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3-15「フィルターを通して」(3P)
「…………ヤキモチ、じゃないですか?」
「はいっ?」
「──貴方という人間と、好意的に話す私が気に食わなかったのでは?」
「──…………」
ぽとん、と投げられた石。
いきなり飛んできた、
根拠も何も、本人の意思置き去りの”推測”に。
ミリアはハニーブラウンの瞳をまるくして────…………
────ぶ!
「あはははははは!
そっ、それは絶対ないと思いますよっ、スネークさんっ!」
二、三秒の沈黙のあと。
思いっきり吹き出し、腹を抱えた笑い声が、大きく響き渡った。
彼女は大きく手と首を振りながら、
その右手で目尻を押さえつつ、声も大きく吹き出すと、
「ぷっ、ぶっ!
な、何を言うかと思えば……!
もー! スネークさん面白いなぁ!」
「──おや。違いましたか?」
「ちがうちがう!
そぉんなわけないじゃないですかっ!
だってそんなに仲良しじゃないですもん!」
腹が痛かった。
心底可笑しい。
抱腹絶倒とは、まさにこのこと。