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罰剣の和香  作者: reisawa
4/7

Virtual Battle(後)

virtualBattle(前)の続き。

俺が刀をだし終わった直後―――

 遠くの景色から轟音の咆哮が聞こえた。

「昨日戦ったばっかなんだがなぁ」

 一歩足を前にだす。

「昨日参加できなかった私の要望なの」

和香も足を前にだして戦闘準備の体制。

俺は鞘から刀を抜く。蒼い刀身が姿を見せる。

轟音は大きくなり、さらに大きくなる。それが3秒くらい続き急に鳴りやむ。

やがて鳴りやんだところから薄らと物体が見え始めた。徐々に薄い物体は色の真っ白いものへ変化していく。大きな薄紫の翼。真っ白い鱗。頭に月のような色をした黄角。あれが霊峰竜ファロックス。正直これを一人で相手に面倒だったのだ。

「先手必勝!」

和香が先に動いた。和香を見つけたのか竜は咆哮で威嚇する。ここまでくると本物みたいに感じられる。確か昨日も同じことを思ったんだよな。だから初めて戦う魔物に恐怖を覚えることもあった。仮想空間だからといっても動いているのは自分自身。本物でダメージを受けたら死んでしまうと思ったこともある。

俺がちょっと考えていたら、和香は竜の足まで接近していた。二つの刃が竜の右足部分に達する。斬撃音が聞こえ、斬ったところからは数字が浮かぶ。

452―――これは相手にダメージを当てた数値。斬りつけた右足からは血はでない。というかこの架空魔物や俺らプレイヤーは血などは一切出ないようになっている。

 和香はさらに右足に斬りつけた!

 しかし、やはり小剣だと威力が低い。3,4回斬ったあと竜から距離をとる。竜は斬られている間あまり動いていない。

 俺も動く。とは言ったものの、どこを狙おうか。右足を狙い体制を崩れさせるか?

 刀を下から空を切り上げる。

 「車輪刃!」

 自分で作った技スキルの一つを放つ。カスタム職には自分で技や魔法を作れるようになる。結構面倒な方法で作るためあまり数は多くない。

 刃の形をして車輪のように回る衝撃波。それは狙い通り竜の右足に届く。複数の斬撃音を響かせ、貫通する。

 それでもびくともしない竜。こいつは基本固いのだ。それが面倒な理由一つ目。

 竜の目が和香へ向く。大きな翼を広げ空中に浮遊し続けながら、竜の口から炎が溢れている。次の瞬間、和香がいる付近に炎の塊を放った!

 炎の塊は地面に接触し、爆発した後に、熱風を爆発のあった中心付近から出現させる。

 「余裕っと、レーゼ・フィールド」

 和香は二本の刃を目の前に交差し、翠色の障壁を出現させる。これで爆発と熱風を防ぐのだ。レーゼ・フィールドは一つの防御壁を瞬時に作る魔法。発動時間が短いのが難点だ。

 炎を防いだ和香は、竜が地上に降りた後、再び竜の右足に攻撃をしようとした。

 「連撃・旋風!」

 間に合うかな?俺はもう一回刀を下から切り上げる。

 「車輪刃!」

 和香の刃と俺が放った刃の形をした衝撃波がほぼ同時に竜の右足部分を襲う!

