7-7「喰われるアコガレ」(6P)
「──ちょっと待った!
こんなところに来るとか聞いてない!
オリビアは? オリビアに会わせてくれるっていったのに!」
ミリアは慌てて思いっきり腕を引いた。
抜けない腕に焦る。
冗談ではない。
こんな男に捧げるために、ここまで来たのではない。
しかし、それをあざ笑うかのように
リックはゆらりと振り向き微笑むと、
「────だぁかぁらぁ。
オリビアはぁ。
このナカだよぉ♡」
「『うそ』でしょ……!
女一人で入る場所じゃないのぐらい、わたしも知ってるし……!」
ぬらりとした嗤いに返す、全力の警戒と反抗の意思。
ハニーブラウンの瞳で睨み上げながら、抜けない右腕に意識を払いつつ数歩退きつつ考える。
(……っていうかこいつ、たぶん最初からこのつもりだったんだ……!
──自分の馬鹿さ加減にも腹立つけど、最悪……ッ! モデルだってこと逆手にとって、こんなことしてたわけ……!?)
吹き出し暴れまわる警戒と嫌悪。
自分への呆れも混ざるが、今はそこに憂いている場合ではない。
あくまでも抵抗の姿勢を見せながら、ミリアはヤツを睨み上げた。
「────オリビアは?」
強く、はっきりと。
「ねえ、オリビアは? 会わせてくれるって言った!」
噴き出す不安と焦りを覆い隠すように、暗がりの路地に声を放つ。吞まれぬように気を奮い立たせる。
強い態度で、この男に少しでも動揺を。
周りの誰かに『自分の存在』を。
与えなければ、このまま喰われてしまう。
「──そうじゃないならこの手、離して!」
「────は! ははははははははは!」
「……!?」




