表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

・・・・・・あなたが体験する未来・・・・・・

作者: SHELLY・BOSS

初のホラーです。


怖くないかもです┏●

7月17日㈮

仕事が終わっての帰路。

僕はいつのも様にコンビニで買い物をする。


なんら変わった事の無い普通のコンビニ。

僕はルーティンになっているルートで商品を籠に入れる。


先ずは、雑誌コーナー。お気に入りの漫画の新刊を探す。


次はドリンク。僕はいつもの様にコーラとコーヒーを取る。


文具、お菓子のコーナー。子供へのお土産として、ポテトチップス・チョコレートを籠へ。

嫁さんに頼まれていた、子供の消しゴムを忘れずに。


そして惣菜のコーナー。僕は牛タンのおつまみを2袋取る。


レジの若い女性とは顔馴染みだった。

いつも「お疲れ様です。」「ありがとう。」

「お買い上げありがとうございました。」

「こちらこそ、ありがとう」

この会話をする。


いつもの様に、何も違わずに、平日は毎回・・・



7月20日㈪

今日は少し遅くなってしまった。

嫁さんにメールをした所、文句を言う事無く、


「いつも通りにね。子供達がお菓子を待ってるわよ。気をつけて帰ってきてね♡」


愛されている。僕はコンビニへ入る。

籠を持ち、雑誌コーナーを見ると惣菜コーナーになっていた。

(この土日で配置を変えたのか?コンビニでも、こんな事あるんだなぁ。)

あまり気にせずに元惣菜コーナーへと足を運んだ。

(こっちが雑誌コーナーになってる。どれどれ〜他の所は〜?)

僕はコンビニ内を見渡した。

面白い事に前の配置と全て反対だった。

(こんな面白い配置換えをするなんて、店長さんは遊び好きなんだろうなぁ。)

呑気な事を考えながら、僕は()()()()()()()()()()()()()()()()

惣菜・お菓子・ドリンク・雑誌・そしてレジへと。

レジの店員さんは、若い女性から白髪が混じった男性に変わっていた。


「いつもの女性じゃないんですね。初めて貴方の事、見ましたよ〜」 「・・・・・・ ・・・・・・」


会社で鍛えた営業スマイルが効かなかった。

僕は少し怪訝に思いながら家に帰った。



7月21日㈫

今日はいつも通りに終業できた。

僕はコンビニに行く。

昨日と同じ様に逆順でレジへ。

店員さんは昨日と同じ男性だ。

(昨日と同じ。今日からルーティンが変わるんだ。)

僕はそう思いながら、コンビニを出た。

すると、後ろから突然女性が僕を追い抜かし歩いて行った。

(コンビニに女性なんて居たかなぁ?)


「あっ!す、すみません!」


女性の不思議さに見とれていると、ハンカチを落とした。

僕は拾って声を上げたが、振り向きもしない。

(仕方ない・・・これも何かの縁だな。)

僕はそう思い、女性を走って追いかけた。


「あの〜!このハンカチ落としましたよ〜!」


僕の声は届かない所か、何故か追いつけない。

(足の速い女性だなぁ。アスリートにでもなれるくらいだ。)

僕は走り続けた。女性は歩いている。

(どう考えても、おかしいだろ・・・はぁはぁ・・・こっちは走っているんだぞ・・・!)

少しイライラしていた時、女性が駅に入るのが見えた。

(駅の中なら渡せるだろう・・・はぁ・・・何で仕事終わりなのに、疲れさせるんだよ・・・)

僕はイライラしていた。

声を上げても無視する女性に。走っても追いつけない女性に。無愛想な店員に。

僕は駅の階段を駆け登り、ホームへ出た。

すると、少し奥の方にハンカチを落とした女性が見えた。

(やっとだ・・・クソッ!何で僕が届けなきゃいけないんだ!)

