3-13「あっあっ、んっんっ。」(2P)
ギリギリのところで 持ち堪えていた。
腕が
倒れる
ギリギリのところで。
「────んんんんああああああ!
ねえ待って!? ちょっとまって!?
こんなギリギリのとこで力キープするっ!?
ちょっとキミッ……大人げなさすぎるのでは!?」
「……大人げないことを求めたのは君だろ?」
「ちっとも動かない! ちっとも動かない!
あああああっ腕がぷるぷるッ!
ぷるぷっ。
あああああああっ!
もう無理ああああああああ!」
「…………だから言ったんだよ。
何度やらせるつもりなんだ、『腕相撲』」
あと1ミリ。
もう少しで『負け』というところで力をキープし続けている、黒髪くせ毛の青年エリック・マーティン……
いや、エルヴィス・ディン・オリオン盟主は、絶妙な加減で腕に力を込めた。
お察しの通りである。
『契約』を終えた彼女が求めたのは『腕相撲』。
言われ戸惑うエリックに向かって、彼女は『マジェラの儀式だから』と嘘八百を言い放ち、そのまま試合へと縺れ込ませた。
もちろん、マジェラにそんな儀式はない。
しかし
ソレを知らないエリックは──
『馬鹿げてる』と思いつつも、ソレに付き合い手を貸したのである。
エリックが内心
『…………本当か?』と思いつつ手を貸して早数回。
顔を真っ赤にして
『ふんぬううう!』と唸るミリアに、彼は呆れ気味に目を向けると