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異世界惑星テラフォーリア冒険記~異世界で龍神の神子になりました~  作者: ai-emu
【第2章】冒険に出よう!①~戦闘力を上げよう!~
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(4)グロテクスな魔物は、どうも新種だったようです

パーティメンバーは、練習相手ラリアークたちを殲滅できたのは、太陽が西の空に沈むころだった。今から走って行っても閉門時刻には間に合わない。

「智美さん、”何処まで行く”?」

「”何処までとは”どういう意味かな?光莉ちゃん?」

「今からだと、たとえ走って行っても、閉門時刻には絶対間に合いませんよね。だから瞬間移動テレポートしようかと。その行先を、何処にするかと言う相談です。」

「…あ~~。たしかに、ここまで来ると閉門には間に合わないかも。すでに閉門している可能性もあるわね。だったら直接町の中でいいんじゃない?」

「そうですか?急にこの人数が現れると、何かと問題が起こりそうなので、屋敷の庭にでも瞬間移動テレポートしますね。

それでは…、『瞬間移動テレポート』」


パーティメンバー全員を引き連れて、カランにある屋敷じたくに戻ってきました。

こんばんわ、でいいのかな?今宮光莉です。

私が買い取った『元宿屋兼食堂の建物』は、これから『屋敷』もしくは『自宅』と呼ぶ事にします。

「あの程度、殲滅するのに時間がかかりすぎです。これでは遠征実習に出れません。」

一旦ギルドに足を向け、殲滅してきた魔物の素材を買い取ってもらいます。私と智美さんが殲滅した全身無傷なラリアーク30匹は、死体の状態がすこぶるいいそうなので、1割アップの1匹当たり11万テラで売れた。これは、ほとんどと言うか、全て智美さんが倒したので、討伐報酬33万テラ(金貨33枚)は智美さんの総取りだ。智美さんは、これでAランクにギルドランクが上がった。

みんなが倒したモノは、状態が悪かったのでこちらは5割ダウンの1匹当たり5万テラ。

あのグロテクスナなりをした仮名『ドリルスネーク』は、どうも新種の魔物らしく、詳しくは知られていないらしい。その事で、ギルドマスターに呼ばれてしまった私と智美さん。仮名ドリルスネークを倒した時の事を詳しく聞かれたので、どうやって倒したのかを詳しく教えました。

「地下を、全力疾走しているラリアークとほぼ同じ速度、いや、仮名ドリルスネークこいつの方が、若干速かったかな?で進んでいました。こいつらの魔の前にある地面と私たちがいた10メートルほど手前の上空との空間を、空間魔法で繋げて空中に固定してから殲滅しました。」

「空間を繋げた?」

「はい、地下から来られると、何かと大変でしたので、空中に引っ越してもらいました。」

「…ところでヒカリちゃん。」

「なんでしょうか?」

乾いた笑みを浮かべながら私に報告を聞いていたギルドマスターが、話を変えるべくこんなことを聞いてきました。

「光莉ちゃんは空間属性の魔法が使えるようだから、こんな倒し方が出来たとは思うが、もしかるに、空間魔法が使えなかったとしたら、どんな倒し方をした?」

「ん~~、そうですね~。力技になると思いますが…。」

「力技?」

「はい、まずは、あの先端のドリルでも貫く事が困難なほどの固さの壁を、あいつの全方位に設けます。」

「つまり、地属性魔法で、地面の性質を変化させるんだね?」

「はい、その通りです。その後は、その壁に中の土を抜き、代わりになみなみと水を湛えて溺死させる。どんな生物だろうとも、呼吸が出来なければ窒息死するだけですので、それを狙おうかなっと、これが1つ目。

2つ目は、どうにかして地上へ引きずり出してから、再び地下に行けない様に何かしらで固定してからフルボッコと言う所でしょうね。こちらの案の時は、真っ先に先端のドリルを使用不能にしないといけませんがね。

まあ、こんな倒し方でいいでしょうか?」

「…、そうだなあ、その2つが確実か。しかし、あのドリルに貫けない固さとなると、どのくらい固いのだろうな?」

「それは何とも…、こんな質問を受けるとは思っていなかったので、実験していませんから。」

「ああ、ごめん、ヒカリちゃん。

ところで、こいつ、カランに近くにまだいると思うか?」

「それはなんとも。魔物がどのように繁殖しているのかも知りませんし。こいつの生態も、新種らしいので何も解っていません。まあ、これだけに数が纏めていた事を考えると、何処かには必ずいますね。仮に、この町に襲ってきたとしたら、…考えるだけでも嫌な結果しか思い浮かびません。」

「そうだ。それが一番の懸念事項だ。なんせ相手は、空からくるわけでも、地面を走ってくるわけでもなく、地下から忍び寄ってくる奴だ。どんなに防御を固めても、こいつに襲われたら無意味だ。今まで、何処の町も、こいつに襲われていなかった事が奇跡に近いな。

早急に対策を考えないといけない。アリサ、こいつの事を資料に纏めて、早急に全ギルドに廻してくれ。…、そうだった。ヒカリちゃん、新種の魔物は、発見した者が名を付けれる権利がある。どんな名前にする?」

「今まで、仮名で『ドリルスネーク』と呼んでいたので、それでいいでしょう。」

「じゃあ、こいつの中、今より『ドリルスネーク』だ。脅威からしてSSランクが相当だろう。ヒカリちゃんは、こいつを10匹も倒してくれたんだ。ギルドランクも当然SSランクに上がる。討伐報酬は、…これからの脅威も考えて、2億テラだな。討伐報酬も含めて全ギルドの廻してくれ。」