 「―――――ッ!?」

 和香の最初の一撃が空を斬った。続けて俺の衝撃波は空しく竜の奥へ飛んで行った。

 「結構早いな……和香戻れ!」

俺は和香へ叫ぶ。そして竜を見る。


竜全体が薄くなっている。


これが面倒な理由二つ目。ある程度攻撃を与えると竜が半透明になり、一切の物理攻撃が通用しなくなる。しかもこの時の竜の攻撃がきつい。

咆哮しながら突進してくる。和香ではなく俺に。

こちらの攻撃は一切効かないが竜の攻撃は喰らってしまう。突進はよけるしかないな。

目の前に竜が俺をめがけて迫る。

「よっと」

右に回避する。俺がいた位置に竜が空をかみ砕く。

「ちょっと翔」

「どうした?」

和香が俺の隣に来る。

「あの状態って魔法しか効かないんだよね?」

「ああ、そうだよ」

「私攻撃魔法持ってないよ?」

そうだった。和香は攻撃魔法を取得していなかった。和香は主に補助回復魔法のみを取得していたと聞いた。

「じゃ、とりあえず回避優先にして」

「翔は?」

俺は刀を鞘に戻す。

「俺は攻撃魔法があるんでね」

和香は納得をした表情をする

「そうだったね。じゃ任せた!」

「任された」

和香にそう言った直後竜が目の前まで突進しながら炎を辺りにまき散らしていた。

和香は瞬時に回避をした。俺も回避をする―――が間に合わなかった!竜の突進、左足が俺の腹部を直撃する。

ダメージを受けると端末に現在のライフと最大ライフが表示される。

「ちょ、直撃ってそんなにくらうの!?」

和香が遠くで叫ぶ。さっきの攻撃で多少吹き飛ばされる。痛みはないがライフが0になったらさっきの部屋に戻される。しかも多少のペナルティを受ける。

立ち上がり、魔法を発動する。詠唱はなしだが多少威力は期待できる魔法。

「ローズ・ブリザード!」

竜の足元から茨の氷が伸びる。茨は竜を捕捉し、棘でダメージを与える。

よく効いたのか、先ほどのまでのダメージが蓄積したか竜は右足から前へ転倒する。

同時に半透明化していた竜は元の姿へ戻った。

「一気にいくよ!」

「いや、回復くらい先にしてくれよ」

「倒した後でね」

和香は二本のナイフ交差したまま走る。竜が転倒したことで大きな隙ができている。

俺も和香に続く。二人の攻撃で決めたいところだ。

「十二連神威!」

数かは次々と竜の頭部分に切り刻んでいく。俺は腹のところで刀を抜く。和香の技が終わったをの見た後に動く。

「十六夜散華・漆黒!!」

竜の足から切り込み、腹、腕、翼、首、頭に十六の連撃をする。最後に後ろに下がりながら闇の魔法弾を放つ!これは俺の強力なスキルで、技と魔法による融合スキルだ。

俺と和香の放った技をまともに受けた竜は足から頭にかけて崩れ去っていく。

『任務完了!』という文字が空間の中央に浮かび、しばらくしてから元の小部屋に転送される。



「お疲れ―」

「お疲れ様っと」

和香と俺は先ほどの小部屋でソファーに座る。魔物を倒した後5秒たつとパーティルームへ強制的に移動されるのだ。そのあとテーブルの端末で結果が表示される。そこで入手経験値とマネー、そしてアイテムなどを受け取る。

ソファーに座って自分の端末を開いている和香が発言する。

「何かいいの出た?」

テーブルの上にある端末でさっきの結果を閲覧する。

『取得経験値75220。取得マネー500000。入手アイテム「峰竜剣・霊」』

「お、峰竜剣・霊だ」

表示された文字をみて、思わず口に出す。

「確か出にくいってやつだったよね?」

「そうそう。昨日は出なかった。今日は運がいいのかもな」

「いいなー」

「和香は?」

和香は首を横に振る。

「経験値とマネーだけ。アイテムなし~」

ちょっとがっかりしているように見える。

「まぁ、手伝ってくれてありがとうな和香」

「どういたしまして~」

その後、しばらくお互いに自分の端末でアイテムの確認や、スキルの割り振りなどをしていく。俺も防御壁を取得しようかなと思ったとき、和香が立ち上がりこちらを向く。

「一旦落ちるね。午後から買い物にいくから」

「わかった」

端末に表示されている時計は昼に近かった。

「お疲れ様~」

「お疲れ様」

和香はその場でログアウトする。俺は午後からどうしようかと考えながらログアウトを実行する。


長くなってしまったが後悔はないあとがき。


今回は初の戦闘描写を試験的に書いてます。未熟な点が多数ですが表現で来ていたら幸いです。(難しいと思うぞ?)


霊峰竜はとあるゲームのモンスターを元に書きました。わかる方はわかる。わからない方は・・・まぁこんなモンスターがいるってことで。

                        以上

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