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7-6 レッツ!カルミアフェスティバル(5P)






 

「こぉーんにちはぁ♡ フィルニン♡ やっとみつけたよ~ヒメぇ♡」

「…………。

 ……こ、こんにちは…………?」


 


 馴れ馴れしい陽気な声に、ミリアはあからさまに動揺しながら相槌を打った。



(…………だれ、こいつ…………)


 

 よそよそしく呟くミリアの前に現れたのは、見知らぬ男。

 


 暗めの髪はぬっとりとしたオールバック。

 顔面で、小さめに光る両の瞳はスカイブルー。

 どことなく見たことのあるような髪型、装いの男だが──


 

 見たことはない。

 初対面であった。

 

 しかしながら、にこにこスマイルを崩さない男のその距離感に、ミリアの中で沸き立つのは当然。



 『警戒心』である。


 

 彼女は、自分が『出たとこ勝負の異邦人』という自覚はあるが、さすがのミリアもこう出てくる相手には、和気あいあいとは行けない。 




 近い距離感(・・・・・)に警戒が滲む。

 ベンチの上、人ひとり分ぐらいの距離から。



 ”すぅ”っと

 (からだ)半身(はんみ)退(しりぞ)いて、戸惑い気味に首を振ると

 


 

「……いえヒトちがいです……

 ひめじゃないし……、ひめ違うし……」

 

 


 答える声に込める戸惑い。

 ぶっちゃけ(なんなのこの人)は隠せなかった。


 

 

 目の前の男に『姫呼ばわり』される覚えもなければ、されたいとも思っていない。はっきり言ってそんな扱いは顔が引きつり腰が引けるというものである。

 

 


 しかし、彼女は考えた。

 『どこかで会ったことがあるかもしれない』と。

 『お客様として対応したことがあるかもしれない』と。

 そう、全力で脳内記憶を検索するが────……





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