第三節『最果て』⑩ ・決着・
目の前に立つのは2人の冒険者。
奥にいる男はB級の実力者。
片や俺を庇っているのはF級の駆け出し冒険者。
しかし、恐らく今回の【限定依頼】で最高峰であろう戦いが、まさに目の前で始まろうとしている。
「シェイム君、ありがとう。おかげ様で助かったわ」
フィリイは背を向けたまま言葉をこぼす。
動かない身体で彼女が戦っていた場所に視線を向ける。
そこには冒険者たちの死体が散らばっていた。
あぁいや、死んではいない。
「ほんとうに……凄いな……」
彼女が成し遂げた偉業があまりに現実味を帯びていないため、その光景を目の当たりにしても未だ信じられない。
「……まさかあれだけの人数を1人で相手にできるとは、それなりに腕が立つようだね。それにあのやられようを見ると、既に隠しルールにも気づいているんだろう」
ナゼルの口振りだと、彼の【クラン】も既にルールに気づいていたらしい。
だから俺を躊躇せず串刺しにしようとしたんだろう。
「ここでは誰も死ぬ事が無いそうね。だから貴方も安心して?」
フィリイは不気味に口角を上げ、ナゼルを見つめる。
そのあまりの気迫にナゼルは一歩後退する。
B級冒険者が、F級冒険者に眼力だけで後退りさせられる。
はっきり言って異常な光景だ。
「敗北の傷跡が残ることも無いわ」
フィリイは堂々とナゼルに言い放つ。
後ろ姿だけでも分かる。
彼女が放つ雰囲気はどこか別格だと感じる。
「言ってくれるじゃないか……!」
フィリイの挑発に、ナゼルは明らかに冷静を欠いていた。
あろうことかイケメンで通っている冒険者が整った顔を怒りで歪めている。
剣を持つ手は今にも斬りかかりそうだ。
「最後に一つだけ聞かせて」
フィリイは再び鋭い眼光で睨む。
「なんでリンさんにあんなに酷い言葉を掛けたの」
彼女の問いかけは、怒りで少し震えていた。
リンと1年半も【パーティ】を組んでいたナゼルが、どうして突き放すような事を言うのか。
リンに【特性】が発現したから、では理由として不十分な気がする。
「……君には関係の無いことだ」
少し沈黙を置いて、ナゼルは答えた。
いや、答えなかった。
そして、返事の代わりだと言わんばかりにフィリイに切先を突きつける。
「そう、それは残念だわ」
フィリイも腰を落として、鞘にしまった刀に手を添える。
辺りに訪れる刹那の静寂。
そして、次の瞬間戦いは一気に熱を帯びた。
2人が【身体強化】を施したのは全くの同タイミングだった。
両者その場から爆発的な加速をして剣を交える。
鍔迫り合いをする刃から火花がほとばしる。
「ははっ、この一撃を見切るか!」
「貴方も、この初撃を防ぐなんて大したものよ」
両者剣を弾いて距離をとった。
そして、再び斬りかかる。
攻撃をいなすも避けるも、体表から僅か数mmの駆け引き。
紙一重の攻防が何度も続いていた。
剣術のレベルはほぼ互角。
実力が拮抗する相手が久しぶりなのだろう、激しい戦いだというのに両者とも笑みを浮かべていた。
戦闘開始からどれだけ経っただろうか。
極限まで研ぎ澄まされた集中力は両者とも衰えることを知らない。
むしろ見ている俺の方が息をするのを忘れる。
客観的な立場から冷静にナゼルを俯瞰してみて、改めて到底叶う相手ではなかったと実感する。
永遠のようにも感じられる戦い。
しかし、それは突如終わりへと向かう。
攻撃を仕掛けていたのはフィリイ。
先程同様鋭い一撃を放つ。
しかし、そこに変化があった。
「踏み込みが甘い――」
違和感程度にそう感じた。
恐らく初めて彼女の動きを見た人なら気づかないであろう極わずかな変化。
そんな小さな綻びをナゼルは見逃さなかった。
「力が入ってないぞ!!」
