3-12「取り引き」(4P)
「……ただ、俺が聞き出せない情報を流してくれれば、それで」
「えぇ〜〜。
つまらん…………」
「────遊びじゃないんだぞ?
それに、君にも生活があるだろ?
ここをクビになってもいいのか?」
「よくないです」
「────じゃあ、言うことを聞いて。
……やり方や……
作戦については、こっちで考えるから」
「うーん……、
まあ、そうか~。
…………まあ、そっか~」
(…………大丈夫か?
まあ、とりあえず、初手は”大丈夫”か)
ミリアの返事に、エリックは自身を納得させるように呟いた。
彼女は、まだ
やや納得できていなさそうな雰囲気ではあるのだが、初手の初手に関しては、対応を間違えなかったような気がしていたのである。
ミリアの性格やツボ・ノリについてはいまだ掴み切れていないし、今後また驚くようなこともあるだろう。
しかしいきなりの暴走に関しては、防ぐことができたのではないだろうか。
まだ、やや不満そうな彼女に気がかりな点はある。
が、今ここで細かいことを言っても、後々動けなくなるかも知れない。
”ある程度の自由”と”自己判断”は必要なのである。
目の前で、『うぅ~ん』と唸り眉をひそめるミリアに、彼はひそかに考えを整理し始めた。