一二三くんは、みんなから嫌われています。
今回初めて投稿させていただきました。
「真城一二三は、クソ野郎。」
みんな口を揃えて言う。
俺は、クソ野郎だってな。
つまりな、俺、真城一二三は、
嫌われものだ。
男子たちからは、愚痴を言われ、
女子どもからは、冷たい目線で見られる。
俺が女子に話しかけに行ったりすれば、
無視されるか、全力で拒絶されるのどちらだ。
全員がそうというわけではないがこれがほとんどである。
なぜここまで嫌われているかって?
理由は、色々あるのだろうが、代表的なのを上げると、
陰キャラ、清潔感がない、何事にも非協力的である、空気が読めない、なのにテスト学年1の成績とかだろう。
あ、一番最後は自慢も入ってる。
けど何よりも、あの中学校3年のときに起きた出来事が今の状態を作ったんだろう。
高校も近いところを選んだので同じ中学校の奴らもいる。
遠くに行けばいいと、思う人もいるかもしれないが、
自分の学力と比較するとこの高校があってると思ったのだ。
正直なところ中学の奴らに(逃げた。)と思われたくなかっただけなのかもしれない。
そして、そいつらがあの事を高校の奴らに広め、
俺は嫌われものになったわけだ。
実のところ俺は、嫌わていても構わない。
人には、必ず1つや2つトラウマというのがあると思う。
俺にとっては、(あの出来事)が人生最大のトラウマだ。
信用できる人間などいないのだ。
相手の全てを信用しても、
相手にとって都合が悪くなると
突然裏切られるのだ。
そうなるのはもうごめんだ。
だから、俺は嫌われもので構わない。
というか、これからも嫌われものだろう。
そう思っていた。
※
下駄箱前に貼ってあるクラス表をみて俺は2ーE組に向かった。
学校につくのが遅かったためほとんどの人が、
クラス内にいた。
俺の席はーあった。一番はじか、
思わずガッツポーズをしてしまいそうになる。我慢我慢。
そんなことを考えながら俺は自分の席についた。
席につき、とりあえずため息、それもものすごく大きな。近くにいる奴らは自然と離れていっただろう。まぁ初日からため息つく奴の近くにいたくない気持ちは、ものすごく分かる。
しばらく机の上に置いてある荷物を整理していると
「リアル(現実世界)で充実している者たち。」
つまりリア充たちの話し声が聞こえてきた。
まぁ当たり前か。
自己紹介というイベントは、リア充たちには必須事項だろう。
俺には、学校でやることが勉強以外ほとんどないので、人間観察などをして暇を潰すことが多い。
すると、クラス全体に聞こえるくらいの声量で話している2人の声が耳に、入って来た。
「ヤッター私、花恋ちゃんと同じクラスになりたかったんだよねー。」
「あたしもあたしも千紗っちとなれてうれしい。」
両方とも学年カーストトップリア充だ。
先に喋っていたのが、中城千紗。
ギャル度、4の清楚型度、6くらいの比率の女子で顔もかわいいそれに性格もいいらしいと、男女ともに大人気である。
それと反対で西野花恋、千紗っちとか(っち)とかつけてる時点でわかってるかもしれないがギャル度マックスである。
天然で人に好かれやすい性格をしているらしい。
こちらも男女ともに大人気である。
男子は正直なところ胸にしか興味はなさそうだが。
ほんとに何カップあるんだろうと思ってしまう。予想は、E。これ以上は、やめておこう。
というか、この学年の中でもトップクラスのリア充2人がいるということは、このクラスはリア充クラスなのかもしれない。
ほんと、運が悪いにもほどがある。
そんな話はさておき、
この学校は、男女の比率がほぼ1対1なので、もちろん男子たちの声も聞こえてくる。
男子たちも何人かで集まって話しているようだ。
その中にいる一人の男に目が定まった。
「うわ、サイヤクだ。」思わずそうつぶやいてしまった。
