3-11「ぼ?????????」(4P)
込みあげてくる笑いがタマラない。
筒抜けというより直通だし、なんなら盟主は自分だし。
ミリアが述べていた『お上への不満』も、全て直送。
何のフィルターも通さず、ノータイムで届いているのだ。
意見を通すなら、下手に手続きを踏むよりよっぽど早いのだが
もちろん彼女はそれを知らない。
『正体を知らない人間』に関わるのは、愉快だ。
しかし、ミリアの場合、別の意味で愉快だった。
(────ああ、くそ……!
また顔の筋肉がおかしくなりそうだ……!)
笑いがこみあげて仕方ない。
目じりが緩んでいくのがわかる。
しかし、ここで笑うわけにはいかない。
────んっ、コホンッ、ンンッ……!
彼は、再びごまかしの咳払いをひとつ。
(…………しっかりしろ
笑ってる場合じゃないだろ……!)
そう、自らを制し、
彼は口元を押さえる右手のひらの中、
すぅ────っ。
と大きく静かに息を吸い込み、
”用意していた言葉”を
「……なあ、ミリア?」
────優しい声で
「えっ、ってゆかまって!?
わたしこの前、言ったっけっ!?
えっ? これビスティーヤバイんじゃ……!?
あれ!?
め、盟主さまに、わたっ、
────えっ!?」
……っさぁぁぁぁぁぁ────っ……。
(────え。)
エリックが、次なる手を打とうとしたその瞬間。
みるみる引いたミリアの血の気に、動きを止めて固まった。
唐突なことに驚く彼の前、その顔を青白く染めた彼女は、”カチン”と音を立てたように、固まって動かない。
「……ミ、ミリア?」
「………………まって…………」
エリックが思わず腰を浮かせて伺ったその声に、戻ってきたのはか細い声。
釣られて動揺するエリックの前、彼女は伏し目がちだった顔を上げ、
「…………ワタシ……、ナンカ、好キカッテ
…………むりじゃん。
むり死んじゃう無理じゃん殺されてしまう!」
────その色、”真っ青”。
盟主本人も動揺しドン引く顔色に、彼は手思わず手をあげて、




