プロローグ~異世界への誘い~
どこまでも続く漆黒の闇の中、一際明るく光が発せられた。
光速に近い速度で、数重の塊は光の中から吐き出され闇の中を突き進んでいく。突然塊は、5つに分裂しそれぞれの航跡を形作って、幾重にも別れ、一直線に闇の中を進んでいく。幾重にも別れた光の塊は、やがて闇に溶け込むように次々と消滅していた。
それはまるで今生の別れのように、次々と大きな塊から分かれていく。
塊の一つは、闇の中をまっすぐに進んでいき、漆黒の闇の中に存在する唯一の星系の中にある、水を湛えた惑星の一つに突入していく。塊は、惑星の大気圏に突入するとさらにいくつかに分裂して、惑星にある大陸の各地へ別れて降り立っていく。
分裂した塊のいくつかは、惑星の大地に降り立つことなく、大気圏で燃え尽きてしまうものもあったが、運よく大地まで到達したモノもあった。
「また、何かが落ちてきた…。この近くには、1つだけ…。」
その光景を目で追いながら、一人の少女が呟いた。
この大地の名は『テラフォーリア』
世界の歪の中に存在する、唯一の“生命が存在できる惑星”
神話の時代、1人の神が、最初に漆黒の闇に落とされたことに端を発する。
時代は流れ、6つの神の御霊を宿ることが出来る者たちが、この地に降り立つ。
最強の名を持つ神を宿す事になる少女は、その気はなくともその名とともに、テラフォーリアに君臨していくのであった。