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異世界惑星テラフォーリア冒険記~異世界で龍神の神子になりました~  作者: ai-emu
【第4章】龍神の神子の試練~世界に顕現する6大龍神の神子~
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(4)1000年の時代(とき)を越えて~光の神子と呼ばれた少女~

「それじゃあ、開けるわよ。」

私はそう湯と大きな両開きの扉に手をかけた。傅く騎士や神官たちもこの途にとばかりは、固唾をのんで扉が開くのを見守っている。彼らには、この後やらなければいけない『仕事』があるのだ。

こんばんわ。ヒカリ=フレクシア=イマミヤです。

『光の神子』とも言います。今後ともお見知りおきを。

この大きな扉の向こう、『光の大聖堂』と呼ばれている部屋では、現在進行形で大神官による年越しミサが粛々と行われています。現在このミサを聴いているのは、この国の国王一家のほか、主だった貴族とその家族、親族たち総勢500名ほどです。結構いたんですね。能無しおバカな貴族たちがこの国には。ほんのひと握りくらいは優秀なんでしょうが、ほとんどの貴族バカは、ふんぞり返っているだけの上から目線なんでしょうね。そのくせ、出世欲だけは一人前と言う不良債権たちが。

扉を開ける前に、フレアには、少しお仕事を頼んでみました。

仕事内容は簡単なお使いです。一生懸命光龍神『フレクシア』の神像に祈りを捧げている大神官様に、『天啓』を出しに行ってもらいました。天啓が出るのは、年が明ける5分前。丁度、定型文みたいな説法が終わり、神像に祈りを捧げはじめてから5分くらい経った頃でしょうか。光龍神『フレクシア』の言葉が祈りの最中に降りてきたので、さぞかし驚かれた事でしょう。今はその天啓を、中にいる面々に高らかに宣言している頃です。

フレアに伝えて貰った『天啓』は、次の通り。

『新年が明ける瞬間、1000年来閉ざされてきた扉が開かれるだろう』

大神官様なら、『扉』の意味をすぐに理解するはずです。王族や貴族の中にも、知っている人もいるかもしれません。

新年へ向けてのカウントダウンが始まりました。

5・4・3・2・1・0

私は、新しい年明けと同時に、扉を開けます。

”ギギギギ”

1000年間開くことのなかった扉が、今この瞬間、軋みながら開いていきます。私の手で人1人分位の隙間が開いた後、両開きの扉は、神殿騎士さんの手によって大きく開かれていきます。完全に扉が開ききると、神殿騎士さんと神官さんたちが素早く花道の両端に交互に整列し、騎士は剣を捧げ、神官は金と銀で造られた柄杓型の神器を手に持っています。柄杓の中には、何処から汲んだのか、神界で湧き出ているすべての聖水がくべられています。

突然始まった謎の儀式に、参加している王侯貴族様たちは、目を点にしています。大神官様も、神事を進行していた結構上の身分の神官様たちも、同じく目を点にしています。

騎士や神官たちの整列が完了すると、開け放たれた扉から入ってくる1つの団体。

露払いを務めているのは、『闇の神子』事タケシ=ダークネス=タケシロ。神器である『龍王の大剣』を両手で持ち、天に捧げて先頭を歩いていきます。『龍王の大剣』は、闇龍神『ダークネス』が変化した姿です。一応、神子が持つ龍神が変化した神器は、神話に基づいているんですよ。果たしてこの中で何人の人が、この事実に気付く事やら。大神官あたりは気付いてほしい所です。

その後ろを歩くのが、『水の神子』事サトミ=ウンディーネ=シマムラ。水龍神『ウンディーネ』が変化した神器『水雅の杓子』を持っています。杓子に注がれているのは、『鳳凰水』と呼ばれる聖水です。

サトミさんを頂点に、正三角形の底辺を作るように横一列に並んで歩いているのが、『風の神子』事リョウコ=シルフィード=クズタニと、『火の神子』事マナミ=イフリート=テラオカです。リョウコは、天龍神『シルフィード』が変化した神器『龍風扇』を、マナミは、火龍神『イフリート』が変化した神器『龍火鵬』を持っています。

サトミさん、リョウコ、マナミの三角形の結界の中にいるのが、私『光の神子』であるヒカリ=フレクシア=イマミヤです。私が持っている神器は、もともと持っていた錫杖です。今は、錫杖の上部に、光龍神『フレクシア』が変化した宝玉がプカプカと浮いています。

