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異世界惑星テラフォーリア冒険記~異世界で龍神の神子になりました~  作者: ai-emu
【第4章】7月の花嫁~結婚式はお祭り騒ぎ!?~
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(2)光の祭典~神子様たちの華麗な協奏曲①~

6月31日。

光の大神殿があるカランでは、まだ昼の鐘どころか、午前9時の鐘すら鳴っていないのに、旅人が街中に散らばる宿屋の前に行列を作っている。それは、ここサギミヤ商会が営む宿屋兼食堂、『カラン鷺宮亭』でも同じことだ。現在、サギミヤ商会では、カランと王都ロンドリアに、高級旅館としての『鷺宮亭』と、リーズナブルな値段設定の旅館『龍姫の宿木』を展開している。

「部屋は空いているか?ここがだめなら、野宿決定だ。」

カラン鷺宮亭の受付で、何軒断られたのか分からない旅人が来店し、空き部屋を訪ねた。

「すみません。当店ではすでに、7日先まで部屋が埋まってしまっています。しかし、ご安心ください。当店では、系列店となっている『ロンドリア鷺宮亭』と、ロンドリアにある各宿屋と提携して、そちらのお部屋をご紹介しております。

ロンドリアの方でお部屋を取られたお客様は、特別処置といたしまして、サギミヤ商会が展開している転移門テレポートゲートを無料でご利用いただけます。どうしますか?」

受付で客を裁いているケイコが、群がっているお客に対して尋ねる。

転移門テレポートゲートを無料で利用できるのか。…それならば、カランで宿を探さなくても大丈夫だな。俺はロンドリアで泊まろう。部屋を用意してくれ。」

お客さんの1人がそう言うと、立て続けに周りにいたお客さんが賛同する。転移門テレポートゲートが使えれば、遠く離れたロンドリアで泊まっても、一瞬でカランに来ることができるからだ。

「利用方法をご説明します。宿泊料金は、ここで払っていただきます。料金と引き換えに、こちらの『転移門テレポートゲート通行証1日券』をご予約いただいた日数分。それと、『提携宿屋の宿泊券』をお渡しします。…」

ケイコの説明後、料金を払った客は、次々と転移門テレポートゲートを潜っていく。

ゲートを潜る順番待ちの間、宿泊客は、とある話題に持ちきりだった。

「そう言えば俺、光の神子様のこと、今回初めて拝見するんだわ~~。」

「実は俺もだ。そうそう、神子様といえば、アメリア様とメーリア様もなんかの神子様だという噂だぞ。」

「その噂は、俺も聞いたぞ。それあら、いろいろな神々の神子様が、今回の神事でお披露目されるみたいだ。今回の神事は、光の神子様のご拝顔を拝見するのも楽しみだが、他の神子様のご拝顔を拝見できるのもまた楽しみなんだよ。」

そんな会話が繰り広げられていたことを、私たちは知らなかった。

こうして、転移門テレポートゲートを使った宿不足の問題は、何とか解決していくのだった。


7月1日。

光の大神殿は、午前4時という早朝にも拘らず、多くのさ参拝客でにぎわっていた。

『龍皇教』最大の神事『光の祭典』が、今日から7日間の日程で始まるのだ。その一番最初の神事に参加しようと、朝から人々が群がっているのだ。

ちなみに今、大神殿に集まっているんは、ここカランで何かしらの商売をしている人たちです。

この光の祭典の期間中は、食堂などの店を構えている人たちにとっては掻き入れ時のため、日中の神事に参加することができません。そのため、毎日行われる早朝の神事を、彼らだけに開放して受けてもらえるように手配したのです。一般の参拝客は、午前と午後に1回ずつある神事に参加してもらいます。

また、アイリーンたち私の弟子には内緒にしていますが、この初回の神事は、神子の就任式も兼ねているため、それぞれの家族も参加をしています。

おはようございます。

ヒカリ=フレクシア=イマミヤです。

今日から始まった光の祭典。コロラド王国では、光の祭典が行われる7日間は、国中のほとんどのお店が休日となります。光の大神殿のあるカランでは逆に、掻き入れ時なのでほとんどの店が開いています。


大神殿の最奥。大聖堂のを囲むように造られた池の真ん中にある直径15メートル、高さ10メートルほどの建物。光の神子専用の『禊の間』において神事が始まりました。この建物は、2層構造になっており、上段の私というか、6大龍神の神子専用の泉と、その水が落ちてたまっている下段の2つの泉からなっています。下段の2つの泉は、眷属神の神子たちと、大神殿に詰める高位の神官さんたちが使用する泉です。

本来は禊に使う泉は1つだったのですが、つい先日、大量に神子が誕生したため、急遽このような形に作り変えられました。

この建物で禊を済ませ、体を清めた私たち24人の神子は、神子の専用衣装に着替えて大聖堂に向かいます。

「ではみんな。練習通りに行きましょう。大丈夫です。多少の失敗は、何とかなります。」

私は、ガチガチに緊張している弟子たちに声をかける。キーニャ達平民出身者はともかく、こういう場は慣れているはずのアイリーンたち貴族出身者でもガチガチに緊張するんだね。

「…ヒカリちゃん、社交界などの場は確かになれてはいるけれど、主役となる場などまだまだ経験はないのですよ。特に今回なんて、完全に”私たちが”主役じゃないですか。

さらに言えば、主役として神事に参加するのなんて、初めての経験なんです。」

恨みがましく言ってくるアイリーン。私は、それを諌めるように言葉を紡ぎます。

「そこは、神子になってしまったことを恨むしかないんじゃないのかな?今日からは、あなたたちがいろいろな神事を取り仕切っていくことになるんだから。今日は、私が全体の監督みたいなことをするわけだけど、アイリーンがトップで取り仕切る神事もあるんだからね。」

