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異世界惑星テラフォーリア冒険記~異世界で龍神の神子になりました~  作者: ai-emu
【第3章】テラフォーリアでの年越し~新たな旅立ちと新しい仲間~
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(3)冒険者パーティ『炎帝の鉾』~光莉は何処まで行ってもチートです~

「顔合わせも済んだことですし、浩太たちの実力を見がてら少し運動しようかな。」

私たち18人と、浩太たち3人の顔合わせが終わった後、私は彼らにこう言った。

こんにちわ、今宮光莉です。

今日は12月24日。今年もあと7日で終わり、テラフォーリアに来て初めての新年を迎えます。私たちは今、屋敷の一角に造られた2つある鍛錬場のうち、『魔術鍛錬場』に来ています。

この部屋は、元々は宿の1人部屋(3M×4M)だった1室で、空間魔法で室内空間に広さが、地球の表面積の約10倍ほどの広さがある。尚且つ、町のど真ん中で魔法の練習をするため、耐破壊・耐衝撃・防音・耐振動の付与エンチャントが掛かっており、外には、中の音や振動が漏れないようになっている。室内には、様々な地形が再現されており、ここが外だと言われても納得するほどだ。なんせ、部屋の中には、テラフォーリアに生息している動植物はもちろん、魔物すらほぼ全種類放し飼いにしてあるのだから。外と違う所と言えば、空が白い事だけだろうか。

みんなは、この部屋の事を、とある漫画に詰って『精神と〇の部屋』と呼んでいたりする。まあ、私もそれに倣って、この部屋?空間?に唯一存在する建物を設置しているのだけれどもね。現在は、その建物の外に来ている。漫画のように、生涯でたった2日間(48時間)しか利用できないなんてオチはないですよ。

ついでに、時間魔法も部屋に付与エンチャントでかけてある。効果は、『室内での1日は、室外での10分』だ。実際、あの漫画に出てくる部屋の約4倍の長さになるのだ。さらに、オリジナルの機能として、部屋の中で過ごした分だけ年を取るのではなく、時間経過は、あくまで外での時間の流れに準拠している所だ。流石は魔法。何でもござれだ。

この部屋?に設置した建物は、あの漫画の様な宮殿風ではなく、何処にでもある木造2階建ての一軒家だ。中の広さが尋常でないため、この建物を出る時は、必ず『帰還の腕輪』という魔導具を填めるように厳命してある。そうでもしないと、中で迷子になったら永遠に外には出られないからだ。帰還の腕輪があれば、部屋の中ならば何処にいても、建物内にある『帰還の間』に転送してくれるのだ。もちろん、この建物から100メートル四方は絶対安全圏になっており、放し飼いになっている動物や魔物は近づいて来る事は出来ない。

なかなかチートな造りの部屋になっている。

今現在、私以外にこの部屋にいるのは、智美さんと毅、『炎帝の鉾』の3人と、カラリスさん、あと浩太たち7人だ。浩太たちがカランに来る際に一緒だった他の4人は、まだカランにいたらしく、次いでだからと浩太たちに呼んできてもらったのだ。その際、商隊『マリュース』の代表と、冒険者の一行も来ていたのは少し驚いた。

商人さんはカラリスさんと言い、コロラド王国を廻っていろいろなモノを売り買いしている凄腕の商人さんです。空間属性持ちである上田哲平君は、彼にとっては渡りに船だそうだ。今までのように、盗賊や魔物の心配をしなくてもよくなるし、何より身軽になるのだ。前者は、空間魔法の1つである瞬間移動テレポートによるものが大きいし、後者は、空間収納ストレージの恩恵を大いに受けている。ここにいる3人は、まだ瞬間移動テレポートは出来ていないみたいだが…。まあ、私にかかれば、今日中にはできるようになっているだろう。実際空間属性を持っている私の仲間は、半日で出来るようになっていた。

