(3)ご主人様との対面~奴隷になった私は、全てを否定するように命令されました~
盗賊に鎖を曳かれながら引き回されるされる私たち4人。既に競りが終わった広場には、篝火がたかれ、宴会が始まっています。絶食4日目の私には、すごく堪える光景です。その中を、全裸で拘束具を嵌められ、鎖に曳かれ鞭を打たれながら引き回される姿は、惨めを通り越して情けなくなります。広場にいる男たちは、そんな私を酒に肴にして飲み明かしています。奴隷の身分に落とされてしまった私には、私の身の上に起こるすべての出来事に文句を言う権利もなく、また逆らう権利すらないのです。
3周ほど男たちの周りを引き回されたあと、重厚な造りの石造りの建物へと連行されました。
こんばんわ、栗池恵子と言います。
ついでに言えば、17年間愛用してきたこの名前すらも、ご主人様次第で、全く別の名前に強制的に変えられる可能性があります。
ここまでの間に、私の人生は全て変わってしまいました。
光莉ちゃんたちを袂を分けてから2日後に盗賊に捕まってしまいます。その場で全裸にされて後ろ手に縛られた私たち。この時私の、と言うか、私たちの私物は全て灰になっています。光莉ちゃんたちが、行動の邪魔だと言っておいていった荷物共々灰になりました。
盗賊のアジトについてみれば、すぐに競りに掛けられてしまいました。ここまで絶食4日目に突入中です。途中川の水を飲む機会はありましたが、食事は与えられていません。盗賊のアジト着いた時には、全員フラフラな状態でした。
そして今。
この世界で”着の身着のまま”どころか、”着る衣服すらない”奴隷娘になってしまった私。私が唯一身に付けていても許されているのは、盗賊のアジトで嵌められたこの忌まわしい拘束具のみです。全裸のまま、拘束具をつけられてしまった今の私は、既に何も身に纏う事すら許されていません。さらに言えば、見知らぬ4人と首枷同士が1つに繋がれてしまっています。
閑話休題
目的の建物は、3階建ての立派な石造りの建物です。建物に入る入り口は、豪華な装飾の施された立派な扉と、重厚な鉄扉しかない武骨な扉の2カ所です。鉄扉の方は、外側から鍵を掛けれる構造です。
当然今から私が使うのは、鍵がかけれる鉄扉の方です。
外開きに開いた扉。扉までには、5段の階段…、そう、階段です!私たち4人は階段を上り、建物の中に連行されます。長い廊下の突き当たりの部屋、そこが私の目的地でした。
四方がすべて粗く削っただけの石で造られた部屋。入り口には鉄扉が取り付けられ、閂式の鍵が取り付けられています。部屋の中に入ると、目の前の壁いっぱいに鉄格子が填められており、その先は、30センチほどの段差になっています。段差の上には、ふわふわの絨毯が敷き詰められており、豪華な応接セットが置かれています。
対して、鉄格子のこちら側。つまり、今私たち4人がいる場所は、石の床の上に茣蓙が4枚敷かれているだけです。つまり、私たち4人は、茣蓙の上に座るという事です。
「貴様たちは、床に敷いてある茣蓙に正座をしろ。」
案の定、盗賊からそう命令されます。
「ハイ、解りました。」
何故かそんな言葉が口から出てきました。
私たちが正座をすると、盗賊たちは、正座の状態で両足を革ベルトで固定します。その後、足枷の外側に取り付けられているU字型の金具に、床に取り付けられている鎖に付いたフックが嵌められました。そして、首枷に付けられているU字型の金具には、天井からテレサがるフックが嵌められ、背筋を伸ばした感じで固定されます。
そして、目隠しをされました。
その姿勢のまま、5分ほど待っていると、誰かが部屋に入ってくる気配がします。
たぶん、私を競り落としたご主人様のはずです。
私の主人となる者との、初めてのご対面です。。この先私は、完全に奴隷になってしまうのです。
目隠しを取られ、鉄格子に向こうの豪華なソファーに座る、ブクブクと肥え太った醜い男と対面します。
(この男がドメイク。私のご主人様になる男…)
「こちらが、貴様たちのご主人様である、『ドメイク=ドルマリン』様だ。
ドメイク様から、貴様らに人生最後となる名乗りが許されている。これが終了したのちは、ドメイク様から与えられた名前で暮らしていく事になるから、しっかりと噛みしめながら名乗れ!
まずは貴様からだ!」
やはり”名前”すらも取り上げられてしまうようです。どうも私が最初に名前を捨てなくてはいけないようです。
「ドメイク様に競り落としていただいたことを、誇りに思っています。
競り落としていただいた瞬間から、ドメイク様の奴隷になりました栗池恵子です。
…この名前は、今この瞬間、私が名乗るべき名前では無くなりました。
…今の私には、名乗るべき名はありません。
私は今は、名もなき奴隷女でございます。
どうぞ、…ドメイク様のお好きな名をお付けください。
…ドメイク様から素敵な名前を頂ける事が、奴隷である私の、…最初で最後のドメイク様への頼み事になります。」
私がそう言うと、ドメイクは薄気味悪い笑いをした。
「ほっ、ほっ、ほっ。貴様の名前を儂が付けてもよいのか?『醜い奴隷女』よ。」
「…、はい、この身に似合うような素敵な名前を頂く事は、…奴隷である私には、身に余るほどの嬉しい出来事でございます。どうぞ、お好きな名前をお付け下さい。」
「そこまで言うか、奴隷娘よ。…そうだな。貴様を『メス豚』と呼ぼう。」
「恐れながらドメイク様、『メス豚』はすでに何人か奴隷の中におりますが。」
従者の一人がドメイクに進言した。
「そんなにおるのか。目の前のメス豚は、『メス豚何号』めになるんだ?」
「この女は、『メス豚10号』でございます。」
「おい奴隷女。貴様はこれより『メス豚10号』だ。よい名だろう?
