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3-11「ぼ?????????」(6P)





 瞳に宿すのは、憂いと 優しさ

 覗き込むのは、彼女の瞳。





 ────とにかく ”安心を”。





「…………君のことを旦那さまに話したりしないし

 ここで見聞きしたことを、

 ……伝えるつもりもないから」




 ゆっくり  ゆっくり  落ち着けるように




「大丈夫。俺を信じて。

 ────それとも、信じられない?」





 ──────言葉をかける。





「…………そ、そんなことはない、んだけど。

 …………ほ、ほんと? いわない?」

「────ああ。本当。


 …………約束するよ。

 ネミリアの聖騎士に誓って」

「…………っ!

 ………………っ!」



「…………俺を、信じてくれる?」





「────おにいいっさあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああんっ!」


「”エリック”だ」



 ────がしっ!

 うるうるうるっ!



 ミリアの反応に、固めの声で答えた。

 そしてどこかを見つめる────空虚な瞳。




「…………」

 

 嗚呼、なんだろうか、この感じ。

 『全力を込めた何かが、肩透かしで終わってしまった』ような脱力感。




(…………ちょ、調子が狂う…………

 なんでこうなるんだ)





 さっきまでの気持ちの整理がつけられない。

 安心させるつもりの言葉は尽くしたはずだ。

 それで確かに安心はしたようだが、こうも勢いよく──……

 


 名前ではなく”代名詞”で呼ばれるとは。




 

 このまま真面目モードに持って行きたかったのに、空気は一気にコミカルである。




(────普通、ここは

 …………『わかった。ありがとう……!』とか

 『エリックさん……! 優しいのね……!』とか

 そうならないか? なるよな?)

 と、内心首をひねるイケメン盟主。




 今まではそうだった。

 『大丈夫だ』と言えば、皆 瞳を輝かせ頬を染めたというのに。その『やさしさ』に、うっとりと心を許したというのに。






 彼の頭の中。

 予想した『嬉しそうな顔つきのミリア』や

 『とても感謝している顔つきのミリア』が浮かんで

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