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終章
その後も舞浜海岸遊歩道で大きな赫い落日が対岸のビル群に隠れる時刻に、ポニーテールの彼女と会った。彼女の名前はMOMOEといった。MOMOEは、写真は二度とない刹那を切りとってくれるから、とくに夕暮れときのすべてが赫く包まれる海と空と東京の風景が好きだ、といっていつもカメラを覗いていた。 ──ふだんはサロンモデルとして自分が被写体なのにと笑いながら──
落陽に体毛がうぶ毛のように赫く煌めくシーにオヤツを与えていたMOMOEに、オレとシーが仙台から来たことを伝えると、驚いた表情をみせながら初めてポニーテールをほどいて ──ワタシがどこから来たのか、わかりますか? と揺らいだ髪のまま訊ねた。
オレが頭を小さく横に振ると、昏くなりはじめた玲瓏な夕空のもとの赫い海原の彼方を見つめたMOMOEは、悪戯っぽく、
──海の彼方の母の国から来ました!
と、光の滴のように眩く微笑んだ。




