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モブキャラが主人公に成るためには?  作者: 醍麒
【第一章】初戦
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第一の主人公

前章での最後に「打倒主人公!」等と罵り上げたが、あれは単なる一種の気の迷いと言いますか?

なんと言いますか?

とにかく僕は現実に戻ったのだ。冷静に考えたのだ。

無理じゃね?


と。


だって、そうだ。いきなり僕みたいな『モブ』が少なくとも人並み以上の力を有している者に勝てる筈がない。

分かりにくい例えかもしれないがこれはようするにスライムが魔王に挑む位の難易度なのだ。

それに気付いたのは学校の教室。当の主人公が毎朝の恒例行事のようにヒロインとヒソヒソと内緒話をしているのを見てからだ。


ここで一つ。この世界の。いや、この学校の主人公の紹介をしよう。あまり乗り気はしないが。


今まさに目前でヒロインといちゃついている憎き主人公。名を水蓮剣舞(すいれんけんぶ)と言う。

もう名前からして主人公だ。剣舞とか格好よすぎ。ちゃんと由来もあるらしい。

確か「剣のように強く逞しく優しく綺麗に舞うような子になって欲しい。」とかだった。


負けた。


名前は主人公の圧勝だ。


そんな主人公。剣舞はヒロインに遭うまでは 僕と同じような生活ライフを送っていたらしい。

まぁ、そこで偶然とか言いつつも意図的に仕組まれてヒロインに遭うのが主人公。

ヒロインに遭ってしまったらもうそこで非日常的なリア充ライフの始まりだ。

妬ましいことこの上ない。


主人公にも色々と種類がある。


「恋愛系。」

「バトル系。」

「ミステリー系。」

「ギャグ系。」

「スポ根系。」等等。


まぁ、もっと種類はあるだろうけど言ってたら霧がない。

そんな数多くの主人公の中で彼、剣舞は「バトル系。」に部類される。


アメリカから来たという美少女ヒロインを護衛するということを約束してしまう剣舞はヒロインを狙ってくる刺客等を倒しながら力をつけていく。

武器としては日本刀を使っている。


これがバッサリとした剣舞君の紹介だ。

何?バッサリしすぎ?

大丈夫、次のヒロインの紹介で大体は分かるから。 多分(汗)


さて。ではヒロインだ。 名を安城婀姫(あんじょうあき)と言う。

しかしこれは剣舞が勝手に付けた名前であって本名はセフィア・ハールメイド。

先程の説明で少し出たがセフィアはアメリカ人だ。アメリカ人で大統領の娘。それがセフィア・ハールメイドの素性。


そしてセフィアにとって忘れがたく恐ろしい出来事があの日起きた。

セフィアの父親は愚か母親も叔母も叔父も父に仕えていた秘書までもが一夜にして全員殺されたのだ。秘密結社の暗殺集団はセフィアの一族の血筋を途絶えさせようとしていた。

セフィアは世話焼きであった優しき執事に命からがら秘密りに開発されていた時空転送機で日本へと送られた。


その後、執事は一人残り暗殺集団がセフィアを追えないようにと転送機を壊す。が、暗殺集団の餌食となってしまう。

日本に送られたセフィアはたまたま剣舞に出逢う。行く場所がないセフィアは現在も剣舞と同居中。

一緒に住むことには当然両親の承諾が必要。

そこで剣舞はセフィアは自分の恋人で両親が共に死んでしまい親戚もいないから一緒に住みたいと嘘を付き両親をどうにか説得。

セヒィア・ハールメイドという名は言いにくいことから剣舞は安城婀姫という名を与えた。


そんで、どこからか入手したのか謎の秘密暗殺集団はセフィアが日本にいるという情報を入手する。集団はセフィアを殺そうと何度も何度も銃口やナイフの刃などをセフィアに向ける。

そんな集団からセフィアは剣舞に護られている。

と言ったのがヒロイン。


そんな主人公とヒロインの間にもう一人と人物がいた。


東坂防(ひがしざかぼう)と言う剣舞の親友で事の事情を唯一知ってる者だ。


防は運動神経が良く剣舞と共に修行なんかをして共に婀姫を護っている。密かに婀姫に想いを寄せているのは秘密だ。


そんな三人を中心に一つの物語が進められているのだ。のだ。のだ。


のだ?


「のだ。じゃねぇー。何が主人公打倒。何、僕は主人公キラーみたいなことしようって格好付けてんの?無理。無理。無理。勝てるはずないじゃん。」


改めて僕が初めに倒そうとしていた主人公の履歴を語って再度知った。


第一。主人公(あいつら)が皆からなんて呼ばれてるか知ってる?


ナイトパーティーだよ。 ナイトパーティー。

ナイトって別に夜って意味じゃないよ。

面白くない?まぁ、そう言わずに聞いて欲しい。


ナイトってのは騎士って意味であって、そのまんま。騎士のチーム。

剣舞の「剣。」

防は守ること。守る物といったら「盾。」

で、騎士(ナイト)が守るものは婀「姫。」

で、ナイトパーティー。


しつこいようだが往生際悪くまた言わせてもらおう。


「無理!!」


騎士にスライムが向かっちゃダメ。

それもレベル30そこそこの。


僕は僅か二章で自身の目標を諦め、一時間目の授業を受けることにした。そんな無責任な事も『モブキャラ』だからこそ許される。

これはこれで『モブキャラ』の唯一の特権で能力なのかもしれない。



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