「俺達の闘いはまだ終わってねぇ!」とかいうのは定番な終わり方なのか?
あの日から一週間と月日が流れた。体の筋肉痛は無くなり今や普通に立って動ける。
「ムフ♪」
僕は今、一週間ぶりの廊下を顔をニヤケさせながら歩いていた。
皆が僕を見ている。皆が僕に注目している。
そんなんだから僕の顔のニヤケ度は一層酷いものとなっていることだろう。
人の噂は七十五日と言う諺がある。
だが、実際には人の記憶なんか一週間もあれば薄れ次第に消えてしまう。しかし、僕が皆の脳に刻んだ記憶は未だ誰一人として忘れられてはいなかった。
そういえば。皆には僕は剣舞と引き分けたことになってるんだよな?ということは僕は未だに『モブ』なのか?
それとも。もう『主人公』に成ってたりして。
さすがにそれは無いかな。
まぁ、いいや。今日を過ごせば分かる筈だし。
そうこう考えているうちに僕は自身の教室に到着していた。
ガラッ。
僕は敢えて顔を普通の表情に戻して扉をスライドさせた。
バッ。
予想通り。教室の皆はそれまで交わしていた話を中断。それまで取り掛かっていた宿題を中断して一斉に僕の方へと視線を向けた。
分かってる。分かってる。
それから「ワーッ」って皆が僕の周りに集まるんだろ?
分かってるって。分かってる。分かって、、、、、、ん?
おかしい?何で来ない?もう僕は席に座っちゃってるよ?
「おっ、おいっ。鈴木?」
そんな事を考えていると一人の男子生徒が声を掛けてきた。
やっときたか?焦らしやがって。全く。
「ん?何?」
僕はいかにも自然な素振りでその声を掛けてきた生徒に聞き返した。
しかし。その生徒は何故か言いたくなさそうな表情を浮かべている。
時間を少し置いてから生徒はようやく口を開いた。
「お前。学校から何か聞いてない?」
「何って何が?」
まさか全校集会で「君は見事『主人公』剣舞を倒し頭書の成績を修めたのでここに『主人公』への引導を受け渡す。」
みたいな事をするのか?それを聞いてないか?と彼は僕に聞いているのか?
「やっぱ。知らなかったんだ。」
「だから。何がだよ!」
僕は彼の焦らしに段々と我慢出来なくなってついつい大声を上げてしまう。
「鈴木。お前今、謹慎中だぞ。」
彼は静かに言った。
「へっ?」
えっ?何て今言った?近日中?
「いや、だから。謹慎中だって。見てみろよ。今日は剣舞もいないだろ?次いでに婀姫さんも防も。剣舞も今は謹慎中だ。」
へっ?へっ、、、、、
「えーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
僕はようやく彼の言ったことを理解した。
「えっ、マジで?あの時は教師も全員身を乗り出して僕らの決闘、眺めていたじゃん!えっ?何で??何で?」
多分。これは僕がこの学校生活で初めて見せる動揺だろう。だが、恥ずかしいとか言ってられない。
というか今そんなのどうでも良かった。
「ちょっ、落ち着けよ。」
彼は僕を落ち着かせようと「まぁ、まぁ。」と手を動かした。
「何かあの時は教員達もテンション上がりすぎて盛り上がっていたけど冷静に考えたんだとよ。あれってただのケンカじゃね?って。」
は?
今や僕は口を大きく開けてその字の通りに阿呆な面になっているはずだ。
「まぁ。とにかくだ。お前の勇姿は俺達は知ってる。ゆっくり体を休ませとけよ。」
グッー。
彼は話の最後に親指を立てウインクを決め去って行った。
硬直する僕を残して。
「うっ…。嘘だろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
僕の声は教室。
いや、最後くらい敢えて大袈裟に言っとこう。
僕の声は学校中に響いた。
********
結局、僕はまだ『主人公』に成れていない。
はぁ〜。結局、人間どう足掻いても自分の与えられた役職は代えられないのか。
うぅぅぅ。
嫌々。何を僕は弱気な事を言ってるんだ。まだ諦きらめるか!!せっかくヒロインも出来たことだし。
次こそは絶対に『主人公』に成ってやる。
しかし。初めての闘いで僕は『主人公』は愚か『モブ』という地位まで取られてしまった。
次は『主人公』と闘えるかどうかも不安だな。
まぁ、しかし。章の終わりだ。バッ。としめちゃいますか。
僕が『主人公』になる日は近くもないが遠くもないだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・
どう?全然ダメ?
分かったよ。言い直すよ。
じゃぁまた皆。次の舞台で会おうぜ。
こんなんで終わらせて貰いますよ。取り敢えず、、、、、、。
まだ『モブ』だから分かんないんだって!こういうの!!
(第二章に続く)
はいっ。第一章完結です。
読んでいて下さっている方々、本当にありがとうございます。
さて、次なる第二章ですが次は今 流行りのゲーム系の話を考えています。
勿論、『モブ』を中心とした話にしていきますので
どうか宜しくお願いします(__)