ナゼルは後ろに飛びながら、フィリイに向かって【魔力】を放つ。
直後、フィリイの正面に小さな長方形の黒い板が出現した。
恐らくあれはナゼルの【特性】。
彼はB級冒険者、当然のように【特性】を発現させているようだ。
突然の出来事にフィリイの反応が一瞬遅れた。
板は猛スピードでぶつかり、彼女の抵抗を諸共せずに進み続ける。
「これ……全然止まらない!」
「フィ、フィリイ!まずい!」
どれだけ力を込めても、板の勢いは衰えない。
このままでは壁と板に挟まれて押しつぶされてしまう。
「どれだけ抵抗しようとそれは止まらない!さぁ、どうする!!」
壁が真後ろに迫った時、瞬きの間にフィリイは板から抜け出した。
彼女がいなくなったあとも板は進行を続け、激しく壁に衝突する。
「押し返さずに脱力して切り抜けたか、賢い選択だ。だけど、この【暴走板】は誰にも止められない」
ナゼルが【暴走板】と呼ぶその【特性】は、まだ得体が知れない。
一刻も早く情報を集めなければ、簡単に押し切られてしまう。
「……貴方の言う通り、本当に止められないのだとしたら、それはかなり強力な【特性】ね」
フィリイはナゼルにゆっくりと話し掛ける。
「はは、そうだろう。なら降参するか?」
ナゼルは意地悪そうに睨みつけると、フィリイはそれを跳ね除けるように笑った。
「面白いことを言うじゃない。でもね、私の経験上それくらい強力な【特性】にはそれなりの制限があるのよ。そうねぇ、貴方の場合なら……」
フィリイは顎に手を当てて、少し考えるような仕草をとる。
無防備にも見えるが、ナゼルは攻撃しようとしない。
彼女の話を聞いてからでも勝てる自信があるのだろうか。
「……板を出現させられる範囲は貴方を中心に半径2メートルってところかしら。それに、さっきの『誰にも止められない』っていうのには、貴方自信も含まれる。その板は、進み出したら自分で止めることも、方向を変えることもできない。……そうでしょう?」
フィリイの言葉を聞いた瞬間、ナゼルの顔に緊張が宿った。
さっきまでの余裕が無くなったようにも見える。
突然ナゼルの前に板がひとつ出現した。
そして、それはフィリイに向かって猛スピードで射出される。
彼女は板が動いた瞬間一歩右にズレた。
その目は真っ直ぐにナゼルだけを見ている。
板はそのままフィリイの左側を通って後ろの壁へと衝突。
どうやら、彼女の推測は正しかったようだ。
ナゼルの【特性】を一度見ただけで、その能力を見抜いた。
一体、どれだけの経験を積めばそんなことができるのだろうか。
「それがわかったところで、君は僕には勝てないさ!」
ナゼルがそう叫ぶと、彼の周りに十数個の板が浮かび上がった。
そして、ナゼルは【身体強化】を施しフィリイに向かって走り出した。
宙に浮く板はナゼルに合わせて動いている。
フィリイはそれを正面から迎え撃つ。
撃ち出された5つの板を躱し、上段からナゼルを切り伏せる。
しかし、その刀は新たに出現した板によって止められてしまう。
刀を防がれ両腕が上がった状態のフィリイに、ナゼルが横薙ぎを繰り出す。
彼女はすぐさま刀を握り直し、切先を下に向け攻撃を防いだ。
ペースを崩されたフィリイは慌てて後ろに飛び退く。
しかし次の瞬間、無防備なまま前へと押し出されていた。
気がつけばフィリイの背中を1枚の板が押し出していた。
ナゼルが板を出現させる範囲にいる限り、攻撃はどこからでも飛んでくる。
抵抗できないまま前方へ押されているフィリイに、ナゼルは正面から5つ板を撃ち出す。
追い詰められた彼女は、正面から迫る板を力強く切りつけることで身体を右へとずらした。