半分ヤケクソ。半分紳士な気持ちを胸に女性に近付いた。


「失礼しますが、コンビニの前でハンカチを落としましたよ?」


「あぁ・・・どうも・・・わたしのハンカチです・・・」


消え入りそうな声で言う女性に、腹が立った僕だが、ここは紳士に。


「それでは僕はこの辺で。」


そう言って駅を去ろうとした時、女性が、


「帰ってしまうの・・・?この駅から出るの・・・?」


今度はハッキリと聞こえる声で言われた。

(何言ってんだ?僕は帰るに決まってるだろう?)

イライラが募った僕は無視して、駅を出た。



7月22日㈬

今日はやけに仕事があった。

いつもより2時間も遅くなってしまった。

嫁さんにメールをしたが、返事が無い。

こんな事は結婚してから1度も無かった。

僕はコンビニへ行く。

(今日は遅くなったし、嫁さんの為にケーキとか甘い物を買おう。)

僕はルーティンから外れて、ケーキを最後に見ようとした。

だか、惣菜コーナーにケーキがあってルーティンを崩さずにコンビニを出る事ができた。

(僕は運がいいぞ!やっぱりルーティンは変えたらダメだよなぁ〜。)

気分良く歩く僕の後ろから女性が歩いて追い越して行った。

そしてハンカチを落とす。

(昨日の女性だ・・・またハンカチ落としてる・・・これもルーティンになったのかなぁ。)

面白半分でそう考えていた僕は、駅まで女性を追いかけてホームに出た。



(おかしい・・・昨日と同じ服に、同じ位置。)

女性は微動だにせず昨日と同じく立っている。


「あの〜・・・またハンカチ落としましたよ?」


「あぁ・・・どうも・・・わたしのハンカチです・・・」


また聞き取りにくい声だ。

僕はイライラしながらもホームを出ようとした。


「帰ってしまうの?この駅から出るの?」


いつの間にか僕の後ろに立っていた女性が声を上げた。

ビクッと肩を震わせ僕は振り返り、


「え、えぇ。か、かか帰りますよ・・・?」


驚きながら言うと女性が俯き、僕の肩を掴んで、


「帰れないわよ・・・あなたは、わたしと同じ・・・あなたも・・・・・・帰さないっ!!!」


声を大きくすると同時に顔を上げた女性。

その顔はコンビニ店員の男性だった。


「あなたは帰さない!!!あなたが居れば、わたしがっ!!!わたしの為に帰さないっ!!!」


僕はそこで気を失った・・・

目が覚めると病院のベッドだった。

そばには嫁さんと子供が居て、先生を呼んでくれた。


僕は線路を虚ろな表情で歩いている所を駅員さんに発見され、ホームへ登らされた。

何を聞いても話さないので、駅員さんは、警察の方を呼び僕を保護してもらおうとした。

警官さん達に連れられながら駅を出た瞬間、僕は急に暴れだし、


「帰らなきゃ!!!帰らなきゃ!!!わたしの物よ!!!わたしが彼を!!!」


と、叫んだ所で泡を吹きながら倒れたそうだ。

検査では異常なくスグに退院し、仕事に復帰した。



僕はコンビニへ行く。

店員は若い女性に戻り、配置も戻っていた。

僕が女性に白髪混じりの男性の事を聞くと、知らないし、ここ1週間はコンビニを閉めていた。

と言う。

僕がコンビニを出て少しすると、後ろから女性に追い越された。

そしてハンカチを落とした。

ヒヤッとした汗が背中を伝う中、僕はハンカチを避けて急ぎ足で家路に着いた。

玄関を潜る瞬間、肩に違和感があった。

そしてこんな声が・・・


「ここなのね・・・あなたは、わたしの物よ・・・わたしが帰るために、あなたは居るの・・・あの駅に帰るのよ・・・あなたも一緒にねっ!!!」


僕はルーティンなんて、もうしない。

僕はコンビニなんて、もう行かない。

ぼくは、ちゃんと帰る場所がある。

ボクガイナイト、カエレナイヒトガイル。


「ハハハハハハハハ!!!ボクカエッテキタヨ!!!ハハハハハハ!!!」




「あの〜この財布、コンビニの前で落としませんでした?」


「あぁ・・・どうも・・・ボクの財布です・・・」




どうでしたか?


良かったら評価、感想、Twitterのフォローお願いします┏●

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