例えば────
例えば────
「しりとりをした時」
どんなパスを投げられても
同じ末尾でひたすら意地悪して
辞書並みの語彙を発揮するのがエリックで
国が違うのを逆手に
ありもしない造語を堂々と繰り出すのがミリアで
「『回答』、ああ、答える方です」
「『解凍』、違いますよ? 溶かす方です」
「『快投』、いい球を投げられますねぇ」
「『怪盗』、貴方の心を盗む方です」って言うのがスネークで
途中でなにをしていたのか忘れてお茶を飲みだすのがリチャードです。
────例えば「眠れない夜」
「まだ起きてるかな? でも今送ったら迷惑だよね? LINEの1通ぐらいいいかな? ねえどうしよう、んんんん、スタンプいっこだけ! そしたらすぐ寝るからっ!」
と格闘して送るのがミリアで
《なあ、起きてる?》
《寝てるか、そうだよな》
《ちょっと聞いてほしいんだけど、俺は君に会えてよかったと思ってる》
《君がいたから、俺の世界は変わった。君は俺の太陽だ》
《ああ、今すぐ君に会いたい》
《君に会えない夜がこんなに長いなんて知らなかった》
と、遠慮なく送ってあさイチ恥ずかしくなるのがエリックで
眠れないなんてないぐらいマンゾクさせるのがスネークです。




