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7-14「相棒の彼に押し倒されて……」(6P)




 腕にのしかかる重さがヤバイ。

 体にかかる重さが先ほどまでの比ではない。

 反射的に足が踏ん張る。

 腰が反りかえり、腕に全力を込めるが──



 ず、ずずずずず……!



「ちょっと? ちょっと??

 っていうかなんか熱くない? あっつ! 

 ほらやっぱり体調悪いんじゃんばか!

 どこか、休める場所、歩いて!

 ほら歩い────あしっ!

 足に! あしっ! 

 足に

   チカラ

      いれっ、

         てっ

  ────重っ!」



 ずんっ……!

 声かけもむなしく、まともに伸し掛かる上半身に、ミリアは目いっぱい力を入れて踏ん張り声を上げた。



 足がプルプルする。

 背中を叩くが反応は無い。



 荒い息遣いが耳に届く。

 生きているのはわかる。

 しかし彼に意識がないのもわかる。



 修羅場だ。

 昼下がりの公園のど真ん中、気絶した成人男性の体が成人女性の腕に()し掛かっているのだ。



 支えられるわけがない。



「…………ちょ、重おおおおおおおお重い無理無理、おにーさ、立とうとしろおおおおエリック! エル! おにーさ、むっ、むりむりむりむり!」



 ずず、ずずずずう、ずずずずず……!

 ぐぎぎぎぎぎぎぎっ……!!



 全力で抵抗するが、エリックは無遠慮に倒れこんでくる。


 どんどん腰が下がる。

 太ももがプルプルと震える。

 支えるどころか自分まで後ろにひっくり返りそうな危機を覚え、公園の石畳に後頭部を打つところまで想像した彼女は再び。歯を食いしばり力を振り絞った!



「ふん! ぬうううううううううううんぐうんんんんああああああ! ああああああああああああだめだこれ! だめだこれええええええええ」

(──このまま潰れたらおにーさんあたま打つ! ガツン! っていく! っていうか下手したらわたしも後ろ頭打つ! で・も・こ・の・まま)

「た、立てない! むり! つぶれる! 怪我! 頭打つから! ぢょっと起きておにっ! む゛り゛お゛も゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛っ……!!」






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