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モブキャラが主人公に成るためには?  作者: 醍麒
【第一章】初戦
9/47

決行の日

「おいっ。中庭でケンカだってよ!」


「はっ!?誰がだよ?」


バタバタ。


業後。そんな会話が廊下を流れ、流れ次第に全生徒に伝えられた。


「鈴木健生(脇役)」VS 「水蓮剣舞(主人公)」の前代未聞の決闘。・・・否。下剋上情報が。


ガヤガヤ。

窓という窓は全て埋り、外にも人がぎっしり。

それら全ての人が観客であるのは説明するまでもない。


「言っとくが俺はお前と闘う意味すら未だに分かっちゃねぇんだからな。」


「分かってるよ。どうせこの後も婀姫さんの護衛とか言ってイチャイチャするんだろ?」


「何言ってんだ。馬鹿かお前は。俺だってやりたくてやってるわけじゃねぇんだからな。」


「うるせー。主人公は皆そう言うんだよ。黙れ。リア充。」


「んだと。お前。こっちが穏便に話し合いでこの事を収めようとしてやってんのに。」


「そんなの大きなお世話だ!僕はお前を倒す為に

この貴重な一週間、血や涙の(嘘)修行をやってきたんだ。」


「はぁ?知るかよ。そんなこと。こんな闘いに何の意味あんだよ。無意味いがい何もないだろ?」


なぜ?こんなやる気のない剣舞がこんな僕が主催した決闘地にいるか?



時を遡ること30分前程。


六時限目の授業の終わりかけ僕は緊張していた。


遂に今日だ。今日が人生最大の別かれ道だ。


『モブ』か「主人公」かの。


しかし。考えた。僕はやる気十分だが剣舞の方はどうなんだ?


チラリと剣舞の方に目を向ける

実際のところ、この僕が主催するこのバトル。

僕の方にこそメリットや利点はあるが、剣舞の方には何一つメリットも利点もない。

負けたら『主人公』という看板を盗られるわけだし。勝っても『主人公』の上の存在になれるわけでもないのだ。


絶対に受けてはくれない。


したら、どうやって剣舞にバトルの交渉を承諾させるか?


う〜ん。


僕は本来、そっちを優先させなければならない数学の問題をそっちのけで「剣舞とどうやったら勝負が出来るか?」を真剣に考えた。


考えること数分。

結論は導き出された。


それは、なにも剣舞に馬鹿正直に「殴りあおうぜ。」などと言わなくてもいいんじゃねぇ?という単純な発想だ。


いや、別に僕は剣舞に「殴りあおうぜ。」 とか言わないよ。

ただ、そんなような「果たし状」とか 「挑戦状」を書いて送ろうとはしたよ。

絶対、この後こいつ『主人公』の仲間になるやつじゃん。てな感じで負けた時の保険もかねてね。


でも、僕はそれをしなかった。


だって、『主人公』剣舞がその「果たし状 」を見てはたしてどう思うだろうか?


「果たし状」だけに「はたして」。なんてつまんないことは言わないよ。偶々だよ。たまたま。


して、僕は考えた。嘘の情報を流し、剣舞を指定した場所に呼び出してみては?と。

そしたら、剣舞は何の警戒も疑いも持たずに指定場所に足を赴けるだろう。

場所に来たらもうこっちのもんだ。現に剣舞は今、逃げだせれない状態にある。

この「ギャラリー」どもによって。


これも僕の狙い通り。わざと後輩に剣舞に

「中庭で先生が話があるから放課後中庭に来てください。とのことです。」などと言うように頼んだのだ。


何?


僕にそんな頼れる後輩がいるのか。だって?

言ったじゃんか。話友達くらいはいる。って。

最初の方でね。後輩にも話せる奴はいるよ。

男だけどね。


で、話を進めていいかい?


僕は後輩にそれを頼むためにわざわざ教室で彼を呼び出してもらった。

「◯◯いる?」

みたいにねっ。


そうなれば彼は話のグループの中から急きょ脱退しなければならない。


話を終えると彼に当然かどうかは知らないが彼が話していたグループの誰かが「何の話だよ?」みたいなことを大半は聞く。

今回はその大半に部類されたらしい。


よかった。よかった。まず彼が誰かと話していてよかった。

じゃなければ僕の「剣舞君を自然に誘導作戦」が

台無しになってしまう。


ネーミングセンスはほっといてくれ。

ここまでお付き合いしてくれた方々にはもう僕の残念さは十分に理解して頂いているはずだ。

そして、この無駄話のウザさも。理解して頂いているはずだ・・・よね?

そして、この唐突に話を戻すテクニックも。理解して頂いているはずだよね?


僕は後輩に言った。敢えて。

「これはお前の友達に聞かれたら話してもいいが絶対に剣舞にだけには話すなよ。いいか?僕は放課後剣舞と己の称号を懸けて一騎討ちする。」


僕は演技力たっぷりに秘話をうち明かすように後輩に言った。


「一騎討ち?ってあの剣舞(主人公)先輩とケンカでもすんですか?馬鹿なんですか先輩は?」


当然と言えば当然の返答だ。

少し頭にきたがここで逆上しては後輩はこの話を

冗談と受けとるだろう。

だから、ここは真面目な顔で

「あぁ。まぁな。自分だって馬鹿だとは思うよ。

でも、約束したんだ。十四歳の歳を迎えたら絶対に『主人公』になるって。 今は亡き婆ちゃんと(大嘘)」


僕の渾身の演技を一人の後輩に披露する。なんか空しい。 しかし、その甲斐があったのかどうなのか。


「先輩?怪我はしないようにして下さいよ。」


信じて貰えたのだ。

更にそいつはグループに戻りヒソヒソと話してるではないか。 計画が進みすぎて恐い。恐い。


更に計画は順調に進み。

剣舞は騙され、のほほんと戦場に登場する。

噂は広まり。観客は集まり剣舞の逃げ場を防ぐ。

恐い。恐い。恐い。


しかし、ここまでは計画通り進んでる。いける。


「剣舞。」


僕は人差し指を立てて剣舞に向ける。かっこよく。


「僕は今日お前を倒して『主人公』になる。」


しかし、この観客の数は僕も想定外だった。

何せ全校生徒が集まり見に来ているのだから。


バタバタ。

また、誰かが加入してきた。僕は何気なく足音の方を眺める。

おい。おい。いつの間にか教員も集まっているではないですか。


僕はとんでもないことをやらかしてしまったんじゃ(汗)



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