(1)王立魔術学園の入学試験~試験内容は思っていたよりも簡単でした~
元担任副担任の結婚式も無事終わり、カランから旅立っていく者たちの見送りも終わった1月15日。次は、私たちの試験勉強です。現在いる場所は、ヒカリの神子の屋敷です。町にあるお屋敷は、現在改装中なので使うことはできません。
おはようございます。ヒカリ=フレクシア=イマミヤです。
2月15日に行われる、王立魔術学園の入学試験及び編入試験に挑むため、私を含めた9人は、試験勉強を始めました。1か月しかありませんが、…何とかなるでしょう。
ここで、コロラド王国における教育制度についてお話します。
コロラド王国では、6歳になると義務教育の初等学校に入学します。各村単位に1つ以上の初等学校があり、基本両親のもとから学校に通います。カランなどの大きな町には、地区ごとに1つの初等学校があるみたいです。そういえば、町にあるお屋敷の近くにも、そんな感じの建物がありましたね。
日本でいう小学校みたいなものです。
初等学校では、6歳から11歳までの6年間で、基本的な国語、算数、理科、社会、図画工作、家庭科、基礎体力、基礎魔力づくりをしています。
初等学校を卒業すると、それぞれの技能や能力に合わせて、3年間専門知識を学ぶ各種専門学校に通う事になります。専門学校は、ここまでが義務教育期間となっており、基本授業料などは国と各州で負担しています。専門学校は、王都と各州都にしかないため、通える範囲に住んでいない子供は、基本寮暮らしとなります。
この上にあるのが高等教育機関である王立魔術学園と騎士学園です。15歳から4年間の教育期間で、様々な事を学んでいきす。卒業すれば、就職先には事欠かないのが、王立魔術学園と騎士学園です
コロラド王国の新年度が始まるのは4月です。なので、各学校の進級月も4月になっています。
魔術学園の場合、入学試験は2月15日で、合格発表は3月1日です。大きな年間行事としては、入学式と始業式が4月10日にあり、卒業式は3月10日にあります。
本来魔術学園に入学するのは15歳なんですが、飛び級制度があるため、私をはじめとした13歳組は、この制度を利用して入学します。
教育関連の制度については、こんなもんでいいでしょう。
入学試験があるのが2月15日です。あと1か月しかないのです。試験日には、王都に行かなくてはいけないが、まあ、こちらの学校はとても楽しみにしているので別に構いません。王都での寝床もすでに確保してありますし。
それよりも試験の内容です。試験内容は、国語・数学・歴史・地理・魔法学の5教科と、武術と魔術の実技だそうです。実技と数学についてはなんとななるだろうが、あとの4教科については全く知りません。国語は何とかなるでしょうが、歴史・地理・魔法学の3つについては、?マークが飛び交うでしょう。
し・か・し!私には、フレアから貰った『知識の坩堝』がある。
これさえあれば、私に関しては試験などあって無しが如しだ。カンニングをするわけではない。所謂『知識』として頭の中に存在しているのだから。それも、私が『これは何?』と考えただけで、自動的に検索をして答えを示してくれるのだ。外付けのハードに知識をため込んでいる私のような存在なのだ。
「私だけ楽するのは、ちょっとズルだよね。」
「何がズルだって?」
私のつぶやいた糸ことを、タケシが聞き逃さずに聞いてきた。
「ああ、私にはね。フレアから貰った『知識の坩堝』っていう、大図書館みたいな能力があるの。これは、歴代の光に神子も持っていたものだから、所謂『光の神子専用』のスキルみたいなものね。これにサクッと検索すると、こんなものも作ることができるのよ。」
そういって、手元から取り出したものは、『王立魔術学園の試験問題』だった。それも過去数年分。
「それから、これが、今年の入試案内と申込書ね。」
そうして、新たに人数分取り出した紙。それを見て、メーリアが絶句する。
「あのう、ヒカリ様、なんで|今年の入試案内と申込書があるんですか?確か、まだ何も準備とかしていませんでしたよね。」
「『知識の坩堝』はね。テラフォーリアの大地で、過去から現在、というか、今この瞬間に発刊されている全ての本や文書をリアルタイムで収集しているのよ。㊙がついている国家機密の文書も含めてね。まあ、私が欲しいと思わなければ、検索してはくれないんだけども。
ちなみに地球で発刊されたものは、私が一度でも目を通したことがあるものなら全て収納しているわ。」
とんでもないことを、何でもないかの如く暴露する。
「それよりも、早いこと申込書だけは書いた方がいいわね。これの提出日、10日後よ。メーリアとテレサはもう提出した?」
「いえ、飛び級の話も急に決まりましたので、まだ何も準備しておりません。」
