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3-11「ぼ?????????」(1P)










 ────聞かされたことに、言葉が出ない。





 服飾工房勤めの女・ミリアが、少し前に出会った青年『エリック・マーティン』。



 一見、スマートで堂々としている雰囲気を纏った彼を、ミリアは『お金のない暇なお兄さん』とばかり思っていた。




 出会ったその日も昼だったし。

 二度目の訪問はとても長かったし。

 なんだかやたらと色々話し込んでくるし。




 まあ別に作業の邪魔になるわけでもないし、話し相手がいること自体は構わないので、手を動かしながら対応していたのだが────




 密かに思っていたのである。



(仕事はいいのか……? このおにーさんは)と。




 汚らしい身なりもしていないし、靴は一級品。

 容姿も良いけれど『何をしているのかわからない暇な人』。

 『出会った時もその次も、平日の真っ昼間にフラフラしているような人』。




 彼女にしてみれば、まあぶっちゃけエリックの職業がなにであれなんでもいいのだが、とりあえず日中の仕事にはついていないだろうと思っていた。

 





 それが



 まさか

 





 暇な青年エリックは、彼女の前


 カウンターの向こう側

 緩やかに組んだ両手を口元に含みのある笑みを浮かべ、こう言ったのだ。








「……実は……、

 …………ウチのボスが困ってるんだ」

「……ボス?」




「そう。この領地の最高責任者。

 エルヴィス・ディン・オリオン様だよ」

    









「────はっ?」
















 言われ、ミリアは完全に呆けた声をあげた。






 今、今。

 何を言われたのか、さ──っぱりワカラナイ。





(──えるッ、)

 ビスと聞こえたが、空耳だろうか?



(────ぼっ?)

 ぼす、と言った気がしたが、それも何かの間違いだろうか?




 完全停止した脳の隅、かろうじて情報を処理するミリアの前。




 エリック・マーティン……

 いや、エルヴィス・ディン・オリオンは、きりりと彼女を見据えながら、堂々と





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