冒険者パーティ『炎帝の鉾』のリーダーであるケイトさん、パーティメンバーのランディーさん、アイリーンさんの女性3人のパーティだ。一応全員がBランクである。女性3人でBランクまで上り詰めているベテランだ。


閑話休題それはともかく


初見なので挨拶をしておかなくてはいけない。

「はじめまして。今宮光莉です。冒険者を、職業の1つとして生業にしています。私の元旧友が、大変お世話になったそうで、私からもお礼を言わせていただきます。」

「これはこれは、大変失礼を。商隊『マリュース』の代表としておりますカラリスと言います。何か入用な時は、どうぞお声をおかけください。」

「はじめまして。『炎帝の鉾』のリーダーケイトだ。後ろの2人は、パーティメンバーのランディーとアイリーンだ。同じ依頼の時は、よろしく頼む。一応新たに仲間にいなったタカノリ、ヒロツグ、ミノルと、コウタ、ヒロシ、マサユキ、テッペイの7人には、最初に立ち寄った街で冒険者に登録させて、勝手ながらこちらで鍛えさせてもらった。7人ともDランクまで上げてある。

…ところで、光莉殿は、冒険者ランクは何処まで行っている?」

「私ですか?私は、一応冒険者ランクは、SSですね。」

「・・・・」

私の言葉に、『炎帝の鉾』の3人とカラリスさん、はてや、浩太たち7人が固まったどこかにたびだった。私は、首をカクンと傾けて、「何をそんなに驚いているの?」と言う顔をする。

「…もう一度言った頂けますか?」

オドオドしならがも、少し現実世界に戻ってきたケイトさんが言った。

「ランクですか?私のランクは、SSです。ちなみにここにいるメンバーは、お爺ちゃんと元担任副担任タカユキ・マユミ以外は全員Aランク以上ですね。SSランクは、私を含めて7人います。」

「・・・・」

私の宣言に、しばし空気までもが固まった後、

「えーーーーーー!!!!!」

部屋を振るがすほどの大音響の悲鳴に変わった。

「ちょ…、ちょ…、ちょっと待って。カランにいる…SSランクで…、『光莉』と言う名前の冒険者…。

…まさか…あなた、…『殺戮幼姫マーダープリンセス』ですか?」

「さあ、そんな物騒な二つ名で呼ばれた事はありませんが、たぶんあっていると思いますよ。ギルド仲間からは、『全属を統べる戦女神』なんて呼ばれていたりもしますが。

まあ、そんな事よりも、7人の戦闘力を知っておきたいので、早速ですが始めましょうか。ついでに、ケイトさんたちの相手もしましょうか?」

「SSランクの方の胸をお借りできるとは僥倖です!お手合わせをお願いします。」

私たちは、”建物の外”にある広場に来ています。「部屋の中に建物?」などと言うくだらない疑問は、この際無視してもらいます。すでにここは、部屋であって部屋ではないのですから。現実の戻ってきたケイトさんが、私と対峙する。

「まず始める前に、この部屋での注意事項を言います。この建物を囲むように4隅に石柱があるのが確認でいると思います。」

智美さんと毅以外に言い含めるように、私は部屋の仕組みを話します。皆が石柱を確認し終えます。

「Bランク以上になっていない人は、あの石柱の外に出ないようにしてください。石柱の外は、魔物の巣窟です。そうですね。『降魔の森』だと思って頂ければ幸いです。この建物から離れれば離れるほど、放し飼いになっている魔物のランクも上がっていくと考えておいてください。