そうして板挟みの状態から切り抜けた一瞬の気の緩みをナゼルは見逃さない。
彼女が板から逃れた直後に切りつける。
流石のフィリイも防御が間に合わず、その一撃をまともに受けた。
勢いそのままに地面を転がる。
「フィリイ!!」
震える体に力を込めて叫ぶ。
フィリイは倒れてから動こうとしない。
この距離では意識があるのかも分からない。
「もう少し耐えてくれ、フィリイ!」
先程から自分の身体に徐々に力が入り始めているのを感じていた。
2人で戦えばナゼルにもきっと勝てる。
「早く動けよ……!」
「さあ、トドメと行こうか!」
ナゼルは高笑いをした後、自分の周りに大量の板を出現させる。
周りに浮くそれは、絶望以外の何ものでもなかった。
「やめて……ください……もうやめてください!!」
突然叫び声が響く。
その悲痛な声の先には、リンが立っていた。
青ざめた顔で冷や汗をかきながら、体に鞭を打って立ち上がっている。
「もう、やめてください。フィリイさんは、もう立ってないじゃないですか。なのに、なんで必要以上に傷つけるんですか!!」
リンの声を聞いたナゼルの動きが止まる。
「……やっぱり、君はあの頃から何も変わっていないな」
ナゼルはそう小さく呟いた。
そして、嬉々とした表情を止め、リンを睨みつける。
「何を言うかと思えば、くだらない。そんな考えだからいつまで経ってもお前は弱いままなんだ。……冒険者は争って、殺して、奪って、そうやって生きていく職業なんだよ。そうしてのし上がっていく世界だ!それが出来ないなら冒険者など辞めてしまえ!!」
「そ、そんな!ナゼル君はいつからそんなことを言うようになったんですか!あなたはもっと優しくて――」
「黙れ!!」
あまりの迫力に、リンは言葉を失った。
「くだらない甘ったれた幻想を抱くな!!未だ役立たずのお前に何が分かる……僕の何が分かるって言うんだ!!【爆発の魔力】なんて力を持つ君には分からないだろうさ……凡人の僕が、ここまで成り上がるまでどれ程……!」
ナゼルは悔しそうに歯を食いしばっていた。
「……お前のその【魔力】がまだ誰かの役に立つと思っているのか?お前はただのお荷物だ、いい加減冒険者など辞めてしまえ!!」
リンはその場で身体を震わせていた。
口を開いても言葉に詰まり、言い返すことができない。
「リンは……役たたずなんかじゃない……」
「なんだ、まだ意識があったのか」
震える体で地面に手を付き、立ち上がる。
未だ言うことを聞かないこの体で出来ることなど知れている。
それでも、黙って聞いていられなかった。
「自分ではどうしようもないくらい、大きな出来事に直面した時……従順なフリをして逃げるのは簡単だ」
例えば、自分が【天才】だと知らされても、知らないフリをして日常に戻るように。
例えば、【魔力】の扱いが下手だからと、冒険者を辞めるように。
例えば、冒険者として成功する厳しさを知り、自分の信念を曲げるように。
「でも、そこで逃げたやつは成長しない。立ち向かったやつだけが、強くなれるんだ」
だからこそ、俺は自分の運命に向き合った。
だからこそ、リンは冒険者を辞めなかった。
「……弱いままなのはお前なんじゃないか、ナゼル」
「……そういう偉そうなことは僕に勝ってから言うといい」
ナゼルは鼻で笑った後、両手を天に広げた。
「今は【月華聖団】という【クラン】に入っているらしいな、リンディブルネ。お前を迎え入れるなんて、とんだくだらない集団だ!!」
「……うるさい、黙れ」
その一言で、場の空気が変わった。
この広い空間全域に充満する程の膨大な【魔力】。
その【魔力】の中心では、刀を鞘にしまったフィリイが抜刀の構えを取っていた。
「な、なんだこの【魔力】は……!!」
