(4)期末試験は闘技大会④~トーナメント2回戦後半戦はダイジェストでお送りします~
期末試験トーナメント千2回戦もそろそろ折り返し地点。
アイリーンの試合は、少しシリアスな場面が混在していたようだが、ここからは一気に進めてみようと思っています。それでは一気のどうぞ。
語り部は、私ヒカリ=サギミヤがお送りします。
《2回戦第6試合》ヘレンvsアスカ=サイジョウ戦。
白熱した魔法合戦を制したのは、なんとアスカさんの方だった。1時間の試合時間をフルに使った魔法合戦だったが、アスカさんは、魔力切れを起こしている様子はない。アスカさんの詠唱方法は、【新代魔法文字による詠唱】だったので、魔力をたくさん消費するはずなんだけど。
これは、私と同じ穴の狢のような感じがしている。あとで、要確認だな。
《2回戦第7試合》スミレvsリンカリド=アスマルト戦。
この試合は、瞬殺試合だった。開始早々始まった魔法合戦は、10分ほどで魔力切れを起こしたリンカリドくん。魔力切れを起こした瞬間、スミレさんの放った風魔法を防ぐことが出来ずに、師のまま場外までふっ飛ばされて試合が終わった。
《2回戦第8試合》テレサvsルシア=アマスタシア戦。
テレサによって、試合時間いっぱいまでとことん弄られたルシア君。突撃をかければ、いきなり足元の地面がなくなり奈落の底に落ちたと思ったら、次の瞬間には、リングの上空10メートルほどに漂う巨大な水球の中に強制転移する。水球の中で10秒ほどシャッフルをした後、回復することなく次の攻撃を受ける。そのまま、40分ほど反撃をする余裕も与えられずに、テレサによって弄ばれた後、風魔法で場外に吹っ飛ばされてしまう。
テレサ曰く、開始直前に何か気に障る事(私がらみらしい)を言われたらしく、それの報復みたいにしていたら、時間いっぱい苛めることになったそうだ。テレサちゃん…。あなた、何気に根に持つ子なんですね。
《2回戦第9試合》リョウコvsラスカル=オクンパス戦。
ラスカル君は所謂魔法剣士だったらしく、リョウコとは非常に相性が良かったみたいだ。お互い武器に魔法を付与して戦った結果、開始30分で魔力切れを起こしてしまったラスカル君が負けた。
《2回戦第10試合》ナンシーベルvsトラバーユ戦。
つまり、私の弟子どうしの試合なんだが。これがなかなか白熱したいた。お互い、訓練でよく乱取りをしているため手の内がバレバレ。保有している魔力だけを見れば、ナンシーの方がはるかに多いのだが、そんなことは些細な問題だとばかりに、果敢に攻め立てるトラバーユ。所謂、これぞ武術大会といわんガばかりの手数の勝負と相成りました。
そんなこんなでこの試合は、先読みと癖をうまく利用して戦った、ナンシーベルが勝利した。
《2回戦第11試合》ライマールvsアムロネス=プロポロポン戦。
入学初日、私たちに突っかかってきたアムロネスくん。私に謝罪をしたあとは、『精神と〇の部屋』の常連さんになっているみたいだ。暇を見つけては、お金を払って部屋に入り浸っているらしい。私の弟子になれば、お金を払わなくても使わせてあげるのにね。弟子入りについては、こちらから言う必要はないことだ。
そんなアムロネスくんだが、ライマールに対して善戦をしていたが、風魔法でふっ飛ばされて負けてしまいました。…そう言えば、今までの試合全てが場外負けの際は、風魔法でふっ飛ばされているよね。
《2回戦第12試合》マナミvsオリバ=マーテアリス戦。
お互い得意属性が火属性のため、会場の空気が炎に炙られて、10℃近く上昇しました。そこに放たれたのはマナミさんによる水塊弾。激しく燃える炎の中に投入された水塊弾は、瞬く間に水蒸気に化けリングの上を白く覆い隠します。霧が晴れたとき、リング上では後ろから手刀を、オリバさんの首筋に充てているマナミの姿が。
《2回戦第13試合》コトリvsスーメクリア=トランタード戦。
この試合は、コトリによる一方的な殺戮?じみた試合展開だった。コトリちゃんお得意の精霊魔法で作られた、無数の魔導人形の攻撃から防御するしかなくなった対戦相手のスーメクリアさん。魔導人形は、戦闘用と結界維持用に分かれ、戦闘用が20体、結界用が4体の構成になっている。
たとえ倒したとしても、闘いに参加している魔導人形の残りが10体を切ると、自動で倍の20体に分裂するから闘う立場としてはキリがない。戦闘用の魔導人形は、ぞれぞれが基本6属性のうち1つの属性の魔法を使ってくるため、武器で斬り倒しながら全方位から魔法が飛んでくる、魔法の対処もしなければならないため余計に体力と魔力を消費していく。
さらに言えば、結界用に展開している4体を倒さない限り、場外に出ることもできない。もちろん、術者であるコトリをどうにかして倒せば、魔導人形は消滅するのだが、そこまで到達する事は普通の人種では到底無理だろう。
結局、体力と魔力を根こそぎ奪われたスーメクリアさんが、試合開始40分でリングに膝をついてしまい降参した。
