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レジェンド・ドリーマー  作者: セナ先輩
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第2話 最後の日

1話を投稿してからとても間が空いてしまい

とても申し訳ないです、、

今は受験勉強でなかなか続きは投稿できないかもですが、これからもぼちぼち投稿していきます!

パンッ!!と大きな音が俺に向かって飛んできた。


天空「うっ!...」

音が出た方向を向くと亜美がニコニコしてこちらを見ていた。

どうやら隠れていたらしい。

天空「あ…あみ.....? どうして……ん?」

よほど慌てていたのだろう。これがクラッカーの音で、身体は紙吹雪だらけなことをやっと自覚した。

その後 ぞくぞくと父と母が机の下から現れた。 電気がパチリとつく。

なんとなく予想はしていたが、やっぱり信じていなかった。こんな年になってこんなことが起きるなんて。

亜美「お兄ちゃん!お誕生日おめでとう!」

母「おかえり〜 かなり驚いたみたいね!」

父「ははっ!会社を早く切り上げたかいがあった!」

天空「....は、はは..あ、ありがとう..」

亜美「あ!やっとお兄ちゃん素直になったね!」

母「去年は いきなりおどかすな!バカヤロー!って言ってたのにね〜」

父「改めて成長を感じるな〜…でも、相変わらず自分の誕生日を覚えてないんだな! ははは!」

反抗期...なんか、今は懐かしい響きだ。

ずっと行きたかった高校に行ったことで、父も母も喜んでめったに褒めないのに褒めまくってくれた。それから両親の対応が違う。

まぁ、受験の時が厳しかっただけかもしれないけど。

母「さぁ、早く手を洗ってきて!食べましょ!」

俺は安心しすぎてふらふらしながら洗面所に向かった。


今夜の食卓は珍しく豪華だった。

小さい机の上に料理が端までいっぱいに、そして俺の好きな料理がたくさん並んでいた。

母「さぁ!食べましょう!」

全員「いただきまーす!」

さっきの不安なんてすっかり忘れて、今は口の中いっぱいに幸せがつまっている。

亜美「はは!お兄ちゃんつめすぎだよ〜」

父「こらこら。まったくいつまでも子供みたいな食べ方をして!」

天空「...ゴクッ..だって、うまいもん」

母「いつも以上の食べっぷりね〜」

ははは! ふふふ!

あはははー! きゃはは!

・・・

・・・・・・・

楽しい夕食が終わり、風呂も入った。

あとは寝るだけ....

布団にゴロゴロしていると亜美が入ってきた。

天空「ん? どうした?」

亜美「えへへ、お兄ちゃん!」

...やっぱりまだくすぐったい。亜美は俺の本当の妹ではない。俺の実の父が事故で他界して、俺の実の母は今の俺の父と結婚した。その時についてきたのが亜美である。お互い一人っ子だったから、兄弟関係ができて特に亜美は喜んでいる様子。まだ名前を覚えていないころ、お兄ちゃんと呼ぶことになっていたせいで、今もこんな風に呼んでくる...可愛いからいいけど...

亜美「こ、これ...どうぞ」

恥ずかしげに手を差し出した。手のひらの上にはキラキラ光る星形のストラップだった。

亜美「お兄ちゃん...自転車のストラップが取れたって言ってたから、これで...いい?」

天空「あー!そうだったのか! ありがとう!亜美! 大切に使うね」

亜美「えへへ!よかった〜」

....こんなに優しくて可愛い妹がいる俺は幸せだな...去年まで反抗ばかりの俺が憎い。


亜美「...ねぇお兄ちゃん..」

天空「ん?どうした?」

なんだかちょっと恥ずかしげに言ってきた。

亜美「...前からね..気になってたんだけどね..去年のお兄ちゃん..ちょっと怖かったから、聞けなかったんだけど...」

天空「お、おう...なんだ?」

亜美「お兄ちゃん......好きな人いる?」

(恋バナかーーい!!)

天空「え、あぁ.....一応..いない」

亜美「え、そうなの? 一応って..なに?」

天空「あ、あぁ...実はね....好きな人..いなくなっちゃったんだよね...」

亜美「え? どういう意味?」


...話すと長くなるが..鴫野しぎの 瑠花るかという子が俺は好きだった。彼女とは仲もとてもいいし、俺との時間を大切にしてくれたりした。彼氏もいないみたいだし...でも、2人ともなかなか告白に踏み出せなかった。そしてついに天罰が...中3の時に瑠花は親の事情という理由で学校にこなくなった。俺も瑠花の家に尋ねてみたが、いつも留守...とうとう行方不明の状態になった。そして....卒業式にも来なかった...忘れられてしまった.....

俺はどこかで生きていると信じてる。でも、いったいどこにいるかはわからない....


このことをざっと亜美に説明した。


亜美「そっか〜 そうだったんだね....」

天空「あぁ....亜美は、好きな人いるのか?」

亜美も中1になった。恋の相談が必要な頃だ。

亜美「え、わ、私はいないよ....ただ..」

天空「ただ?」

亜美「....付き合ってほしいって...言われたの..」

天空「......そ..そか...」

.....なぜだろう..あんまりうれしくない...

父親がお嫁に行かせるのを嫌がる理由がちょっとわかった気がする。

天空「そ、それで、亜美はどうするんだ?」

亜美「....付き合いたくない..」

天空「そ、そうなんだ...」

亜美「だからね!なんて言って...断ればいいかが...わからない...」

最近入学したのにもう告白か。早い。

さすが 亜美。

天空「じゃあ、ごめんなさい...付き合えません...でも友達として仲良くしよう!でいいんじゃない?」

亜美「...そっか..わかった..」

天空「......そ、そんなにタイプじゃなかったの?」

亜美「だって....だって...」

天空「ん?」

亜美「私、お兄ちゃんみたいにかっこよくて、優しくて、ちょっといじわるで...一緒にいて安心する人と付き合いたいもん!」

天空「あ、亜美...」

すごい嬉しいんだけど...なんかちょっと危険な気がする。 俺のせいで彼氏ができなかったら....いや、俺よりすごい人がでたら、さすがに許すか....最低ラインは俺なのだから...

亜美「じゃ、じゃあ、きっぱり断ってくるね!」

天空「う、うん...がんばれよ!」

亜美「うん!お兄ちゃんありがとう!」

そう言うと、妹は嬉しそうに去って行った。

.....恋の相談か...亜美とは知り合ってちょうど一年になるが、ここまで仲良くなるとは思わなかった。 ...ストラップが優しくキラッと光った。


とにかく、今日は最高の誕生日だったかもしれない。学校は入りたてだから誰にもお祝いされなかったけど...こんな家族に生まれてきてよかった。

こんな日が毎日続けばいいな....。


ずっと..続けば.....









































この平和な日常が、今日で最後だとは

誰も知らなかった。

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