そして、殿を務めているのが『地の神子』事ケンジ=ノーム=ナカジョウ。ケンジが”身に纏ってる”のは、地龍神『ノーム』が変化した全身鎧フルプレート・ロングソード・大盾がセットになった『龍王騎士ナイトバロンの装備』だ。

フル装備で歩く神子たちの後ろに続くのは、『神王宮の侍女服』に身を包んだ女性神官20人。彼女らの手には、数々の神器を載せた金細工が施された漆黒のお盆を運んでいる。

大神官は、先の『啓示』の際に、ついでに伝えて貰った『光の神子降臨』の神事を執り行う大役をしてもらっている。それは、私が、大扉を開けた瞬間からすでに始まっているのだ。

入り口の大扉から、神像のある雛壇までの約100メートルの花道を、ゆっくりをした足どりで歩く私たち。数歩ごとに床を叩く錫杖。錫杖についている鈴の音が鳴り響くたびに、光の大聖堂内に存在するありとあらゆるモノが清められていく。

雛壇に向かう階段の下で履き物を脱ぎ、雛壇に上がる6人の神子。階段の下に陣取り、床に正座をして佇む女性神官たち。雛壇に並んだ神殿騎士と神官たちは、その場で片膝をつき、雛壇に向けて頭を垂れている。王族を始め、一部の貴族は、花道に並ぶ神官たちに倣い、席を立ち片膝をついてこれから始まる神事に参加する。呆然と席に着いたまま呆然と眺めているのは、これから始まる、…と言うか、”既に始まっている”神事に参加する気はないのだろう。

タケシとケンジが、私を護るように一番後ろに陣取り、手に持つ剣を床に突き立てる。次に、サトミさん、リョウコ、マナミが横一列に並ぶ。私は、一番前神像の正面に陣取り、神像の正面にいる大神官と対峙する。

私たち6人の神子は、フレアに教えて貰った”神事”の作法に則って『光の神子降臨』の神事を始めていく。

前に並ぶ私、サトミさん、リョウコ、マナミは、手に持つ神器を雛壇の上に正座をするときに前に置き、両手を胸の前で掌が水平になるように組んで一度深くお辞儀をする。その後、組んだ手をそのままに立ち上がり、そのまま深く一礼する。その後は、また正座をして深くお辞儀をする。これを5回繰り返し、最後に正座でお辞儀をした後、私以外の3人は、膝立ち姿勢になって軽く頭を垂れている。後ろにいるタケシとケンジは、剣を前に置き片膝をついて頭を垂れている。

私は、立ち上がると胸元に忍ばせてあった紙を広げ口上を述べた。

「1000年の時代ときを越え、今再びこの大地に降り立つことが出来ました。空白の1000年、我の降臨を待ち焦がれた大神殿には、感謝の念しか生まれません。

我の名は、ヒカリ=フレクシア=イマミヤ。

光龍神『フレクシア』の化身にて名代なる『光の神子』なり。神子の顕現により、この大地には、さらなる発展と繁栄を約束されたでしょう。

我の他に時同じくして降り立った『闇の神子』・『風の神子』・『水の神子』・『火の神子』・『地の神子』を伴い、この『光の神子の顕現の儀』をこの場において執り行いしは、さらなる発展の礎となるでしょう。

ここで、我光の神子と行動を共にし、此度の『光の神子の降臨の儀』に参加した、各龍神の神子の紹介をしていきましょう。

まずは、『闇の神子』タケシ=ダークネス=タケシロ。」

ヒカリが名を読み上げると、その場で立ち上がるタケシ。まずは参拝席を向き一礼すると、神像に向き直ってからもう一度一礼をして再び片膝の体勢に戻る。

「次に、『風の神子』リョウコ=シルフィード=クズタニ。」

リョウコは、立ち上がってからタケシと同様の仕草をして元の体勢に戻る。

「『水の神子』サトミ=ウンデイーネ=シマムラ。」

「『火の神子』マナミ=イフリート=テラオカ。」

「『地の神子』ケンジ=ノーム=ナカジョウ。」

名を呼ばれるたびに、参拝席と神像に一礼をする。

「我等6大龍神の神子は、これよりここコロラド王国内に根を張り、この地の繁栄と発展の礎とならんことを、この場を借りて宣言とする。」

こう締めくくると、ヒカリは、紙を畳んで再び懐にしまうと、両手を胸の前で掌が水平になるように組んで一度深くお辞儀をする。その後、組んだ手をそのままに立ち上がり、そのまま深く一礼する。その後は、また正座をして深くお辞儀をする。これを5回繰り返し、最後に正座でお辞儀をした後、膝立ち姿勢になって軽く頭を垂れる。その後、大神官の口上があり、ヒカリたちは花道を歩いて大扉から退場していく。

