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4-6「パラ見でオール却下」(3P)
目 も 合 わ せ ず に。
「…………キャロライン。
君 の と こ ろ も
君 だ け だ よ な?」
「そうね?
貴方のところもそうでしょう?
エルヴィス」
「────ああ」
「…………」
短い会話。
互いに強い語気。
探るような、刺すような『声』。
『……………………』
…………ちゅんっ……ぴちち……!
その場に響く平穏な小鳥の囀りとは対照的に、彼らを包む空気は今や
”一触即発”と言うにふさわしかった。
「………………」
格調高いテーブルの上、指を組んで黙るキャロライン王女。25歳恋人なし・一人っ子。
「………………」
拳で頬杖をつき、光を浴びる花を眺めるエルヴィス盟主。26歳恋人なし・一人っ子。
そう。この二人、相手がいないのである。
そして互いに、『お年頃』『適齢期』。
どちらも
周りからかけられているのは『プレッシャー』だ。
話の流れ、今の状況。
互いに流れる『お前はどうなんだ』『余計なお世話だ』という空気。
二人を包んだイヤ〜〜〜〜〜な沈黙を破るべく
エルヴィスの先制攻撃がキャロラインを突く!