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【花粉症】春アニメの声優さんたちが花粉症過ぎて物語が成立しない件  作者: タチマチP
第0話(アバン)の収録 ※プロローグ部分
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第0話(アバン):出会いの春、初めての高校せ…ぶぅぅぅぅぅえっくしょんっ!!!

 春が来た――

 高校生活が始まる季節。


 私の名前は、筍湖たけのこ のの。

 四月から、美術の勉強をするために兵庫県から東京へとやってきた、デザイナー志望の高校生。


【寮母】「ののちゃん、これからの寮生活はやっていけそう?」

【のの】「はい、寮母さん。ここはとても居心地が良いですし、何より皆さん優しいから、すぐに馴染むことが出来そうです」

【寮母】「ふふ、それは良かったわ。ののちゃん、しっかりしているとはいえ、まだ十五歳だもの。保護者代わりとしては、やっぱりちょっと心配しちゃうの」

【のの】「実家が精肉店だったこともあって、接客で色んな人と接するのは慣れているんです」

【寮母】「なら"この子"は、ののちゃんに任せられそうね」

【あやね】「…………」


 寮母さんの後ろに隠れているのは、寮母さんの離れた妹である、桜木あやねちゃん。私と同じ十五歳で、同じく将来はデザイナー志望をしている。

 イタリア系のクォーターの血を継いでいることもあり、髪の毛は金髪で、目も僅かながら、日本人よりも青い色をしているが、生まれも育ちも東京都台東区。

 好きな食べ物は、ソラマチの中に店舗があるラーメン。


 小学校から現在に至るまで、日本の学校で過ごしており、特別その身なりでいじめられることはなかったが、女子から(純粋に)可愛がられすぎる九年間を過ごしてきてしまったせいで、どうやら同世代の女子に怯える傾向になってしまったらしい。


-------(回想)---------

【女子A】『か~わいぃぃぃい!!! ねえ、抱っこしてもいい!!!???』

【女子B】『お姉ちゃん(同年代)と一緒に遊園地行こっか?』

【女子C】『はぁ……はぁ……ね、ねえ。お姉ちゃんと一回だけで良いから、き、キスしない?』


【あやね】『うぎゃぁぁぁぁ…………!!!!!(あやねの悲痛な叫び)』

-----(回想終了)-------


 私も、この一週間はマグネットのNとNとが離れていくような感覚で、常に一定距離を取られてしまっていたが、あまりひっつかないようにという寮母さんの言いつけを守り抜いたことで、危険因子から脱することができ、逃げられなくなったという苦労がある。

 そのエピソードを一話で話すことはないけれども、もしもアニメ放送後にブルーレイが売れまくったら、OVAで発売するかもしれないので、このエピソードの詳細は割愛としておく。


【寮母】「デザイナーになるって言っても、誰とも接しないでお仕事することなんて出来ないんだし、少しでもコミュニケーションが多くとれるように、ののちゃんにも手伝ってあげて欲しいな」


【のの】「お任せ下さい! 三年もあれば、立派な"パリピ"に仕立て上げる事が出来ますから!!(地方の人の解釈:色んな人と適宜なコミュニケーション出来る、素直で明るい人の意)」

【あやね】「ひっ……ぱ、パリピ……(都会の人の解釈:うぇ~いだけで物事を乗り切ろうとする、渋谷とか原宿とかのにいる、ちょっと危なそうな人の意)」


【寮母】「……ま、まあ……必要最低限ってことで、お願いね。パリピはちょっと、アレだから……(都内のいろいろな事情を知った上での意)」

【のの】「……ん? まあ、お任せ下さい!」


【あやね】「…………」

【のの】「あやねちゃん。これから三年間、高校ではたくさん楽しいことがあるよ!」


【あやね】「……た、楽しいこと?」

【のの】「学校の皆と友達になったり、色んな行事に参加したり……」


【あやね】「…………」

【のの】「も、もちろん、メインである絵もたくさん描くからね! 学園内では、定期的にコンテストを開催しているから、それに挑戦して、美大受験の内申アップを狙うことも忘れずに頑張るっ!」


【あやね】「…………」

【のの】「あぁ……でも、やっぱり夏休みはキャンプと釣りはやりたいから、その時だけは、ちょっとだけお休みを……って、へへ……私、何言っているんだろ」


【あやね】「……うふふ……ののさん、やりたいことがいっぱいなんだね」

【のの】「もちろん! 高校生の三年間なんて、人生にたった一度きりだもん! 最高の時間にしなきゃいけないと思っているよ!


【あやね】「……ののさんはすごいなぁ。色々やりたいことが出来て」

【のの】「何言っているの? もちろん、あやねちゃんも一緒にだよ!」


【あやね】「わ、私も……?」

【のの】「そうだよ。これから三年間、学生寮でも学校でも一緒なんだもん! 一緒に楽しい体験をするのは当たり前……ううん、運命と言って良いくらいだよ! ねっ!」


【あやね】「う、うん……分かった。一緒に、が、が、頑張る……」

【のの】「よーし! これからの学園生活についての最高のライフを計画したところで、学校に出発だよ!」


 桜が舞い散る四月七日の午前八時――

 二人の若き女の子達が、希望を抱いて学園に向かう。


【のの】「行こう、ののちゃん……私たちの新しい学び舎に……」

【あやね】「う……ぶぅぅぅぅぅえっくしょんっ!!!!!!!!!」

【のの】「……!!!!!!!!!」

【あやね】「あっ、すみませ……ぶぅぅぅぅぅえっくしょんっ!!!!!!!」

【のの役声優】「…………」

【あやね役声優】「抗アレルギー剤飲んで……ぶぅぅぅぅぅえっくしょんっ!!!!!」


「すみません、いったん録音止めまーーーーす!」

【のの役声優】「あぁ……またNGが……」

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