B級冒険者のナゼルでさえ動揺を隠しきれていない。
それ程までにフィリイが放つ【魔力】は異質だった。
「貴方みたいなクズにこの技を使う気は無かったけど、気が変わった」
極限までに研ぎ澄まされた集中、その表情は驚く程に冷徹。
フィリイのあの表情を見たことがある。
それは紫小鬼の洞窟でのやり取り。
あの時と同じだ。
先程まで大きく広がっていた【魔力】がフィリイの身体一点へと集中する。
空間が、人が、【魔力】が、彼女を中心に鳴動する。
今この時、この場所だけが別の次元のように感じられた。
「身体機能が制限されたその体で、今更何をする気だ!お前の負けは決まっている!」
ナゼルは浮いている全ての板に合図を送る。
「いい事を教えてあげる……貴方は何かを悟れるほど、まだ強くないわ」
ナゼルが板を打ち出そうとしたその瞬間、フィリイは動いた。
「【玉帝龍一刀抜刀・王龍閃】」
フィリイの姿が、消えた。
刹那、キンッという甲高い音が響いた。
それはナゼルの後方にいるフィリイが刀を納めた音だった。
ナゼルはその場から動かない。
彼の周りには大量の板が浮いたまま静止している。
フィリイの超速の剣は、ナゼルの反応速度を持ってしても捉えきれなかったようだ。
宙に浮く板が消えるのと同時に、ナゼルは声を発する事もなくその場に倒れ込んだ。
「終わった、な」
勝利を収めたフィリイの所へとゆっくりと歩み寄る。
「俺は最後まで、何も出来なかったな……」
今もまだ身体が痺れているせいで歩くのが精一杯だ。
「シェイム君、私勝ったよ――」
満面の笑みを見せるフィリイだったが、突然ふらついて膝をつく。
大丈夫かと慌てて支えるが彼女は再び笑顔を向ける。
「へへ、身体が言う事聞かなかったから【魔力】でちょっと無理しちゃった」
……あれは無理なんてものじゃない。
本来起きてはいけないことだ。
フィリイはルールによって制限された身体機能を、無理やり【魔力】で強化して技に必要なレベルまで昇華させた。
ここでのルールは絶対、しかしその理を彼女は力ずくで凌駕したのだ。
「ほんと、無理しすぎだよ」
先程までとは別人のように彼女はおどけて笑う。
すぐ側にあるその笑顔を、どうしてか遠くに感じた。
「フィリイさん……!!」
遠くから走ってきたリンが、勢いよくフィリイに抱きついた。
しがみついたという方が正しいのかもしれない。
「こんなに無茶してくれたのに、私なんにも――」
フィリイはリンの言葉を遮るように頬に手を添えた。
「大丈夫だよ、リンさん。私もシェイム君も、【月華聖団】のみんなも、リンさんが強いこと、強くなろうと頑張ってること知ってるよ。だから大丈夫」
フィリイは優しく囁く。
彼女からはどこか母親のような愛情を感じる。
それを受けたリンも安らいだ表情をしていた。
「ガチャン」
鉄の鍵が外れたような重たい音が響き渡った。
この部屋の奥にある扉がゆっくりと開き始める。
そして、その向こうにはひとつの宝箱が置かれていた。
「宝箱だ!」
フィリイは急に声色を変え、元気よく立ち上がった。
「あれ、フィリイ実は元気だったりする?」
「そんなことないよ?あれだけ戦ったんだもん。あー痛たた、腰が痛いよぉ〜!」
フィリイは大袈裟に痛がるフリをする。
元気そうでよかったです。
「よし。あの宝を取って、この宝探しを終わらせるとするか」
俺たち3人は気を改めて歩き出す。
ああ、長かったこの限定依頼もようやく終わるんだな。
大変な道のりだったけど、ここまで来たらもう安心だ。
「ちょっと待ったぁぁ!」
不意に俺たちを呼び止める声が聞こえてくる。
「次はなんなんだよ!あと少しなのに!」
声は前方から聞こえていた。