こうして、年越しの神事に割り込むように始まった『光の神子の降臨の儀』は、一部の貴族の妨害があったもののつつがなく終了した。

その後は再び、新年の神事が再開した。

神事の終了後、光の大神殿の奥に、臨時に作られた神子たちの控室。この部屋で待っていたのは、居並ぶ貴族たちによる接待攻撃とつげきだった。部屋の造りは、ヒカリたち神子が座っている2人掛けのソファーが上座にあり、ソファーの横には小さなテーブルがある。テーブルの上には、飲み物と軽い食事が置かれていた。ソファーの前は、ちょっとした空間になっており、まるで謁見の間にある玉座みたいな家具の配置だった。壁際には、一緒に来ていたメンバーらが座るソファーまで用意されていた。

現在のヒカリたちは、謎の空間で用意した神子服?姿だ。要するに、着替える暇もなく、この部屋に押し込まれたのだ。何かこの後に、してもらいたい事があるらしい。神器に変化していたフレアたちは、元の動物?の姿に戻り、ヒカリたちの方やら膝の上やらに陣取っている。

ヒカリたちがこの部屋で休憩を取っていると、神事が終了したのか、何も考えていないかのように、次々に名を名乗っては、ヒカリたちの手を取り西洋風?の挨拶をしていく貴族たち。ここには確か、王族もいたはずだ。普通の考えを持っている者ならば、私と逢う順番も『位の高い者から順に』がセオリーだろう。それともいくら龍神の神子とはいえ、只の一般人には、関係のない事なのだろうか?まあ、バカの集まりなのだから、そんな事すら考慮に入っていないのだろう。

正直言って、これだけの人数に同じことをされるのはうざい。

最初の数人は、顔と名前くらいは覚えておこうと頑張っていたヒカリだが、今ではただ聞き流し、されるがままに手の甲に口づけを受けているだけだ。内心では、「何?これ?拷問?」と、どうでもいい思考に走り、現実から目を背けている。

そんな拷問の様な時間も過ぎ去り、日もすっかりと昇った昼下がりの午後、午前中に”強制参加させられた神事”を終え、軽く仮眠を取った後に尋ねてきた集団があった。大神官を先頭に、なかなかの紳士集団だ。たしか、参拝席の最前列に座っていた人たちだな。こちらの予定やらなんやらをしっかりと計算したかのような訪問時間、とても好感が持てる集団だ。何処かの貴族おバカさんたちとは大違いだな。

翌日と言うか、新年の神事がすべて終わった後の昼下がり、ヒカリの元に表敬訪問する集団があった。部屋に入ってきた彼らは、ヒカリの座るソファーの前で男性は片膝をつき、女性は膝立ち立状態で、両手を胸の前で掌が水平になるように組んで頭を垂れている。

「お初にお目にかかります。今代の光の神子様。

某は、この国で国王の座にいますマルキネス=サンダレスと申します。…」

「つづいて、某は、ここカラン及び、ナリスタリア州を任されております州牧カトリア=センダレスと申します。…」

こうして、ヒカリと、国王一家、州牧一家との会談?が始まるのだった。



追記

妨害した貴族の末路①

1000年間開くことのなかった、『大扉』が開いた意味を理解せずに、ヒカリたちの行動を妨害する貴族たち。

「貴様ら、ここは神聖なる光の大神殿なるぞ。さらに今は、年越しを祝う神事の最中だ。それを邪魔するとは万死に値する!」

などと言いながら切り付けてきた数人の貴族おバカさんは、花道に居並ぶ神殿騎士たちによって、ヒカリたちに近づくことすらできずに成敗された。

妨害した貴族の末路②

日の出前、大神殿の入り口にはちょっとした列が出来ていた。この列は、初日の出の時間に行われる神事、『御霊初めの儀』に参列するための列だ。これから抽選会を開き、50人の参列者を決める。そのための列なのだが…ここでも、貴族おバカさんたちが頑張ってくれた。

「ここで行われるすべての神事は、貴族の身が参加を認められている。平民どもは早々に立ち去れ!」

抽選会を妨害してきたため、大神殿側は『御霊初めの儀』について、一般参列を急遽取りやめた。この決定についても一悶着あったが、特別参列が認められていた国王様一家斗州牧一家も参列できなくなったため、貴族おバカさんたちは、近衛騎士団の方たちに連行されていった。その後の貴族おバカさんたちの末路は、ヒカリは知らない、と言うか、知りたくもなかった。

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