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モブキャラが主人公に成るためには?  作者: 醍麒
【第一章】初戦
10/47

「主人公」だから・・・

前説。

この章は本当の「主人公」剣舞君の視点からお送りいたしますのでご注意下さい。


尚、剣舞なんか「嫌いじゃー」という方は この話を飛ばしてお読み頂いても話は繋がりますのでご安心して下さい。ですが、多少この話も物語の重要部ではありますので出来る限りお読み頂くことをお勧めします。

失礼な物言い誠に申し訳ございません。


********


んだってんだ。俺は中庭で先生が話があるつーから中庭(ここ)に来たんだが。

今じゃその先生すら見物の傍観者になってやがる。


大体なんだ?鈴木は?別段、俺に恨みがあるわけでもないのに俺を倒す?

訳が分からん。思い至ることがあるとすれば二週間前に不良三人ぐらいに絡まれていたところを助けた程度か。

たしかあの時、彼は泣いていた。あの涙は恐怖でないとすれば・・・・嫉妬か?

あの時、俺が助けたことで彼は己の力量と俺の力量を対比したんだ。


そうか。


あの時、彼は磯垣と一緒に[かつあげ]されてたと思っていたがそれは俺の勝手な妄想だったのか。あの時、彼は自分で磯垣を助けに行ったんだ。

だが、勝てなかった。そこで俺が登場した。

成る程。成る程。

これは悪いことをした。これじゃぁ まるで俺が彼を馬鹿にしに現れたみたいではないか。

なら、俺は彼のこの茶番に付き合ってやる義務がある。

俺は決意を胸に。目を鋭くしてこう言った。


「分かった。君の勝負を受けよう。ただし。どんな勝負も受けるが俺は手加減するつもりはない。それを分かってもらいたい。」


いい?当たり前だ?


「いい度胸じゃないか。」


俺はそうは言ったが何か違和感を彼に感じていた。


二週間前。彼にはそんな「度胸」も「覚悟」も「力」もなかった筈だ。

ならどうして彼はこんなにも自信げにいられるんだ? 何かがおかしい。

やはりこの勝負はなにがしらのゲームか?

それなら俺と彼の勝利比率は同じになる。


成る程。頭脳戦で俺を負かしてこの大人数の前で恥をかかすといった作戦か?

だが、甘いな俺はそれなりに頭は回る方だ。

鈴木が頭良いとは聞いたことはない。

残念だがこの勝負早く済まさせてもらうぜ。


そう思い俺は何故か鈴木が指名した鉄製?の椅子に座る婀姫をチラリと見る。

しかし鈴木は俺が予期せぬ勝負内容を提示してきた。 鈴木は俺に一騎討ちを挑んできた。


「はっ?」


おかしい。全てがおかしい。何でだ?あいつは馬鹿なのか? 一騎討ちだぞ。両者と両者の力と力のぶつかり合い。どちらかが倒れ「敗け」を認めるまで勝負は終らない。そんな一騎討ちだぞ。


別に俺は自分の力を過信してるわけではないが勝負は分かりきっている。

周りの観客等も鈴木を指差しゲラゲラ笑っている。完全に見せ物だ。

しかし、ここは冷静に考えるべきだ。

これまでも弱いような刺客に油断して危ない目にあったことは何度かある。

だが、俺の経験上 鈴木に何らかの「力」がついた感じはしない。

と言うことは何らかの作戦があると考えるべきか。


しかし、作戦って。何だ? まさか婀姫を人質にするつもりか?


いや。それはないか。

そんな外道で鬼畜極まりない行動を起こせば鈴木が自ら『悪役』に落ちていくことになる。

そんなこと彼は望んでないはず。

『悪役』になりたいならわざわざこんな 大勢を集めるようなことはしないはずだ。

なら彼は本当に自分の実力を認知しておきながらも俺に向かってくるというのか?そんなの意味が分からない。


分からない。分からない。分からない。


あー。駄目だ。考えれば考えるほど分からなくなる。

てか、何で俺は鈴木なんかをこんなに警戒してるんだ?今までも絶対に勝てそうにない敵や場面に遭遇しても何なりとこなしてきたじゃないか。これまで俺と防は婀姫を守る為に人並み以上の努力をしたじゃないか。


努力は人を裏切らない。


そんな言葉が確かあったはずだ。

何時だって婀姫を守る為に必死でここまできたはずだ。


婀姫を守る為。


この勝負も同じだ。

俺が敗けたら婀姫を心配にさせる。それは敗けと変わらない。俺は婀姫を守る為に勝たせてもらう。全力で。だが。安心しな殺しはしない。

気を失わせる程度だ。刀も使わない。


俺は鈴木を見る目を変えた。

これまで数多の敵と対面した時の目に。

素人だろうが何だろうが俺は決して油断はしない。

しかし、思った。


今日は刺客はこないのか?


もう黄昏時だというのに今日は一度も気配や殺気を感じていない。おかしいな。

そんなこと一度も無かったのに。俺はそう思い首を少し傾ける。

と目の前の少年が口許を緩めた。鈴木健生が意味深に口許を緩めたのだ。


一体、何なんだ?こいつは?


ある意味でこいつはこれまでのどの刺客よりも厄介な敵なのかもしれない。




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