「聞きたくもなかったことをサラッと言いやがって。この鬼畜神子が。」

「憎まれ口がたたけるのならば、大丈夫ね。」

アイリーンの鬼畜発言に、場の空気が少し和みます。

「じゃあ、そろそろ時間よ。行きましょうか。」

今回の神事に参加するのは、神官や神殿騎士たちを合わせて総勢200人余り。私は、目の前にある幅約5メートル高さ約6メートルの巨大な2枚扉を開けた。


ギギギギギ…


静寂が包み込む大聖堂に、光の神子わたししか開ける事が出来ない大扉が開く音が鳴り響いた。

少し開いた扉を、数人の神殿騎士が大きく開いていく。完全に開ききった後、花道の両脇に、真っ白な鎧に身を包んだ神殿騎士のみなさんと、黒色の無地のワンピースに、純白の貫頭衣という下級神官の正装を身に纏った神官のみなさんが、等間隔に交互に整列をする。

騎士に手には、今日の神事の前に私から下賜された、黄金色に輝くオリハルコン製のロングソードを胸の前で剣先が地面に向くように捧げている。神官たちの手には香が焚かれている神器が持たれ、溢れ出している白い煙が花道を覆い神秘的な雰囲気を醸し出している。

先頭を進むのは、6人の大神官様。カランにある6つの大神殿(光の大神殿・闇の大神殿・風の大神殿・水の大神殿・火の大神殿・地の大神殿)と束ねる神官の長たちだ。大神官の後ろを進むのは、様々な神器を手に持つ女性神官たち。

まずは彼らが光龍神フレクシアの神像がある雛壇に上がる。その後、大神官たちが、雛壇の上を祝詞を唱えながら浄化をした後、雛壇の端に整列し、両膝を折って深々と頭を下げる。それに合わせて花道の両端に陣取っている神殿騎士と神官も、両膝を折って深々と頭を下げる。

「参拝者は席から立ちあがり、右手を胸の前に掲げ花道に向かって敬礼をしてください。」

神事の進行など知らない参拝者に向けて、進行役の神官が神事の手順を伝えていく。それに合わせ、参拝客が指示された行動をとった。

静寂が包み込む中、開け放たれた扉から錫杖が床を叩く音と、それに合わせて錫杖につけられた鈴の音が大聖堂に鳴り響いた。いよいよ神子様たちのご入場である。

まず初めに、地龍神『ノーム』の神子、ケンジ=ノーム=ナカジョウ率いる地の眷属神の神子から大聖堂に入場してくる。ちなみに、神子がまだいない神には、神子の代理としてそれぞれの大神殿から選ばれた神官が代理として参加をしている。

ケンジの真後ろには、地の戦女神の大理神子の神官が続き、その後ろに、森護神『アラングエル』の神子、イグリートカーヤ=アラングエル=カイヤニール・豊穣神『アシュタロテ』の神子、トラバーユ=アシュタル=ヤミスキン・大地母神『エルサレス』の神子、モニカ=エルサレス=アスナルトと、2人1列となって花道を進んでいく。それぞれの手には、各神々が変化した神器を手に持っている。

地の眷属神の神子のあとは、火龍神『イフリート』の神子マナミ=イフリート=テラオカの率いる火の眷属神の神子、その後ろには水龍神『ウンディーネ』の神子、サトミ=ウンディーネ=シマムラの率いる水の眷属神の神子、天龍神『シルフィード』の神子、リョウコ=シルフィード=クズタニの率いる風の眷属神の神子、闇龍神『ダークネス』の神子、タケシ=ダークネス=タケシロの率いる闇の眷属神の神子。そして殿には、私事光龍神『フレクシア』の神子、ヒカリ=フレクシア=イマミヤの率いる光の眷属神の神子が続いている。

ガチガチに緊張して、神事を行っているアイリーンたち12人は知らない。アイリーンたちには内緒で呼び寄せた、彼らの家族が、最前列で固唾を飲んで見守っていることを。私たちが壇上に上がった後、進行役の神官が、参拝客に対して指示を出しました。

「参拝客のみなさんは、正面に向き直り光の神子様のあとに続いて『神礼』とおとりください。」

壇上に上がった神子の行列は、先に壇上に上がっている大神官様たちと合わせ、神像の目の前に位置した私に合わせて『神礼』をしていく。壇上の神子たちに続いて、参拝客がが見よう見まねで『神礼』としていった。

『神礼』とは、私が新年の際にやった作法(両手を胸の前で掌が水平になるように組み、その場に正座をして一度深くお辞儀をする。その後、組んだ手をそのままに立ち上がり、そのまま深く一礼する。その後は、また正座をして深くお辞儀をする。これを5回繰り返えす)です。

その後は、滞りなく神事が進み、最後に私は、神像の前に置かれている紙束を手に取ると、紙束を聖水に浸しながら言霊を唱えます。すると、只の白い紙に、何やら不可思議な文様と文字が浮かび上がりました。『御霊初めの儀』の際、私が作り上げたあの御札です。今回は、参拝客全員分の数を用意してあります。

1回目の神事は滞りなく終了し、続いて、神子になるための就任式が始まりました。

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