「じゃあ、私たちと一緒に提出してしまいましょう。」
みんなして申込書を埋めていく。そして、
「なになに。『申込書の提出は、提出期限までに学園事務局に郵送するか、直接学園まで持ってくること』だって?メーリア、学園の場所って、何処だかわかる?」
「学園の場所ですか?確か、王都の西に造られた学園都市の中だと記憶していますが、正確な場所まではちょっと…。」
「そうか、なら地図から検索して直接乗り込みますか。もう書けたよね。」
そういうと、何処からともなく取り出した、王都周辺の詳細な地図を、机の上に広げた。そして、学園の場所を地図上で確認して、皆を立たせると、転移魔法を発動する。
「座標指定瞬間移動」
瞬間的に周りの景色が切り替わり、目の前に魔術学園の正門があった。いきなり現れた私たちに目を点にして、すぐさま警戒モードに入る守衛さん。私たちの中に、メーリアがいたことに驚きつつも、用件を聞いてくる。いきなり襲い掛からず、とりあえず用件を聞いてくるとは、なかなかできた守衛さんだ。
「試験の申込に来たのか。事務局は、目の前の建物の1階だ。正面入り口から入ると右手側の部屋だ。」
「ありがとうございます。」
私たちは、申込書を提出すると、すぐさまカランに戻り勉強会を開いた。
そして試験当日。
1日目に国語・数学・歴史・地理・魔法学、2日目に武術の実技と魔術の実技が行われます。
第1教科の国語から試験が始まった。
私は、『知識の坩堝』が、勝手に示してくれる単語を、書き連ねていくだけの単純作業をひたすらこなしていく。どうもタケシたちも、私が持つ『知識の坩堝』の情報量ほどではないが、それぞれの龍神から同じような能力を貰っていたとの事。当然、ペーパーテストなど簡単に解けるほどの知識くらいは備えている。まあ、ぶっちゃけ、学園への合格切符は保証済みだ。メーリアとテレサも、さすが王族と貴族といったところ。これくらいならば、簡単に解けたらしい。
問題は2日目だったりする。どれくらいの強さで戦ったらいいのかが、今一見当がつかない。全力で戦うと、無双してしまうからだ。
まずは武術の試験から。武術の試験は、体術と武器術の2つを見るみたいだ。それぞれ5人ずつ戦い、先に5勝した順から次の試験会場に行き、今日中に武術と魔術の実技試験を終わらせればいいらしい。私たちはたまたま、体術⇒武器術⇒魔術の順番なだけだ。試験の順番を、メーリア・テレサとだべりながら待っていると、お約束のイベントがやってきました。
「おい、貴様!平民の分際で、メーリア様を慣れ慣れしく呼び捨てするとは何事だ!隣に田舎貴族もそうだぞ。貴様らみたいな下民には、メーリア様と話す資格などない!早々にこの場から立ち去れ!」
メーリアが何か言おうとしていたが、口に人差し指を当てて黙らせた。
「ふ~~ん、そういうあなたは、メーリアの何だというの?」
「俺か?俺は、モレルリン侯爵家の三男のモルガルトという。そういう貴様は誰だ?平民だが、名乗ることを許そうではないか。」
「私ですか?私はヒカリ=サギミヤと言います。二つ名みたいなモノはたくさん持っていますが、今は名乗る必要を感じませんね。ちなみに、あなたが言っていた田舎貴族のこのお嬢さんは、ナリスタリア州州牧カトリア=センダレス様のご令嬢で、テレサ=センダレス様ですよ。
あっ!そうそう。『侯爵家のご子息様』ともあろうお方が、『私の事を知らない』なんて、光の神子もまだまだなんですかね~。そう思いません?メーリア。」
「…そうですね。光の神子の事を知らないとは、侯爵家の教育もなってませんね。これはお父上に進言したほうがいいのでしょうか?」
「いや、そこまでは別にしなくてもいいでしょう。光の神子の事を知らなかったのは、モレルリン侯爵家の教育が悪いのではなくて、目の前にいるモルガルト君の勉強不足なだけですので。せっかく今回の試験問題にも出ていたというのにね~~。」
「覚えていろよ!」
またテンプレ的な捨て台詞を吐いて、この場を去っていくモルガルト君。これは、試験で戦うを立て行きましたね。
そして、体術の試験で私の最初のお相手は、フラグを立ててしまったモルガルト君でした。
「これより体術の試験を開始する。対戦者は、モルガルト=モレルリンVSヒカリ=サギミヤ。でははじめ!…それまで!勝者、ヒカリ=サギミヤ。」
開始1秒で勝敗が決まりました。
私は、開始の合図の瞬間に、20メートルあった距離を一瞬で縮めて、手刀をモルガルト君の喉元に当ててます。準備運動にもなっていませんね、これ。魔法を使わなくても、このくらいは朝飯前なんですよ。
「こう見えても私、ギルドランクがSSなんですよ。」
秘密の1つを、サラッと暴露します。ギルドランクがSSについては、あまり秘密と言った事はないのでいいでしょう。




