表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

298/592

5-18「暗雲」(5P)







 『素敵ですね、とても似合っている』

 


 それに頬を赤らめるベルオーブの娘は

 『……嬉しいですわ、今宵のために作らせましたの』と はにかむ。



 

 しかし、エルヴィスは知っている。

 そのドレスを、コサージュを、誰が作り縫い付け拵えたのか。


 

 透かして見える。

 『それを丁寧に縫い上げた 相棒の真剣な顔』。





「…………」


 それらを胸にエルヴィスは、ぐるりとホールを見回した。




 感覚ではわかっていた。

 想像はしていた。

 けれど、今はもっとよく、わかる。

 


 関わったからこそ、鮮明に視える。




 華やかな舞踏会。

 色とりどりのドレス・タキシード・料理や飲み物。

 ここにある──いや、

 世の中すべての物の、向こう側に




 ────”携わっている人が居る”と。














 その日の舞踏会は

 彼にとって





 今までと違うものになった。















 








 


(────くそっ……!)




 靴音すら鳴らしながら、焦りを抑えて走り抜けるは裏街道。


 





 夢見が悪かった

 胸騒ぎがする


 

 もうあんな思いはしたくない

 なぜあんな夢を見たのかわからない


 どうしてそこに、彼女が混じったのかわからない






 視野も狭く、ただ目指すのはビスティーだ。






 焦る、焦る

 


 『夢は夢だ』『夢は夢であってくれ』と、切に願いながら。




 

 息を切らし

 よぎる悪夢を振り切るように

 





 














 




 言葉は、不思議だ。



 誰にいつ

 どのような影響を与えるかわからない




 狙った言葉が響かないこともある

 想像以上に、心を震わせることもある


 何気ないひとことが

 何かを動かすこともある








 その一言は

 平静・冷静を望む心を激しく揺さぶった。











「ミリアが……いなくなった!?」
















 ────これは、嘘を重ねる男の話。











      この番組は


   ノースブルク諸侯同盟と

     ネミリア聖協会

   マジェラ魔導教育委員会


      の提供で

    お送りいたします








▶▶次回

 「エルミリ 盟主は手綱を握りたい」は

  4/17(月) 21:00 ドロップ!



    chapter6-1 「皮肉」

 


   星の輝きにTarget ON★

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