なぜなら何人かの集まった男子の中に原田和紀とそのとりまき達がいるからだ。
こいつらはリア充なのだがとにかく人を見下して自分と比べるいわゆるマウント野郎、とくに俺にはよくあたってきたりもする、この学校にいる時点で頭は、悪くないはずなのだが
勉強でしか脳みそを使えず、
それ以外の、脳の使い方を知らないのだろう。
俺はこいつのことをマウカズと呼んでいる。
マウントと和輝をあわせた。
もちろん呼んでいると言っても心のなかだけだが。
そうしてマウカズのことを見てると目があってしまった。
マウカズはしながらこちらへ歩いてくる。
「よぉー、一二三じゃねーか。」
「どうした。まぅ、和輝。」
あぶない、あぶない、あやうくマウカズと言ってしまうところだった。
「お前学校来てたんだな。ていゆうか、またお前と同じクラスとかだる。」
おぉーそれは俺も同意見、って言いたいけど怖いから無理。
「うーん、なにかよう?」
「あぁ、1年ときみたいに人に迷惑かけるだろからな、忠告しに来てやったんだよ。」
周りにいる奴らも、笑ったり、哀れみの視線を浴びせてくる。
こういう時に俺は、笑うことしかできない。
それがなんというか恥ずかしくて唇を噛んだ。
それを言って満足したかのようにマウカズは、
男子達の方へ戻っていった。
※
「よーし、みんな席についてー。」
先生の声を聞きクラスのみんなが席についた。
「知っている顔も多いがとりあえず自己紹介をしておく。
2ーEの担任になった三浦麻衣だ、よろしく。」
先生はしばらく周りを見てこちらを向いてニコッとした。
俺は、この先生に1年のときからお世話になっている。
年は若く生徒の悩みなどをよく聞いてくれて、
優しいと生徒たちからも好評の先生だ。
「では、初めに、学級委員を決めようと思う。誰かやりたい奴はいないか?」
するとすぐに、
「はい、はーいあたしやりたーい。」
手をピシっと上げたのは、お胸につい目が言ってしまう、西野花恋。
「他にはいないか?」
周りを見ても誰も挙げない。
「よし、なら花恋よろしく頼む。あとは、男子だがやってくれる奴はいないか?」
男子で手を挙げる奴は、みあたらない。
「いないなら俺やります。」
「了解だ。では、男子は中田真、女子は西野花恋で決まりだな。」
「2人とも自己紹介をしてくれ。」
その後自己紹介をしたんだろうが興味がなくって聞いてなかった。
「2人だけじゃあ出来ない事もあるだろうからみんなも手伝ってやってくれ。」
そういって朝のホームルームは、終わった。
※
いつの間にか4時間目が終わり、お昼休憩の時間になった。
俺は1年のときから愛用している、学校の屋上へ向かった。
屋上へ向かってる途中に三浦先生にたまたま あい、話があるということなので職員室へ向かった。
1年の頃から三浦先生には、
よく呼ばれていたので驚くことはなかった。
職員室についたので要件を早速聞いてみた。
「今回はなぜ呼んだですか?」
「あぁ、まぁ座ってくれ。」
そう言って椅子を一つ出してくれた。
「実は君に提案があってな。」
「なんでしょうか?」
「君は1年の時、外国の大学の推薦状がほしいっていってたよな。」
「はい。将来は外国に行くつもりなので。」
俺の通う愛場高校は、進学校であり外国の姉妹校も多い。
俺は外国に興味があったので1年の時から外国に行くと決めていた。
「実はな今の君に推薦状を出せる可能性は薄い。確かには君は成績トップであるが、周りと協力しなさすぎている。私は構わないと思うが他の教師達はあまり良く思ってないみたいなんだよ。授業のときも、いつも一人余ってるってどの教師達も口を揃えていうだよ。」
あまり驚きはしなかった。確かに俺は学年1の成績の持ち主だが行事ごとやグールプなどは非協力的である。
というより誰も組んでくれないだけだけど。
ぴえん。
「なんとなく先生達からいい目で見られてないことはわかってましたよ。」