《2回戦第14試合》モニカvsフランスカ=ドルメシア戦。
久々の瞬殺試合で、モニカが呆気なく勝利してしまった。やはり、実力の差が天と地ほどについている場合は、どれだけ手加減を加えても瞬殺してしまうようだ。
しかし…。
モニカが展開していた風属性の防御魔法にはじかれて、そのまま場外負けってどれだけ弱いのかしら。…あの子。…まあ、ここまで来れているだけ、他の生徒よりかは強いのだろうけれど。
《2回戦第15試合》キーニャvsサエナル=フランシスコ戦。
この試合も瞬殺で終わりました。これでもかというほどの瞬殺です。キーニャが横薙ぎにふるった右手の風圧だけで、相手が吹っ飛んでいきました。
《2回戦第16試合》ヒカリvsユイト=ニカイドウ戦。
さて、いよいよ第2回戦も最後、私の試合です。相手は、名前からして、私と同様、日本人ですね。
「それではこれより、決勝トーナメント第2回戦最終試合を始める。お互い悔いの残らない試合をしろ。
それでは、はじめ!」
試合開始と同時に、お互いが不意打ちとばかりに魔術を放つ。私は『火撃矢』を、対戦相手であるユイト君は『氷撃矢』を無詠唱で放った。それぞれの矢が正面から当たって砕け散り、大量の水蒸気を発生させる。
「氷界結結!」
私は、魔力を空気中に拡散させ、水蒸気を一瞬で氷にする。リングの上には、高さ数メートルの歪な氷の彫刻が出来上がっていた。しかし、お互い無傷で、氷の上に立っている。
「これから脱出出来るとは、なかなかの腕前みたいですね。」
私は、ユイト君を称賛する。
「それはどうも。これでも結構いっぱいいっぱいなんですがね。ヒカリさんでよろしいですか?」
「私の事は、好きに読んでくださって結構ですよ。」
「それでは、厚かましいですが、ヒカリちゃんと呼ばせていただきます。
先ほどの続きですが、僕は結構ギリギリなんですが、ヒカリちゃんはまだまだ余裕みたいですね。」
「解ります?ユイト君には申し訳ないのですが、思い切り手加減をさせていただいております。私が本気を出してしまうと、ここら一帯が更地になってしまいますので。今、私たちが立っている氷界結結、本気で展開したら半径数キロを氷漬けにしてしまいます。」
「…それは遠慮願いたいですね。では、第2ラウンドと行きましょうか。」
そう宣言して、氷の上を走りだすユイトくん。私は、氷の彫刻を一瞬で消し去り、足元の地面をなくした。足元の地面がいきなりなくなっても、お互い空中を自由に飛び回りながら戦闘をしている。
「まさか、空まで飛べるなんて。」
「ヒカリちゃんも飛べるんですね。この状態だと僕は、10分ほどしか魔力が持ちませんが、ヒカリちゃんは何分持ちますか?」
「私ですか?測ったことはないですが、永遠に飛んでいられると思いますよ。現に、魔力を消費しているといった感覚が皆無ですので。」
「…。どれだけ頑張っても勝ち目がないじゃないですか。そんな無理ゲー、始めた覚えはないのですが。
それよりも。
3回戦にコマを進めた人たちも、人間やめてますね。いったい何なんですか?ヒカリちゃんも含めたこのメンバーは?」
「ん~~、リョウコ、マナミ、コウタ、コトリの4人は私と同じ異世界日本の出身です。あなたもそうなんでしょ?後の8人は私の弟子にあたりますが、ここテラフォーリアで生まれ育った現地人ですよ。保有している魔力や体力なんかは人間離れ級ですが。」
「『あなたも』という事は、やはり気づいていましたか。その通りです。私とアスカは、ヒカリちゃんと同じ日本出身です。こちらに来たのは今年の2月ごろですが。」
「その辺の話は、あとでゆっくりとしましょう。」
そんな会話を楽しみつつ、適当にあしらっていた私は、そろそろ飽きてきています。ちらっと時間を確認してみれば、すでに試合を始めて40分ほど経過していました。
「そろそろ飽きてきたので、この辺でお開きとしましょう。
『戦闘能力強奪』」
この魔法は、闇属性の上位に位置する魔法で、自分より格下の相手の体力・魔力・精神力を限界まで吸い尽くす魔法だ。この魔法を浴びると、文字通り立っている事すらも困難になるほど吹いとられるのだ。
その結果、リングに大の字に倒れこむユイト君に、私は、獲物の切っ先を心臓付近に当てた。
「それまで!勝者、ヒカリ=サギミヤ。」
これにより、明日に持ち越された第3回戦は、次の組み合わせになった。
《3回戦第1試合》メーリアvsイグリートカーヤ
《3回戦第2試合》ルクシードvsコウタ
《3回戦第3試合》アイリーンvsアスカ
《3回戦第4試合》スミレvsテレサ
《3回戦第5試合》リョウコvsナンシーベル
《3回戦第6試合》ライマールvsマナミ
《3回戦第7試合》コトリvsモニカ
《3回戦第8試合》キーニャvsヒカリ
…アスカさん以外、見事に私の関係者ばかりだ。予想通りとはいえ、これは少し酷すぎるね。




