(4)ヒカリのありえない1日
AM4:00『光の大神殿内光の神子の屋敷』
ピ!ピ!ピ!ピ!ピ!
私の朝は、目覚まし時計のかわいらしい電子音から始まる。
おはようございます。ヒカリ=フレクシア=イマミヤです。
この世界にも、目覚まし時計が存在していたのは驚きです。ファンタジーな世界観のくせに、何処となく現代が混在している世界ですね。大昔に地球から来た天文学者たちの中に、時計技師がいたらしく、魔導具としての時計が造ら得たそうです。目覚まし機能が付いたのが、今から100年ほど前だそうです。
今では時計はそれほど珍しいモノではなく、一般家庭でも1部屋に1つずつあるみたいです。しかし、どうゆう訳か、懐中時計や腕時計などの持ち運び可能なモノはなく、偏った進化をしているみたいですね。
テラフォーリアにおける、時計の歴史についてはこの位にしておいて、今日は私の1日についてお話ししましょう。
AM4:00『光の神子の屋敷ヒカリの寝室』
「おはようございます。ヒカリ様。」
私の起床から10分後、私付きの侍女であるマリアが挨拶をしてくる。マリアは、侍女でありながら、ココ光の大神殿に詰める神官でもある。
「おはようマリア。今日もよろしくね。」
マリアに手伝ってもらいながら私は、寝巻にしているワンピースから禊用の服に着替える。
「おはようございます。ヒカリ様。」
「おはよう、メーリア、テレサ。」
廊下を歩いていると、メーリアとテレサが挨拶をしながら合流してくる。メーリアは、コロラド王国第2王女であり、テレサは、カランのあるナリスタリア州州牧カトリア様の長女である。2人は、6大龍神の眷属神の神子になる素質がある。そのため、現在神子になるための修行を、ここ光の大神殿でしているため、ヒカリの弟子となり光の神子の屋敷で暮らしているのだ。
AM4:30『光の大神殿内光の神子専用禊の間』
大聖堂の北、大きな池の真ん中にある『光の神子専用禊の間』。八角形をした建物内は、ここ光の大神殿の中で特に神聖な場所とされ、私以外が使う事はできない。実際は、私のような何かの神の神子でないと使う事が出来ない。そのため、メーリアとテレサは、今のところ禊については、ほかの神官が利用しているすぐ隣にある建物で禊を行っている。
最初はただの水だった禊の泉は、私が入るたびに薄く光り、3か月たった現在では、なぜか聖水と化してしまった。そのため、ここの水が流れ込んでいる神殿内の池や、その先にあるカラン中の水路には聖水が溶け込み、町中の邪気を払う一種の浄化結界のような役割をしている。
AM5:00『光の大神殿内光の大聖堂』
禊を終え、簡易的な神子の衣装に着替えた私と、神官の衣装に着替えたメーリア、テレサは、毎日行われている早朝の神事を摂り行っている。この神事は、カランにいる者ならば身分を問わず参加できる。
AM5:30『光の大神殿内光の神子の屋敷』
神事が終わると、私は動きやすい服装に着替えて、カランに来てから毎日欠かさず行っている朝のトレーニングをしている。こちらに飛ばされる前から欠かさず行っていた事を、そのまま引き継いでいるだけだ。
準備運動の後、軽くランニング(大神殿の外周を3周ほど回る)をしてから、今上流格闘術の型をなぞる様にゆっくりと体を動かす。
これは、体力をつけるための訓練なので、魔法による補助は一切行っていない。また、メーリアとテレサも、私と同じことを毎日行っている。私のランニングはマラソン並みの速度なので、体を壊さないためにも、外周を回るランニングだけはペースを守るように指導している。
AM7:00『精神と〇の部屋』
朝のトレーニングを終えると、そのまま屋敷内から直接入れる精神と〇の部屋に移動して、魔法や近接戦闘の訓練に入る。ここを使うのは、この室内の特殊な環境(室内での1日は、室外での10分)を利用して、時間を有効的に利用するためだ。またどんだけ暴れても、外の世界には一切影響がないためでもある。
「メーリア、テレサ。まずは、武器術の訓練から始めましょう。」
「よろしくお願いします。」
光の神子の屋敷から接続している建物(小さめの城の形をしている)の庭で、現在訓練を行っているのは、私、メーリア、テレサ、コトリ、リョウコ、マナミ、タケシ、ケンジ、コウタの9人。
