表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

218/592

4-11「むしてたべる」(1P)






 暮らす場所・育つ場所が違えば、もちろん。

 使うものや道具にも差が出るものである。





 

 食事中、ミリアが出した『プリン』の話。

 どうにも通じないそれを確認するため、彼女は聞いた。





「────ねえ、もしかして

 ここって、『蒸し料理』がない……?」

「………………ムシ、料理…………?




 ミリアの問いかけに、『信じられない』というニュアンスで呟いたのは盟主・エルヴィス・ディン・オリオンだ。



 


 彼は完全に誤解している。

 彼女の言う『蒸し料理』は『蒸す』という調理法のことであり、『虫料理』ではない。

 しかし、彼の認識の中で『蒸し』は『虫』であった。






 エリックは、


 気まずさの中にも、


 気遣いを残したような顔をして、言う。





「……そんなの、初めて聞いた、かな。

 …………あー、

 …………そっちでは、よく、

 その、

 ……食べ、るのか……?」

「けっこう。よく。

 蒸して食べる」


「…………”虫て食べる”…………」




 ケロッと言われて、さらに内心ドン引くエルヴィス・ディン・オリオン。




 昆虫を食べる民族がいるのは知っていたのだが──



 まさか目の前の彼女がそうだとは。




 別に、それが異常だとかどうとか言うつもりはないが

 彼の脳内に浮かぶのは、昆虫を嬉々として食べるミリアの顔。

 


 その大人しそうな外見で

 『虫おいしー!』と、何かを頬張る彼女の顔だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