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【画家と少女】

作者: Crane

【天使と少年】の主人公の未来の話です

あたしの住んでいるマンションの隣に住んでいる男性はちょっとおかしい。遊びに行くと大抵絵を描いているから画家かなんかなんだろうけど、彼は空しか描いてないのだ。

だけど、彼はその絵を売り生計を立てているらしい。そこはすごいと思った。(本人曰く、売るために描いているわけではないらしい)


そんな彼と出会ったのは、あたしが高校を無断欠席した日だった。

ちょっと外の空気を吸いたくて出ると、出た瞬間に「こんにちは」と声がした。こっちの窓を開ける音に気がつき挨拶したんだろう。(普通はしないが)「.....ちわ」と、声が聞こえた方向にあたしは言った。すると、

「あ、娘さん?こんな時間にいるの珍しいね。」と声が返ってきた。

娘さん?と聞いたのは時々母さんとでもここで話すからだろう。

「そうですけど.....」

別にこの時間にいようが関係ないでしょ!とここは心の中で突っ込んでいた。

「じゃあ、暇だったら僕の部屋くる?暇は潰せるよ。」

一回なんでとは思ったが、言われた通り、暇だったので興味本位で行ってみることにした。軽く着替えた後、隣の部屋のインターホンを押すと、空いてる入っていいよーと声がしたから、お邪魔しますと言いながら入ると、そこには空が広がっていた。

男は振り返り、いらっしゃいと言った。

これが彼との出会いだった。

それから、あたしは時々遊びに行くようになった。


それから、わかったのは彼はやたらに空に詳しかったということ。

なぜ、気象予報士にならなかったのかと聞くと、別に詳しくなりたくて詳しくなったわけではないからと返されたのを覚えてる。

それから、最初に言ったが空を描き、それを売っていると言ったけど、あたしが来た日から変わらずにあり続ける空の絵があった。

それは、とても美しくずっと見ていると吸い込まれそうだった。

そして、あたしは天使の話を聞いた。最後に彼は、この空だけは忘れられない。いや忘れてはいけないんだよと遠くを見つめるように絵を見て寂しそうに言った。


その日、あたしは叶わない恋の自覚と彼が空を描き続ける意味を知ったのだ。







読んでくださりありがとうございます

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