石柱の外側に出る時は、皆さんに最初に渡した『帰還の腕輪』を必ずしていってください。…」

10分ほど部屋の説明をした後、いよいよ戦闘能力の確認です。

「まずはケイトさんからですね。では始めましょうか。」

こうして、全員の戦闘能力の確認のため、1試合ずつ私と智美さん、毅とでカラリスさん以外の10人とやりあう。

結果。

地面に這い蹲っているのは、浩太たち7人。『炎帝の鉾』の3人は、ガクガクと両足を震わせながらもしっかりと立っている。

1対1では、光莉はおろか、「少し運動してみようかのう」と言って、参加してきたお爺ちゃんこと元校長先生にもコテンパンにされる7人。『炎帝の鉾』の3人は、かろうじて勝ちを拾うが、持っていた武器はボロボロにされてしまう。それも木剣を持った相手にだ。武器の性能云々の前に、明らかに基本スペックが違うのだ。

それではとはじまった多対1での団体戦。こちらも光莉たちの圧勝で終わる。

「大体の戦闘能力は解りました。時間もたっぷりとあるので、ケイトさんたちを含めて全員、しっかりと戦闘訓練をしましょう。」

息1つ上がっていない私と智美さんと毅。テラスにある椅子に腰かけ、お爺ちゃんと共に雑談をしながら見ていたカラリスさんは、冷たい汗を流している。

こうして始まった戦闘訓練。

基礎の基礎から叩き直される浩太たち7人。基礎はしっかりとしていた炎帝の鉾3人は、苦手としていた魔法戦をしっかりと叩き込まれた。保持している魔力量が少なく、あまり魔法の際に秀でていなかった3人にとって、この訓練は渡りに船だったのだ。Aランク以上を目指すならば、今のままではだめだと3人とも悟っていたらしい。

稔、博嗣、孝則を加えた6人体制となった『炎帝の鉾』。パーティメンバー全員が、それぞれの得意分野で互いに協力し合う戦い方を教え込まれ、室内時間で1年が経った頃には、室内の奥深くまで攻略する事に成功するのだった。

まず全員の躰に叩き込んだのは、総合格闘術である『今上流格闘術』。体の隅々まで印上流格闘術を馴染ませれば、近距離・遠慮離問わず、全ての武術に対応することが出来る。また、初見の武術であっても、段持ちならばその武術を吸収、発展させることも可能だ。つまり、習得時の名称は同じでも、時がたてば今上流格闘術は、扱う者によって全く違う流派になってしまうのだ。実際、同じ師範である私と毅、智美さんとでは、本流は同じでも細部は全く違う形になっている。

そして、時が経ち(…と言っても、現実世界では部屋に入ってからまだ380分しか経過していないのだが)、降魔の森の最深部で行われる卒業試験じゅうりん。前回同様、湖の湖畔に本部を置き、冒険者パーティ『炎帝の鉾』と対峙している私と智美さん。そしてこんかいの卒業試験じゅうりんの内容はと言うと。

「今回の卒業試験じゅうりんは、パーティ戦ですので、この森に生息している空飛ぶ蜥蜴ドラゴン全種類制覇コンプリートしてきてください。制限時間は、今から40時間としましょう。

それでは、はじめ!」

開始の合図とともに、森の中にかけていく『炎帝の鉾』。私と智美さんは、前回同様、湖で釣り対決です。狙う獲物は、当然剣魚ソードフィッシュです。餌となる岩蚯蚓ロックワームを捕獲するため、2人で岩場のあるエリアに瞬間移動テレポートします。

ちなみに、降魔の森にいる空飛ぶ蜥蜴ドラゴンは、前回私と智美さんが狩った事のある天空竜ウィンドドラゴン火炎竜ファイアードラゴンの2種のほか、雷帝竜サンダードラゴン嵐帝竜ストームドラゴン氷帝竜アイスドラゴンの3種の計5種です。

…そして、約30時間後、満身創痍な状態で、『炎帝の鉾』のメンバーが帰ってきました。ちゃんと色違いの5匹の空飛ぶ蜥蜴ドラゴンと、途中で襲ってきた多種多様な魔物を狩ってきています。これで見事全員が、SSランクに昇格しましたね。

ちなみに、私と智美さんの釣り対決の結果は…光莉30匹、智美さん28匹で、私が勝ちました。



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