「畏まりました。」

ギルますに指示された内容を纏めるべく、アリサと呼ばれた黒髪の少女は、作業をすべく部屋を退室した。

「さてと、…ところでヒカリちゃん。」

「なんでしょうか?」

ドリルスネークこいつが通った軌跡、と言うか航跡は解るか?」

「どうでしょうか?でも、あの巨体が地面を掘り進んでいたことを考えると、地下にはそれらしい跡が残っているはずです。それを調べるとなると、骨が折れそうですがね。」

「あとは、地下の脅威に対し、どれだけ町の防御を上げるかだが…」

「それは何とも…ただ濠を深くすればいいという問題でもありませんので。」

「まあ、そこら辺はこれからの協議次第だから、ヒカリちゃんには、あまり関係のない話だが、何かあった時は協力してくれ。」

私は、またしても使い切れないほどの大金を手にしてしまった。今度は20億テラですよ。日本円にして約2000億円!何処かの小さな町ならば、年間の予算額に匹敵するんじゃないでしょうか?12歳の子供の小遣いとしては少々どころか明らかに多すぎます。

さらに新種の魔物を見つけたという報奨金が、10万テラ貰いました。


冒頭に話は戻り…


「魔法はともかく、一部を除いて武器の扱い及び、体捌きがなっていません。これは特訓が必要ですね。」

「光莉君、何故それは必要な事なのか?」

お爺ちゃんがそんなことを聞いてきます。

「お爺ちゃんは、町の中で暮らしていくのであまり必要はないかもしれませんが、それでも最低限の体捌きと剣捌きくらいは身に付けておいた方がいいです。町の中にいても命の危険がある魔物もいますし。

お爺ちゃん以外は、今のところ冒険者を仕事としていく予定でしょ?だったらなおさら身に付けておかないと、『死亡するリスク』を減らすことが出来るのは、他人ではなく自分自身なんですよ。」

光莉の、当たり前のようなそうでないような論理を言われ、思わず納得する。

「それから、何度も言っていますが、『ここはもう、あの平和ボケした日本』ではありません。何時、命を狩り取られても、文句が言えない世界です。当然、私たちの方から、誰かの命を狩り取らなくてはいけない時もあります。

日本あちらでやっていたVRMMORPGソクラテスの世界そのものなんですよ。

ソクラテスあのセカイにもいたように、当然この世界にも、盗賊の類はいるでしょう。あなたたちは、彼らに出会った時、躊躇なくその命を狩り取る事は出来ますか?狩り取る事は出来なくても、無力化して近くの町まで連行するだけの『力』はありますか?」

光莉の問いかけに、黙り込む面々。たしかにこれから先、闘っていくのは魔物だけではないはずだ。

こうして私たちのパーティメンバーは全員、暫くの間依頼は受けずに、戦闘訓練をするのだった。

身に付ける武術は、古来から脈々と受け継がれ、さまざまな武術・格闘術・剣術などを取り込み昇華させてきた古武術『今上流格闘術』。

今この古武術の歴史に、新たに魔法と言うファンタジックな要素が付け加わり、テラフォーリアで最強の格闘武術の1つにのし上がろうとしている武術だ。

基礎の型(防御系50・戦闘系50・各武器に対応した型100)をすべて覚えるのに約1カ月かかり、全ての型を完全に体になじませるのに、さらに3ヶ月ほどかかる。ある程度戦闘らしい形に持っていけたのは、訓練を初めて約半年の月日が流れていた。

そして、今日は最終試験の日。試験会場は、コロラド王国の北東に広がる森の中です。『降魔の森』と呼ばれている場所です。

今日1日で、『Aランク以上の魔物を10匹、無傷で仕留める』と言う試験内容に、初めは皆難色を示したが、光莉自身が、Aランクの魔物である『ワイバーン』を、2時間ほどで10匹以上狩ってしまった。それも無傷で。魔法を使ったのは、空飛ぶワイバーンを地面に縛り付ける時と、1対1で闘うために近づけさせないようにしていた時のみ。あとは、その卓越した剣技と体術で仕留めてしまったのだ。みんなは、光莉の戦い方を見て考えを変えた。

現在、光莉が使用している武器は、オリハルコン製の日本刀。この世界に、日本刀があったこと自体驚きだが、過去に落ちてきた日本人鍛冶師が、テラフォーリアに来て、日本刀を広めたのだろう。

一番最初に購入した鉄のショートソードは、光莉の魔力には合わなかったらしく、数回の戦闘で粉々に割れてしまった。そして2代目となるこの刀は、光莉の魔力との相性もいいらしく、光莉が振るうたびに、凄まじい威力を発揮する。先ほども、刃長の10倍はあるワイバーンの首を、一振りしただけで斬り落としてしまった。

光莉は殲滅したワイバーンを空間収納ストレージにしまうと、皆の方を向き宣言した。

「これから今上流格闘術最終試験を始めます。これに合格すれば、とりあえずは初段の腕前くらいはありますね。ワイバーンを倒せとは言いませんが、Bランク以上の魔物を1人で最低5匹は倒してきてください。期限は今から50時間以内です。

では、始めてください。」

光莉の開始の合図とともに、卒業試験じゅうりんが始まった。

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