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昔話~始~

天野流。その名前は母親でもない。父親でもない。親戚でもない。


祖父。


おじいちゃんに付けられた名前。

でも。今から話す話に名前の由来とかは一切関係無いんだけどな。

だが。まぁ。次いでだから言っとくと俺の名前。天野流という名の由来は天野川みたく綺麗に清らかに流れていくような人生を歩んでほしいとか。そんなダジャレみたいなもん。なんだと。


あぁ。だから今から話す話に名前は関係ないんだ。受け流してくれ。


なら何でそんな話を前置きに話しているかって?

名前は確かに関係ない。ただその名付け親。

じいちゃんに関係ある話だから。一応話ておいた。

長くなったな。じゃぁ。聞いてくれ俺の下らない人生の始終を。


*********


「ねぇ?流は高校どこ受けんの?」


そう口にしたのは俺の幼馴染みであり何かと付いてくる下川沙窪(しもかわさわ)であった。その名の通り爽やかな女の子だ。

名前の由来も似たようなものだったと思う。

俺達は成瀬中学校(なるせちゅうがっこう)内の校庭に設置してあるベンチで昼食を食べていた。


本来は給食なのだがこの時は偶々給食費用に誤算が生じ弁当になったのだ。


「俺は奔博(ほんばく)かな?」


俺は弁当の卵焼きを口に運びながら言った。


「奔博か〜?あそこ秀才の集まりって聞いてるよ?流 本当に入れんの〜?」


馬鹿にするように沙窪が言う。


「うっ、うるせー。俺はまだ自分の才能の一部しか出してねぇんだ。そう言うお前はどこ行くんだよ?」


「私?私も奔博かな?流より頭良いし。(笑)」


「んだと!!俺が受かってお前が落ちてもしんねぇからな!!」


「それは無いよ。絶対に。逆はあると思うケド?」


沙窪は流の弁当箱からカリッカリッに揚げられた海老フライをかっさらい言った。


「あっ!俺が最後までとってた海老フライ!!お前ー。許さねぇ。」


俺は箸を手に沙窪の弁当箱に向かう。

向かう先は同じく揚げ物。唐揚げだ。


バッ!

と向かい。


ガシッ!!

と掴み。


パクっ!!!

と頂く。


「ん???」


唐揚げを口に入れた瞬間、口一杯にとろ〜りとした食感が広がった。


「やっぱ。馬鹿ね。あんたが取ったのは唐揚げは唐揚げでもチーズ入り唐揚げよ。」


「???」


俺は苦渋の表情で何とかそれ。チーズ入り唐揚げを咀嚼して胃に流す。即座にベンチに置いてある紙パックのジュースを手に取り、口を潤す。


別にチーズ入り唐揚げが不味いわけではないと思うが。俺はチーズを始めとする乳製品が大の苦手なのだ。それでも吐かずにちゃんと食べたのは食べ物を粗末にしたら駄目だとじいちゃんの教えからだった。俺は幼い頃からのじいちゃんっ子だった。


「プハッ。」


紙パックのジュースを全て飲み干し俺は流星が如く沙窪に早口で捲し立てる。


「テメェ。俺がチーズ嫌いな事知っといてわざとそれ残してやがったな!」


そんな俺の怒りに対して沙窪はサッパリとした満面の笑みで切り返す。


「うん。そうだよ。」


プチっ。


俺の怒りの制御していた何かがふっ切れた。

のと同時に。キーンコーンカーンコーン。

盛大な鐘の音が学校中に響き渡った。


「やっべ。沙窪、急げ遅刻するぞ。」


沙窪に対する怒りが綺麗サッパリと無くなった俺は沙窪がいるであろう場所に目を向ける。


「ってもういねぇし!!」


見ると沙窪は俺より遥か先で走っていた。


「テメェ。ふざけんなよ。」


そう言って俺も全力で足を踏み入れたのだった。



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