「そうか。まぁ君が非協力的なのは、単に君だけの責任ではないと、私は知っているが他の教師達は、知らないからな。」
「では、みんなと協力的になれと?」
「まぁ、目標はそこだな。」
「けど、ほぼ100パーセント無理ですよ。」
俺みたいな嫌われものがいきなり協力的になっても誰も俺に協力的にはならないだろう。
「あぁ。だからな提案があるといったんだ。君が推薦状をもらえる可能性が増え、私的にも嬉しいものが1つだけな。」
俺は、自然と唾を飲む。
「その提案とわはな、君に、、、」
※
屋上につくと誰かの声が聞こえてきた。
何を言ってるかは分からないが、
声を聞くからにそんなに大人数でないことは確かだ。
まぁすぐ食べて、教室にもどればいっか。
俺はそう思ってなるべく静かに戸を開けた。
そこにいたのは、一人の女性だった。
俺とは、逆の方向を向いているので顔はわからい。
けど、声ははっきりと聞こえてきた。
「私、葵美保が、生徒会長になったらまず、、、、やばい、生徒会選挙もうすぐなのに緊張してうまく話せないどうしよう。うわーーー。」
頭を抱えながらじたばたしている。
こちらがどうしよう。
つっこむところ多すぎて何から言えばいいのやら。
「もう無理だ。なんで私、生徒会選挙なんて立候補したんだろ。」
彼女は、力が抜けたかのように四つん這いになり、ネガティブオーラを出しまくっている。
これが、俗に言う裏の顔的な物か。
多分見てはいけない物を俺は、今見ているのだろう。
はやくここから、離れるとしよう。
そう思いからだを動かそうとしたとき、
彼女がこちらを向いているのに気がついた。
彼女は、言葉で例えるのが難しい、
しいて言うなら、
憂い顔でこちらを見ていた。
「き、君今の全部みてた?」
こちらを指差しながら、その顔には明らかに戸惑いが見える。
「見てしまいました。」
思わず敬語を使ってしまう。
とっさだったとので真実を伝えたら、彼女の表情が、だんだん暗くなっているのが分かった。
それからもう一度こちらを見ると、ハッとした表情でパーの手を下にグーの手を上から置いた。
「君、一二三くんだよね?」
「そうだけどなんで知ってるの?」
よし敬語は、使ってない。
「あなた、有名人だから、いろいろな意味でね。」
なぜだろう、あまり悪意がこもっていたようには思わなかった。
「あぁ、違うの別に嫌味を言いたかったわけじゃないの。」
「大丈夫だ、慣れてる。」
「そう、ならそれでいいんだけど。」
彼女は、少し悲しそうな顔をしていた。
「私の名前は、葵美保。たぶん知ってると思うけど。」
自信満々に言っているがそれもそのはず、
なぜなら、葵美保は、同じ学年で知らない人間がいないほどのスーパーリア充。
そして、完璧人間とも言われている。
「あぁ、知ってる。」
「うん、よかった。それと、今見た事は誰にも言わないでね。約束よ。」
「わ、わかりました。」
ひぃー急に声のトーン下げないでよ。怖い。
「ていうか、三浦先生が屋上には誰もこないって言ったから素を出してのに。」
やっぱりあれが、素なんだ。
「まぁちょうど話さないといけなかったし、いいわ。」
「俺にですか?」
「えぇ。あなた生徒会に入る気はない?」
時間は少し遡る。
「その提案とはな、君に生徒会にはいってほしいんだ。」
脳みそが働くことをやめた。
今なんて言った?
俺が生徒会だって?
やっと働いてきた脳みそは、混乱しだした。
冷静に俺、落ち着け。
この俺が生徒会?
冗談にしてはたちが悪い。
というか、三浦先生は冗談はあまり言わないタイプだと思う。
なら本気で言ってるとしか考えられない。
駄目だ。また混乱してきた。
嫌われものの俺が生徒会?
結局、脳みそは混乱しながらも働き、だした答えが、
「は?」
この一言だった。
読んでくれた方々本当にありがとうございます。
2週間ごとに更新していくつもりです。
これかもよろしくお願いします。