ちなみに今日は、14448年4月1日です。全員4月10日から、王立魔術学園に通う事が決まっている。あと、2月の中旬にあった魔術学園の入学試験の後からは、メーリアの兄弟であるマルコス様、ライラレス様、アメリア様も、朝の訓練に参加をしている。
そのため、3人が簡単にここを利用できるように、ロンドリアにある王宮内からも、光の神子の屋敷から接続している建物の1室に繋がる様に扉を設置した。3人は毎日、私たち9人が利用する時間前後にこの部屋にやってきて、一緒に訓練をしている。
この部屋を利用しだしてから1か月半ほどで、3人の実力も随分と上達し、今では騎士団の師団長クラスの実力があります。メーリアとテレサに至っては、たったの3か月で騎士団隊長クラスです。
この事実に危機感を持った王国騎士団やナリスタリア州騎士団の幹部が、私のもとを訪れ部屋の使用許可を取りに来ました。現状ではお金さえ払えば誰でも利用できますが、毎回払うだけの予算はありません。
国王様や州牧様からの請願もありましたし、この国を守る騎士団の方たちが強くなることはいい事などで、それぞれの騎士団の本部に扉を設置することにしました。中に入れる人数は、接続している建物の規模に応じて1回につき50人までです。精神と〇の部屋の内部は、途方もなく広いので(現在自動的に拡大していっているので、この部屋を造ったヒカリですら正確な広さは知らない)、ほかの人たちと出会う確率は天文学的に少ないでしょう。
話はそれましたが、私たち12人は、精神と〇の部屋の時間軸で3~4日ほど暮らした後、部屋を出ます。外の時間軸では、30~40分経っていないのですがね。精神と〇の部屋では、武術を魔法の訓練のほか、材料などを気にせずに作ることができるので、回復薬の製作や魔導具を製作したりしています。
最近はまりだしたのは、鍛冶。つまり、武器や防具の製作です。
最近は12人全員が、それぞれの武器を自作するために、この部屋で日夜格闘しています。そのため建物の中に、専用の部屋まで造ってしまいました。現実世界で暇な時は、ここに籠って格闘しているためか、鍛冶の腕もそれなりに上がってきています。今はまだ鈍らしか打てませんが。鈍らと言っても、カランやロンドリアにある武器屋で売っている量産型の武器よりはましなモノが作れていますが、1点物の特注品にはまだまだ手が届いていません。
やっぱり、錬金術で作り出すものよりも、いいものができるみたいですね。鍛冶と錬金術をうまく混ぜ合わせれば、きっとものすごい業物ができる予感があります。
AM8:00『光の大神殿内光の神子の屋敷』
屋敷に戻った私とメーリア、テレサは、朝食?を摂った後、午後5時くらいまでまったりとした自由時間に突入します。10日以降は、月曜日から金曜日までのこの時間は学園にいることになるでしょうが。私は、商会の方に赴いてお仕事をしたり、暇つぶしとストレス発散を兼ねてお金稼ぎをしています。メーリアとテレサも、用事がない限りは商会でお手伝いをしています。日曜日は、この時間帯に神殿で神事を行っているため、自由な時間ではないのですが。
商会の運営は、サリュースと言う狐人族の女の子に任せてもよくなり、私はただ決済をするだけになっています。この子は、ケイコのように元奴隷ではなく、商会を立ち上げたときに雇った人たちの中の1人で、計算能力や企画・開発、人材育成能力に秀でているため、私の右腕として働いてもらっています。いつの間にかマコトと交際していることが発覚しており、私とサトミさんに弄られる毎日を過ごしていたりしています。2人ともそれはそれで楽しんでいる感じがします。
学園に行くようになったら、あまり商会の方には顔を出せなくなるので、これはこれでありだと思っています。
PM6:00『光の大神殿内光の神子の屋敷』
今日も1日が終わります。夕食の後、お風呂に入って何事もなければこのまま9時から10時ごろに就寝です。10日から始まる魔術学園は、とても楽しみでもあります。鷺宮学園は卒業する事ができなかったので、異世界の学校は、しっかりと4年間通いたいと思っています。
それでは、おやすみなさい。