先程フィリイが倒したナゼルの【クラン】の冒険者達だ。
ようやく意識を取り戻したらしい。
よりによってこのタイミングで。
「もう少しだけ寝てれば良かったものを……!」
俺もフィリイも満身創痍、リンもまだ【魔力】が回復していない。
見せかけではあるが、その場で剣を構える。
どうする、今戦っても勝ち目はない。
戦ったとしても、1人でも宝に走られたら俺たちは負ける。
とはいえ彼らを無視して宝へ走る力も残っていない。
幸い、彼らはまだ後ろの宝に気づいていなかった。
「お前ら、やっちまえ!」
1人の男の合図で、冒険者達は一斉に向かってくる。
「シェイム君、どうする!?」
「どどど、どうしましょう?!」
ダメだ、2人とも慌てて判断ができていない。
いや、それは俺も同じ。
どうすればいいかが分からない。
「いーやっほーーーう!!」
「………」
立ち尽くす俺たちの後方から、颯爽と2つの影が飛び出した。
威勢のいい細マッチョと、寡黙な銀髪男。
ああ、ようやく会えた。
彼らは――
「よく頑張ったな」
ポンっと、誰かが肩を叩いた。
振り返るとそこには、やたらガタイのいい男が立っていた。
そして、リンを後ろからハグするように立っているかっこいい女性。
「ディアス、プルハ!それにシルバとミーリック!」
俺たちを援護してくれたのは【月華聖団】のみんなだった。
「今ここに着いてな。そしたらお前たちが大勢と戦おうとしてたんだ、驚いたぞ。随分消耗してるようだな、ここは俺たちに任せろ」
そういうとディアスは大きな剣を構えて戦線へと飛び込んで行った。
「リン、【魔力】は残ってるかい?あんたの力が必要なんだ。攻撃の準備をしておくれ」
「……はいっ!」
リンは嬉しそうに笑った後、杖を取り【魔力】を溜める。
恐らくプルハだって、リンに【魔力】がほとんど残っていない事に気づいているんだろう。
それでもリンに助けを求めた。
彼らは今、【月華聖団】全員で戦っているのだ。
「プルハさん、リンさんは私が守ります。だからプルハさんも行ってきてください」
「そうかい、悪いね。じゃあお言葉に甘えて、うちの不甲斐ない男共の助けをしてこようかねぇ」
プルハはリンの頭を撫でた後、戦いへ身を投じた。
「シェイム君、多分今は私よりシェイム君の方が早く走れる。ここは私たちに任せて、シェイム君は宝箱をお願い!」
「あぁ、任せろ!!」
フィリイが言い終えると同時に地面を蹴った。
彼女の言う通りだ、迷っている時間は無い。
それでも、走れる速度なんていつもの4分の1もない。
どれだけ地面を蹴っても景色が進まない。
体力も限界だ、息がすぐに荒くなる。
宝へ真っ直ぐに向かうように、戦火の中を走り抜ける。
「行かせるか!」
「邪魔はさせん!」
行く手を阻むように沢山の剣が襲ってくるが、その攻撃を大剣が一度に防いだ。
「シェイム、走れ!道は、俺たちが作る!」
ディアスの背中が頼もしい。
その言葉を信じてただゴールへと走る。
扉の前までたどり着いた頃、戦線を離れた1人が後ろから猛スピードで追いかけてくる。
「気づかれたか……!」
残り20メートル。
どれだけ頑張ってもスピードが落ちていく。
足音はどんどん近づいてくる。
残り10メートル。
あれだけあったリードが完全に無くなる。
残り5メートル。
もうダメなのか。
「ダメなわけ、あるか!!」
みんなあんなに必死で戦ってるんだ。
ここで俺が負けてどうする!
「勝つのは、俺たちだ!!」
最後の希望を託して、目の前の宝箱目掛けて飛び込んだ。
次回、第四節「真の悪」に入ります!
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