それと、長々と他の奴隷娘共の名など聞きたくもない。どうせこの場背捨てる名など、聞いても損だからな。
あとの3人は、それぞれ『メス豚11号』『メス豚12号』『メス豚13号』とする。
よいな!」
「はい、ドメイク様のお耳に、醜い奴隷女の本名を入れなくてもよくなった事を、私たちは誇りに思います。これより先は、ドメイク様から授かったお名前を名乗らせていただきます。」
私以外の3人は、名乗る事すらなく、これから先に名乗らなければならない名前を決められてしまった。どんなに嫌な名でも、また醜い名前でも、今まで名乗っていた名前をついさっき捨てててしまい、ドメイクに名づけて貰うように頼んでしまった後では、恵子は肯定しなければいけない。それはドメイクの奴隷だからだ。奴隷は、名前すらも、主人が名づけたならば改名しなければいけないのだ。
「ドメイク様。…醜い奴隷女『メス豚10号』という、身に余るほどの名前を付けてくださり、名前を付けてくださり、とても嬉しく思います。私はこの瞬間より、ドメイク様が名づけてくださった『メス豚10号』と名乗らせていただきます。」
他の3人も、既に決められた名前を名付けて貰った感謝の言葉を述べるしか許されていなかった。
ドメイクが立ち去った後、私たち4人は、正座した状態のまま一夜を明かす事になる。首枷に繋がった鎖のせいで、横になる事も出来ず、また、固定された足を延ばす事も出来ない。
うとうとと浅い眠りを繰り返している私たち。
突然の鞭打ちで目を覚ますと、鉄格子の向こう側にドメイクの姿があった。
ドメイクの前の机の上には、朝食なのだろうか、野菜やらパンやらが置かれ、空腹の私たちの前でおいしそうにほうばっている。私たちは、それを只見ているだけしかできなかった。
しかし、体は正直なもので、お腹の虫が先程から鳴りっぱなしだ。既に私は、3日間何も口にしていないのだ。お腹の虫がなるたびに、背中には鞭が飛んでくる。
朝食を食べ終わると、ドメイクは、空腹の私たちに、さらなる追い打ちをかけた。
「そう言えば、貴様ら。僕に朝の挨拶をしていないね。挨拶の仕方を教えてあげなさい。」
朝食のパンを啜りながらドメイクはそんなことを言ってくる。
「メス豚ども!朝一番にドメイク様に逢ったら、『おはようございます、ドメイク様。メス豚〇号です。本日もたくさん仕事をお与えください。』と言うんだ。分かったか?分かったならば、1人づつ言ってみろ!貴様からだ!」
「お、おはようございま『べチン!』」
突然背中に鞭が飛んできます。
「まずは、朝一での挨拶をしなかったことへの謝罪を言え!謝罪の後には『奴隷としての身分をわきまえなかった行動をとった罰をお与えください。どんな罰でも喜んでお受けします。』と必ず付け加えろ!
もう一度はじめからだ!」
「朝一番に、ドメイク様に挨拶をしなかったことを、どうかお許しください。…ドメイク様に指摘されるまで気づかなかったのは、…奴隷であるこの身分をわきまえていなかった行動です。…どうか、『メス豚10号』に、ドメイク様からの愛の罰をお与えください。どんな罰でも、喜んでお受けします。
ここで改めて挨拶をいたします。
おはようございます。ドメイク様。メス豚10号です。本日もたくさん仕事をお与えください。」
「やればできるではないか!つぎ!」
こうして4人が挨拶を終えた後、ドメイクからの”愛の罰”が与えられた。
与えられた罰は、この場での鞭打ち100回です。早速始められて鞭打ち。1回1回、背中を鞭で打たれ、回数を数えていきます。数を数えるのも罰の1つだからです。
鞭打ちの後は、罰を与えてくださったドメイクに、感謝の言葉を述べなくてはいけません。
「ドメイク様。醜いメス豚10号は、ドメイク様から貰った罰を嬉しく思っています。これからも、メス豚10号が何か不手際をした際には、どうぞ愛の罰をお与えください。メス豚10号は、喜んでお受けします。」
と。
私以外のと言うか、せっかく言えた私も、連帯責任とかでさらなる罰を受ける事になりました。
私たち4人に下された罰の内容は、
『歩いて僕の屋敷まで来るように』
だった。
何処にあるのか解らないドメイクの屋敷まで歩く事が決定した瞬間だった。




