナイフなど必要ない。

 すべては風任せ、水任せでモノを切る。


 かと言ってナイフを扱えないわけではない。ただただ一人の時に、面倒なことをしないだけだ。

 

 

 鮮やかにボウルに着地した材料たちを横目に、ミリアは次に「かまど」を見つめ息を呑んだ。瞬間・表情に緊張を走らせ、真剣な面持ちで中指と薬指を合わせ――




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