表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

召喚

 放課後の図書室で面白い本を探すのが、私の日課だった。


 私は本が好きだ。特に小説。フィクションの世界に魂を飛ばしてしまえるほど、夢中になれる作品が良い。


 その日も私は、広い図書室の奥に入って小説(あさ)りをしていた。最近の学生は本などには興味を持ちにくいのだろう、まだ午後四時だというのに生徒はほとんどいない。……まあ、私自身も女子中学生であり、「最近の学生」なのだが。


 短く切るのを面倒臭がったせいで膝下まであるスカートが、少しだけ足に絡みつく。もう慣れきったその感触を引き連れ、私は公開書庫に向かった。


 公開書庫は一応公開されているのだが、入る人は滅多にいない。しかし、その静かさがまた良い。(ほこり)(かび)が入り混じってくしゃみを誘う妙な匂いも、下手に触るとボロボロ崩れてしまうほど古い本があったりするところも、全て私の好みだ。


 ずらりと並ぶ本の隙間を、ゆっくりと歩く。そして、目に留まった本をひとまず開いてみる。

 いつものように。そう、いつものように。


 ぱらりと表紙をめくると、題名と作者名が書かれている。――――――はずだった。




 そこには魔法陣があった。ページ一枚にでかでかと描かれた、白く光る幾何学模様の円。


 光る?本に電球が付いているわけでもあるまいに、なぜ?


…それ以上のことを考える暇はなかった。魔法陣の光は一瞬の内に強まり、私の身体を飲み込んだからだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